正直、WEB版の方がおもしろかった。
事件を大きくしたかったのか、令嬢たちの嫌がらせが隣国の陰謀に変わっているけど、書き切れていないというか、設定のわりに内容が小さいというか。
もっとマリエッタと仲良くしている描写があれば、違ったのかも。
大公とリィナにしても、大体の流れは一緒だけど、大公の「愛してる」は唐突すぎるというか、重みを感じない。10年前から、彼女しかいないと思い詰めていたわけでもなく、再会してちょっと話しただけで?ないない。これも、リィナの行動が細かく描写されずにさらっと書かれてるだけのせいもあると思うけど。全体的にリィナが薄くなってる。
このあたり、WEB版の方がすんなり読めたし、大公の感情にも納得がいった。書籍版は取ってつけた感が否めない。
テレーゼの破天荒っぷりに磨きがかかっているのは、まあいいとして。
「お胸を落とした」だの「そういう趣味」だのは勘違いさせるにも無理があるかと。
そしてジェイドがあわれ。あそこが一番の衝撃だったといっても過言ではない。
声を大にして言いたい、くっつかないの!?
まあ、たぶん、ページ数のわりにあれもこれもと詰め込みすぎて、全体が散漫になっちゃったのかなあと。
WEB版のストーリーのままで深掘りした方がおもしろく仕上がったんじゃないかと思える。