東京貧困女子。―彼女たちはなぜ躓いたのか [Kindle]

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  • 東洋経済新報社
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感想・レビュー・書評

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  • 大変丁寧な取材に基づいたルポだった。世の中は進歩してるのに、女性をとりまく環境は悪化の一途を辿ってるとはどういうことか。なぜ男女の収入格差は埋まらないのか、なぜ離婚後男性からの養育費を義務化しないのか。何もしてきてない(むしろ規制緩和の名の下に状況を改悪した)国と、厳しい現実について何も知らなかった自分に激しい怒りを覚えた。

  • 【心がある人として読んでも良いし、心無い人として無視しても良いです】

    『怒り』

    貧困
    精神疾患
    最低賃金
    家庭崩壊
    生活保護
    売春
    子育て
    養育費
    家賃
    スラム街
    ホームレス
    派遣
    介護業界

    No Futureを受けとめよう。

  •  中村淳彦 著「東京貧困女子」、2019.4発行、さっと一読しました。カラダを換金すれば貧困回避どころか富裕層になれる世界だった。2000年以降日本経済は下降線をたどる。2006~7年あたりからAV女優が「普通の生活ができない」と。カラダを売りたい女性が急増し価格が急降下。また、介護の世界は困窮した人々の巣窟。介護職の賃金は300万以下、仕事を民間に投げた地方公務員はその倍以上。小泉純一郎政権から日本は本当におかしくなった。富む者は富みやすく、非正規は困窮という貧富の差に。女子大生、単身OL、シングルマザーの実態をレポートしています。中高年や高齢者は、若者が苦しんでいる現実を知らないと。たしかに・・・。本書を読んでも、にわかには信じられません。小泉政権で生まれた非正規が労働をゆがめたことは理解していますが、ここまでひどいとは。。。

  • Prime readingで拝読。

    たいへん、重たい内容だった。みんなに読んでほしい。

    目を背けたくなる現実、とはまさにこのことで、自分の普段の生活について再考させられた。

    著者が貧困女子に話を聴く際の信条である、
    「どんな話が返ってきても否定はしない。」
    は、しようと思ってもできることじゃない。

    普通なら、何かしらアドバイスをしたり、安易に責めたりする。

    しかし、本人はもうそんなことはとっくの前から何度も自問自答して分かっていることで、ウンザリしているだろう。特に、今回取り上げられている女性たちは、皆壮絶な人生を歩んでいるから余計に。

    「お金」「家族」「知識・教育」
    この三つは強固に結びついていて、どれかが欠ければたちどころに崩れてしまうのかもしれない。
    つまり、三つ全部持っているか、一つも持っていないか、どちらかに二極化するのではないだろうか。

    だとすれば、この悪循環は本当に恐ろしい。

    自己責任論は、貧困問題には通用しないし、適応してはならない。誰かが何かをすれば解決なんてスケールの小さい話ではない。

    富の再分配とセーフティネットの整備が福祉の役目であるはずだ。しかし、どうもどちらの役割も果たせていないように見えてしまう。

    とことん救いもなく、画期的な解決策もない。それでも、この本と出会えて良かった。

    普通に生活していては、絶対に知り得なかった現実を、知ることができたから。

  • 最初から最後まで読むのがしんどい話。
    最初の風俗で足りない生活費を稼がなければならない
    女子大生もしんどいが、読めば読むほど
    明日には死ぬかもしれない程度が重くなっていく。

    もちろん、貧困…明日の命の行方もわからないような
    貧困は昔からあったと思う。
    いつ転落するかわからない人生で、毎日を紙一重で
    生きているのはたぶん男も女も一緒だと思う。
    (今まで見てきたホームレスの人って男の人が多いし)

    最後の寿町の話もそうだが、
    何か重大なことが起こった場合
    女性は真面目に受け止めてしまい
    男性は割と日々生きられれば…と思えるんだろうか。
    そう思うと、姉の介護を引き受けてしまった女性じゃないけど
    頑張りすぎない方が楽に生きられるのかもしれない。


    ただ、それとは別に思うのは
    個人としてできることは
    人生がどうなっても良いように
    絶対仕事はやめない方が良いし
    本やニュースなどをコンスタントに読んで
    世の中のことを勉強して危機管理を怠らない方が良い。

    国は…どうなんだろう?
    手厚くすれば結局その手の「頭の良い人」が
    不正受給する額が増えるだけで
    日々の暮らしで手一杯で調べることができない人は
    やっぱり取り残されることになるんじゃないだろうか。

