- Amazon.co.jp ・電子書籍 (261ページ)
感想・レビュー・書評
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4人兄弟の末っ子の妹が、野犬に舐められた後、亡くなった──
母は残された3人の子供を連れ、林に隠された別荘に移り住む。
長女のオパール、次男の琥珀、そして1番下の弟の瑪瑙。3人は新しい名前で生きていくことになる。
彼らには、守らねばならない決まりがあった。それは、家の壁の外に出ないこと。妹を殺した魔犬がうろついているから。
3人で過ごす時間と移りゆく季節を琥珀の視点から丹念に描く。
また、歳を重ね芸術の家に身を置くようになった琥珀もまた、第三者の視点から描かれる。
そっと息をしながら、静かにページをめくり、そしてここで知ったことをこのまま閉じ込めて起きたくなるような、そんな作品でした。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ストーリーにはこだわらず、描写に徹底的にこだわるという小川洋子氏らしさが出ている作品だと思う
ストーリーの起承転結というよりは日常を断片的に切り取った絵本といった印象
加えて文体が優しい
小川氏の人柄が感じられる作品という感想を持った -
末妹の死をきっかけに母に従い名前を変え別荘で外界と隔絶した生活を始めた3姉弟。
しかしそんな暮らしはやがて“訪問者”の出現により徐々に綻びを見せ始める。
互いを思いながらも次第にそれぞれの未来を見つけてゆく3人。
狂気に満ちた事件でもあり再生の物語でもあり。 -
約束のネバーランドを思い出した。
末っ子を亡くしたのをきっかけに、別荘に子供たちと共に引っ越し、子供たちが外に決して出ないように作話、軟禁(悪く言えば)したママ。
数年間も周囲に知られることなく子供を屋敷に閉じ込めるぞっとするような状況なのだけど、文章はきらきらしていてきれい。
言葉の紡ぎ方が素敵だと思った。 -
きらきらした美しい言葉たちで文章が紡がれていて
ひとつのアートを鑑賞しているみたいだった
小川洋子さんの使うことばや文章の作り方、雰囲気が
好きだなあと思った -
お母さんの壊れ具合がヤバいけど、子供たちの素直さや健気さにやられました。オパールはどこに行ったんだろうか…。
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小川洋子が大好きになる大切な一冊 唯一無二
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この本に綴られる全てが私には優しくて、とても共感できる感触や肌触りがいっぱいあって、この世に1人じゃないんだと感じる。上手く説明できないけれど、それを抜いてもこの作品が好き。