天才を殺す凡人 職場の人間関係に悩む、すべての人へ (日本経済新聞出版) [Kindle]
- 日経BP (2019年1月16日発売)
- Amazon.co.jp ・電子書籍 (231ページ)
感想・レビュー・書評
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人の才能を「天才」、「秀才」、「凡人」の3つに分け、ストーリー仕立てによる具体例で見分け方、関わり方を個人や組織の観点で分かりやすく書かれた本。
【学び】
・人は不可変なもの(他人、自分の才能、容姿など)を変えようとしたがるないものねだり
→弱みも強みも理解したうえで、持っているもので生きる
└それを受け入れ、伸ばしてくれる環境に身を置く
・凡人は共感性を強みとし、価値が顕在しているものに対して称賛し、潜在しているものに対し批判する。また社会のルールに沿って評価するので、称賛されたアイデアでも、すでに手遅れな場合が多い。
→創造性を強みとする天才は常に社会において評価されづらい。
・組織の意思決定に共感性(多数決)を入れるのは危うい
→なぜするべきかを論理的に説明する必要性がある
└常に本質を見極める再現性を強みとする秀才が得意
・それぞれを強みとする人たちとの会話では主語に気をつける
└凡人: 人
└秀才: 組織
└天才: 世界
→相手のよく使う主語を用いて説得する。話を聞くようにする。
・再現性は目標達成の手段であり、成功させるより失敗を認識させる意味合いが強い。
└失敗がちゃんと目標に向かった上での失敗にさせるため
・人の心を動かすのは自分の言葉、共通して認識が取れている便利な言葉には理解されやすいが心を動かさない。
→自らの言葉を手にするには
1. 他人の言葉をデトックスする
2. 白状する
【NA】
・自分の今認識している強み(創造性: 3と共感性: 7)はどのような組織で活かせそうか、どのような仕事に活かせそうかを考えてみる。
・組織の意思決定には多数決を行わない、理屈を考え全体に説明する。説明の順序もまず共感性の高い人から行うことで意思決定に前向きな空気感を生む。
・議論において、使われている主語から相手の強みを計る。議論がぶつかった時に現段階でフォーカスすべき対象(世界なのか、組織なのか、人なのか)を論理的に考え、意思決定する
・再現性のある数値達成ばかりに気を取られない。失敗を認識させてあげることを前提にFBを行う。成功した場合も、数値に固執せず、本来の上位目的における行動に対してFBを行う。
・よくある就活生の他人の言葉を使ってしまう現象に対して面談を通じてメスを入れる
└その言葉を使う意義を深掘りし、ない場合は改めて考え直させる。ある場合はその言葉が最適なのか見てあげる。ないし最適な言語化に向けて伴奏してあげる。
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面白い。
凡人、秀才、天才、確かに納得。
私は自己分析としては、おそらく秀才?よりかなと思い、でも凡人でもあるから、天才を殺さないように気をつけたい所と、圧倒的に多い凡人と、うまく付き合っていく対応、身につけていきたいと思った(^^)読書ノートにも、細かくインプットしたい事をメモした。 -
世の中の人間を天才、秀才、凡人に分け、それぞれの特徴や振る舞い方などがまとめられた一冊。
物語形式のため読みやすく、あるある話が多く出てきて共感できた。
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ステージ1 才能って何だろう
人は弱点をさらけ出すことで愛される
人間が抱える悩みは自分がコントロール出来ないことを無理矢理コントロールしようとすることから生まれる
才能は3タイプ
天才 独創的な考えや着眼点 創造性
秀才 論理的な考え、堅実 再現性
凡人 感情や空気を読む 共感性
企業が停滞し始める時は、事業のあるべき姿ではなく組織の政治に目が向かう
人生は配られたカードで戦う
ステージ2 相反する才能
三人のアンバサダー
エリートスーパーマン 創造性、再現性
病める天才 天才と凡人を橋渡し
最強の実行者 エース、大活躍するが革新は苦手
キラークエスチョン あなたならどうしますか?
ステージ3 武器を選び、戦え
共感の神=根回しおじさん
凡人が最強の武器を手にするための2つの方法
1.他人の言葉をデトックスすること
2.白状すること -
秀才(論理性)が邪魔に感じている天才(創造性)を殺すために武器として凡人(共感性)が用いられるのが今の日本、とういうことを説いた本です。
著者がこの本を書いた目的は、あとがきにも書いてある通り、新しいことに挑戦しようとする人、創造性を発揮しようとしている人で、世の中の評判や常識の壁に押しつぶされそうになっている人を応援するため、だそうです。
おそらくこういった小難し本を読む人は、私も含め、「秀才」に分類される方が多いと思います。
ですのでこの本を読んだ我々(秀才)は天才を邪魔者にするのではなく、論理性という武器を使って天才を助けることで日本にイノベーションをもたらし、より良い国に変えていくことができるのではないかと感じました。 -
自分がどのタイプなのかを考えながら、また周りにいる人を思い浮かべながら、あー、だからあのときうまくいかなかったのかな、こうすれば良かったのかな、なんてことを考えながら読めたのが面白かった。
天才でも秀才でも凡人でも、自分の才能を理解してうまく活かせるかどうか、なんだろうなー。 -
診断によると私は秀才だった。まぁそんな気がする。
本当は創造性を持つ天才にあこがれているんだけど、正直自分で何か新しいことを成し遂げたいというよりは右腕になる方が達成感がある気がする。
ここでもやっぱり問いのデザインが大事だと言っているので、次は問いのデザインを読む -
組織には天才・秀才・凡人の3種類のタイプが存在する。
天才とは創造性に価値を置くが人への共感、説明力が弱く多数決に殺されることも多い。
秀才とは再現性をもたらす天才の相棒であるが天才への強烈なコンプレックスがある。
凡人とは共感性が強いがイノベーションを殺す存在にもなる。
この3タイプに区別できるわけではなく、自分の中に存在する3タイプの強みを理解することが大事である。
そして相反する才能の力学を理解し、自分の特性を活用することができる。
天才:世界や真理など、超越した何かで語る
秀才:組織やルールなどを善悪で語る
凡人:主語が人メインで話す。 -
大企業にいるので、とても良く理解できる。
秀才同士が派閥争いなどもしていると、ほんまにどうなってんねん、うちの会社、と思うことも。
自分1人の中に、天才、秀才、凡人がそれぞれあるというのがとても「共感」。 -
天才を殺す凡人。
だけども、殺されている凡人もいるだろう。
組織として、血の入れ替えをするのか。
それとも、これまでのメンバーと改革を目指すのか。
どちらをとるかで、対処は変わる。
ただ、天才たちの努力を無に帰すことだけはあってはならない。 -
凡人が、天才を殺すことがある理由。ーどう社会から「天才」を守るか? - 『週報』北野唯我のブログ http://yuiga-k.hatenablog.com/entry/2018/02/23/113000
この記事を小説にした本。物語形式になっているので人によっては読みやすくなっているとは言える。しかし重要なことは全てブログで読めるため、わざわざ購入する必要はない。
発想としては面白いし、それっぽさはある。しかし根拠は全て著者の経験と聞いた話によるものなので、確からしさは低い。ブログを読んで納得がいったのなら、お布施目的で買うのがいいのでは。