愛の無常について (講談社文庫) [Kindle]

  • 講談社 (1971年7月1日発売)
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  • 人生のそこここで「無常」に出会う。便利さが増すほどに人の心は移ろいやすくなり、辛抱強さの根が短くなる。また全生涯をかけて誰かを、何かを永遠に愛そうと情熱を傾けるにしては人生は短く、果たそうとして果たせなかったという寂寥感が死の間際に待ち構えている。だから愛はすべて、無常の中でしか実現されないというわけだ。

    愛という情熱に同居していて、そして最期に切り離されざるを得ない孤独。この矛盾に満ちた人生を、矛盾に満ちたまののままとして凝視する力を持つことで、人間が本当に人間になれると著者は信じる。この凝視力に開眼することこそ「第3の誕生日」を迎えることなのである、という。

    生きている不安は不安のままに、諸々の罪は罪のままに、矛盾を矛盾のままに、救われざる存在は救われざるままに、無常は無常のままに。ビートルズの唄にもこのような主題があったな。絶望感の底に希望を見出したニーチェの「超人」に通ずるものがあるようにも思う。

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著者プロフィール

1907~1966。評論家。太宰治の友人。主な著書に、『大和古寺風物誌』『愛の無情について』『青春論』など。

「2019年 『愛と苦悩の手紙 君を思い、思うことあり』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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