    シングルマザー版寿町を作るとか?
    (目の届かないところで親同士だけでなく
    子供同士の(性の問題を含めた)トラブルが起こる可能性あり)

    なんにしろ、どこも閉塞感ばかりで
    他人を労るどころか放っておく優しさもない人ばかりで
    絶望する…けれど、
    これまた昔のことを思うと、村八分とか他人の粗探しとか
    結局やっぱり何も変わってないのかもしれないし
    人間というのは
    どうも変わらないのかもしれないなぁ、と思う。


    介護業界について、著者の話は興味深い。
    精神疾患を患った人たちの話も。
    読みながら、少し違うかもしれないけれど
    先日起こったALS患者の嘱託殺人を思い出した。
    「それでも生きているという意味を見つけるために
    生きている」という人もいるかもしれないが
    生きる意味を探す余裕もないほど
    真綿で首を絞められるような生活をしている場合
    どうしたらいいんだろう。


    何より、この本に出てきた人たちが
    その後希望の持てる日々を送れるようになることを
    祈りたい。

  • 東洋経済のネットで読んでるときからすきだった。
    すごくリアルで、身につまされる。
    「格差社会から階級社会に変換した」、「相対的貧困」が増えているというのも、奨学金を半分以上が借りて大学にいっている(2012年)という衝撃のデータから納得してしまう。
    将来、自分が貧困に陥らないと言い切れない。離婚してシングルマザーになったり、病気になって働けなくなったりするかもしれない。その原因もDVだったり上司のパワハラだったり家族の介護だったり、簡単に自己責任と言えない。図書館司書の人に至っては、その仕事を選んだことが間違いとしか言えなくて、どう考えてもおかしい。
    筆者の私見がかなり強い印象はあって、つっこみたいところもある。例えば、慢性疲労症候群や髄液減少症の原因は、たしかにストレスはあるだろうけど、医学的には不明とされてるとか。
    介護職もすごく問題。働きたい人の最後のチャンスではあるけど、いっしょくたにしないで研修とかで細分化するのは大事だと思う。しっかり整備されるようにわたしにできるのは選挙に行くとかかな。

  • 重く体力のいる内容だった。何も知らない自分が怖い。やっぱり親の適切な判断は重要だよ。

  • 文字通り、東京で貧困にあえぐ女子について書いた一冊。

    どの人も家族との関係がうまくいっていなかったり、心身ともに病んでいたりして、同情はするけど共感はできない話が多く、読んでてしんどかった。

  • つまらない

  • 以前から日本の貧困問題に興味があったので読んでみました。が、想像以上に壮絶な経験談が書かれており、かなりつらかったです(気持ち的にしんどくなるので一部飛ばして読みました)。

    日本には見えない貧困があり、女性が一人で生きていくことがどれほど大変なことなのかを、まざまざと見せつけられた気がします。学費のために売春する女子大生、誰にも頼れないシングルマザー、過労により障がい者になってしまった女性、、、
    でもこの女性たちをこの国は見放してしまっているのだなと思いました。制度のカラクリにより生活保護をギリギリ受給できないようになっている人が多く、絶望しました。
    (最終章で、生活保護のお金で昼から酒を飲む日雇労働者の男性との対比がよりその絶望感をより強くしています)

    今まで周りに恵まれていただけ、躓いてこなかっただけ、身体をこわさなかっただけで、いつこうなってもおかしくないという事実を突きつけられました。
    そして、健康なからだと帰る場所と働ける場所があるだけでもう十分幸せなんだな…と思わざるを得ませんでした。

    日本が、女性が一人で自立して生きていけない社会の構造のままこの時代まで来てしまい、とても残念です。

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著者プロフィール

1972年生まれ。ノンフィクションライター。AV女優や風俗、介護などの現場をフィールドワークとして取材・執筆を続ける。貧困化する日本の現実を可視化するために、さまざまな過酷な現場の話にひたすら耳を傾け続けている。『東京貧困女子。』(東洋経済新報社)はニュース本屋大賞ノンフィクション本大賞ノミネートされた。著書に『新型コロナと貧困女子』(宝島新書)、『日本の貧困女子』(SB新書)、『職業としてのAV女優』『ルポ中年童貞』(幻冬舎新書)など多数がある。また『名前のない女たち』シリーズは劇場映画化もされている。

「2020年 『日本が壊れる前に』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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