恋と禁忌の述語論理 (講談社文庫) [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • 真実は、演算できる。

    大学生の詠彦は、天才数理論理学者の叔母、硯さんを訪ねる。独身でアラサー美女の彼女に、名探偵が解決したはずの、殺人事件の真相を証明してもらうために……。
    詠彦が次々と持ち込む事件――「手料理は殺意か祝福か?」「『幽霊の証明』で絞殺犯を特定できるか?」「双子の『どちらが』殺したのか?」――と、個性豊かすぎる名探偵たち。「すべての人間の思索活動の頂点に立つ」という数理論理学で、硯さんはすべての謎を、証明できるのか!?
    「講談社BOOK倶楽部」内容紹介より

    鮮やか.
    論理学の勉強もできる一石二鳥のミステリ!

  • 主人公の詠彦が遭遇し探偵が解決した事件を、叔母で数理論理学者の硯さんが検証していくという話。

    論理的思考はやはり面白い。
    数理論理学の知識は全く無かったか、論理式等の知識が多少は役に立ちある程度は理解できた。

    ただトリックはちょっと・・・納得いかない、と思った後のどんでん返し。
    全ては納得できないが、まあコレなら何とか納得してもいいかな?

  • 2018/12/25 Amazonより年末年始に読みたいミステリー・中国歴史小説特集【30%OFF】にて650円でDL購入。
    2020/1/6〜1/8

    ここのところ続いたメフィスト賞受賞作家開拓シリーズも本作で終わり。名前から想像されるように、数理論理学をゴリゴリに押し出した新しいカテゴリの理系ミステリ。叔母の数理論理学の達人、硯と大学生のおい、森帖詠彦の会話で進む安楽椅子探偵型。Why done it?を論理学で徹底排除するところが斬新であるが、実は最後に、というドンデン返しも待っている。電子書籍には珍しく解説(佳多山大地氏)つきであったが、本作はあまり売れずに2作目の「その可能性は考えた」でブレークしたらしい。いやいや、十分面白いと思ったけどなぁ。硯さんと詠彦の間を思わせぶりに終わっているので、ぜひ続編をお願いしたい。

  • ※この本は途中で挫折しました


    見た目二十代の美しいおばは天然系。優秀な頭脳に早期退職してもありあまる金、ナイスバディまで備えた彼女はなぜかいまだ独身で、時々尋ねてくる主人公にちょくちょくちょっかいを出している。
    「ラノベかな?」と首を捻りたくなるような男の夢てんこ盛りキャラに引いた。

  • 勇気あるよね。

  • なるほどね。
    そういう角度からまとめてくるのは普通にビックリした。なかなかロジカルでいいね。

  • 久しぶりに論理学の本を読みたくなった。
    が、この本の内容的にはううむ。

  • つい最近第2シーズンの放送が終了したドラマ「探偵が早すぎる」の原作者の作品ということで読んでみた。ドラマの方は,ミステリとしては面白みにかけるというか,犯罪を企てる人間が小物過ぎるというか愚か過ぎる印象が強いため原作にまで食指が動かなかった。
    本作は極めて設定がユニークである。語り手たる森帖詠彦は知人を絡みで殺人事件に巻き込まれやすい体質のようで,そうして巻き込まれた事件は既に探偵役の人物によって解明されているのだが,それを美人天才数理論理学者の叔母・硯に話して,論理学の手法を以て推理を検証してもらうという形をとっている。
    論理学と言えば数十年前に大学で一般教養の講義を結構有名な先生から受けたことがある。私の母校は一般教養の講義を学内外の著名人が担当することが結構多かったのである。ある意味ミーハーな。で,そこで記号論理学が出てきて,結構面白く,一時期かなりハマった記憶がある。あのときの教科書はまだ実家にあるだろうか。またちょっと読みたい気分になってきた。
    しかし,事件において証明すべきことを記号論理に変換して,形式的に結論(事件の真実)を導くというのは大いに違和感がある。具体的な物事を記号化して抽象化することで,先入観を排除したり見落としなどを検証できるかも知れないが,結局最終的には人間の言葉で納得できる論理の落とし込まなければ犯行の証明にはならないだろう。記号論理で形式的に証明できても説得力はないし公判を維持できるかは疑わしい。何より形式的に結論を導き出す過程はミステリとしては面白くない。なかなか難しいところである。3編の殺人事件の後に全体を総括する話が続くのだが,ここがこの作品の真骨頂かも知れない。それぞれの事件で解明されたはずのことが色々ひっくり返されて,一種のどんでん返しになっているのは面白い。それ以外にも気になる事実らしきものが浮かび上がって来ていて,その先も興味がある。が,この作品で続編は厳しいだろうな。

  • 解説のようにまさに第2作目『その可能性はすでに考えた』を読もうと思ったら、シリーズだったので、手始めにメフィスト賞受賞の本作を読んでみた。
    ラノベっぽいのと数理論理学のせいか、そんなに楽しめなかった。

  • 唯一無二なミステリ。キャラがラノベっぽくて肌に合わない人がいるのも、よく分かる。その辺を差し引いて、数理論理学を使って最初の推理から導かれた真実を上回る真実を導く展開、最後に短編三つを貫いて物語の意味を書き換える構成はお見事でした。

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著者プロフィール

神奈川県出身。東京大学卒業。『恋と禁忌の述語論理』で第51回メフィスト賞を受賞。
第2作『その可能性はすでに考えた』は、恩田陸氏、麻耶雄嵩氏、辻真先氏、評論家諸氏などから大絶賛を受ける。同作は、2016年度第16回本格ミステリ大賞候補に選ばれた他、各ミステリ・ランキングを席捲。
続編『聖女の毒杯 その可能性はすでに考えた』でも「2017本格ミステリ・ベスト10」第1位を獲得した他、「ミステリが読みたい!2017年版」『このミステリーがすごい!  2017年版』「週刊文春ミステリーベスト10 2016年」にランクイン。さらに2017年度第17回本格ミステリ大賞候補と「読者に勧める黄金の本格ミステリー」に選ばれる。
また同年「言の葉の子ら」が第70回日本推理作家協会賞短編部門の候補作に。
他の著書に『探偵が早すぎる』(講談社タイガ)がある。

「2018年 『恋と禁忌の述語論理』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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