実録 解離性障害のちぐはぐな日々 [Kindle]

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  • 「本当の私」はだれなの?
    イラストレーターで解離性同一性障害の当事者Tokinが描いた「多重」の世界のリアル&私が身につけたライフハックの数々。
    けっこう困ってるけど、今日もなんとか生き延びてます!
    専門医岡野憲一郎による病気・症状についての解説コラムを収録。
    もし抱えきれないストレスや辛い出来事に遭遇したら、どうやって自分を守るか?「辛くなったら、自分と感情を切り離してしまえばいい」この対処法を子供の頃身に付けたTokinさんはある時期まで無敵だったけど、自分から切り離された感情や自分は別の人格を形成するようになった。
    双極性障害もあり、相手や状況によって自分の感情や人格が激しく入れ替わるようになり、人間関係に支障をきたすようになり、自分が分からなくなり、友人や彼氏が自分を好きでも「どの自分を好きなのか?」わからない、辛い感情が冷凍保存されていてある時吹き出して混乱してしまう症状に苦しみ、カウンセリングした。
    自分の感情と人格が上手くつかめず、坑うつ剤の影響で解離症状が悪化し躁状態が強くなってしまう。
    入院中に入院仲間から「やっぱり私達病人のことなんて、先生はわからないんだ」という言葉を聞いて悔しい気持ちになったTokinは、自分の経験を元に解離性障害のことを理解してもらうためにフリーペーパー「ゾンビ道場」を作ることにする。
    「ゾンビ道場」をきっかけに、ロックバンド「バクガキ」のライブでライブペイントしたり、活動の幅が広くなったTokinだが、服薬で躁鬱の幅の改善を図ろうとするけど、なかなか上手くいかない。
    定期的に両親が様子を見にきてくれたり、「100%を目指さない」「「普通」は気にしない」「困ったらノートに書く」「少し疲れたら休む」「自傷したい時は柔らかいものを握る」などのライフハックを身に付けて、「カウンターたちの朗読会」などの活動したり初の個展を成功させて順調なTokinだが、自分のやることが記憶と実感が解離していることに手の中からやっていることがすり抜けていく不安があり「絵を描くことに意味があるのか?」と不安になった。
    「カウンターたちの朗読会」をやっている相方の朗読詩人成宮アイコに解離のことを聞かれたTokinは、「実感はあるけど自分の記憶が遠ざかってしまう」と説明した。
    成宮アイコは、「忘れたりしても絵で記憶を残して絵を描くことで取り戻してきた。忘れても絵を続けてきたことって凄いよ」とTokinに言ってくれた。
    解離のせいで記憶が遠ざかって、自分がやり遂げたことも手の中からすり抜けても、形に残るもので残すことで自分と世界を隔てる川の幅を縮めることが、出来る。
    自分の感情を、例え怒りや悲しみや悔しい気持ちや怨みや苦しみであっても否定せず、向き合い受け止め表現することが大事。
    理解しにくい解離性障害を分かり易く解説したコミックエッセイです。

  • パリバラ観て、興味がわいて。
    この手の本はつい読んでしまう。
    そういうことなんだね、解離性障害って。人の頭の中ってすごい容量あるんだわ。

  • とても読みやすくて1時間程で読了。
    自分自身、解離性同一性障害の当事者なので読んでいて苦しくなってしまう場面はたくさんあった。でも、言葉にできない感覚や生きづらさを説明してくれているので身近な人に自分の状態を説明したいときにとても役に立つなと思った。

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著者プロフィール

イラストレーター
1983年生まれ。学生時代から心身の不調を抱えつつ七転八倒。精神科への通院開始から10年ほどで解離性同一性障害・双極性障害と診断される。長期入院をきっかけに、自身の障害を描いたフリーペーパー「ゾンビ道場」を発刊。朝日新聞、テレビ東京等で話題を呼び「季刊・BE!」(アスク・ヒューマン・ケア)にて1年半にわたり当事者漫画を連載。
現在は主に「心理とおとぎ話」をテーマに漫画や水彩画を制作。イベント出展やライブペイントも多く行なっている。

「2018年 『実録 解離性障害のちぐはぐな日々』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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