【自己紹介】はじめまして、バーチャルCTuber真銀アヤです。 (小説すばる Digital Book) [Kindle]

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  • 集英社
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感想・レビュー・書評

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  • Vtuberとウィトゲンシュタイン哲学と寄生虫をこねくり合わせて創り上げられたワイドスクリーンバロック

    この作品の後に『最後にして最初のアイドル』なども拝見させて頂きましたがこちらの作品が最も私の好みに合っていました

    意識そのものを配信し個人の意識に寄生し根を張り、意識の配信によりわたしに新たな経験をさせ成長し、わたしの語り得るものを増やす事で世界を拡張させ
    拡張し切ったわたしは捕食者に捕食される事でわれわれになる
    そしてまたわれわれはどこかのあなたのもとに種を蒔く

    こういった読者を巻き込む様なギミックが好みなので久々に素直に感動の衝撃を得られました
    読んで良かった

  • 心の問題について、思弁的実在論やメディア論的転回といった哲学議論を説明。特に「心の起源は自己紹介にある」というのはおもしろかった。

    そしてネットワークによる超生命の出現を予感させる。

    が、結局物語の形式にまではなっていなくて、単に哲学ポエムを語って並べただけになっていた。
    かなり期待外れだった。

  •  小説すばる2018年10月号に掲載された短編が電子版で発売されたもの。短編1編からでも売れる/買えるというのは電子書籍明確な強みだろう。

     Youtubeで配信を行う人を「Youtuber」、生身の人物ではなく3DCGなどの姿となって配信を行うキャラクターを「Virtual Youtuber」=「Vtuber」と呼ぶ。「Character Youtuber」=「Ctuber」という言葉も一応ネット上には存在しており、Vtuberと類似の存在だがより架空のキャラであることを強調した呼称となるのだろうか。

     しかし、Ctuber真銀アヤのCは「character」のCではなく、「意識 Consciousness」のCである。真銀アヤは意識を配信するのだ。視聴者は通常の配信のように映像を見るのではなく、自身が真銀アヤとなってバーチャル世界を体感する。

     物語は真銀アヤの配信パートと、テレビやラジオ、そして日常会話の一部が切り取られらような現実世界パートが交互に進行する。
     草野原々作品の特徴は、身近なサブカルチャーと難解な科学的哲学的理論の接続というところにあると思う。本作もその特徴が遺憾なく発揮され、とても聞き馴染みのあるCtuber真銀アヤの語りに乗せられ、意識についての難解な理論に誘われる。理解が難しいところもあるが、ページ数自体は少なく短時間でも読めるので一読することオススメです。

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