1R1分34秒 [Kindle]

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  • 新潮社
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感想・レビュー・書評

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  • 文藝春秋2019年3月号Kindle版にて『ニムロッド』と合わせて読了。

    何というか、2作品とも読後感が似ている。
    いずれも(世代は若干異なるが)若い男性が主人公。

    『ニムロッド』は、「仮想通貨」という実感を伴わない世界を背景に、生身の人間から乖離した「制度」の在りようを描いている。

    『1R1分34秒』は、逆に生身の肉体に徹底してフォーカスしていく。
    ボクシングにおける身体の使い方、減量の過酷さ。

    いずれも、主人公の身の回り、半径5メートルの世界を内省的に描く。
    最近の芥川賞受賞作ってこういう作品が多い気がする。
    自分が読んだのは『火花』『異類婚姻譚』『死んでいない者』『コンビニ人間』くらいだが。
    本2作も含めて世界観はどれも悪くないのだが、スケール感が乏しいんだよな。
    なんか小粒化してるというか、昔は受賞作なしってことも結構あったけど、最近はコンスタントに選ばれ、しかも2作品同時というのも珍しくない。
    粗製乱造という気もしなくもないが。

    『1R1分34秒』
    主人公がちょっと性格が悪いというか素直じゃないところがスパイスになっている。
    伝統的な、ストイックなボクサー像とは異なる、現代的でリアルなボクサーの在りよう。
    それでも現代では絶滅種ではあるとは思うが。
    この小説の白眉は、ボクシングにおける肉体の使い方・感覚を徹底的に文字で表現しきったことだろう。
    読んでいて、像を頭で描くことはなかなか難しいが、その感覚が伝わるだけでも新鮮な体験ができる。

  • ボクサーとしての葛藤と人間としての葛藤と

  • 21歳のプロボクサーの物語で芥川賞受賞作。主人公がなぜ厳しい練習や減量に耐えてボクシングをやっているのかがつかめず、最後まで入り込めなかった感じ。ところどころ普通は漢字で表記するのに、ひらがなで書かれていることばがあり、引っかかってしまうのもマイナス。

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著者プロフィール

町屋 良平(まちや りょうへい)
1983年、東京都生まれの小説家。「青が破れる」で第53回文藝賞を受賞してデビューし、同作で第30回三島由紀夫賞候補に選ばれる。2018年、「しき」で第159回芥川龍之介賞候補に選ばれ、続く「1R1分34秒」で第160回芥川龍之介賞候補になった。

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