kindle unlimitedに入っていたので読んでみた。続きがunlimitedに入るか無料なら原作が好きなので読むかもしれないが、お金を出してまで読みたい本ではない。
描いている漫画家はかなり発展途上。4巻の冒頭試し読みを見る限りまだまだ発展途上中のようです。
ストーリーを追いかけるだけで楽しめる読者ならいいでしょうが、異世界がどのくらいの文化レベルなのか推測したかったり、現代日本とのギャップを楽しみたいタイプの読者にはつらい。
私は後者なので原作小説を読む方がストレスなく物語を楽しめる。
表紙絵や挿絵イラストならいけるけどマンガには慣れていない人が描いている印象。
人物は1巻の登場人物を見る限りでは悪くない。メシはおいしそうではないが不味そうでもないので描き慣れたらおいしく描けるようになりそう。小道具・大道具・背景はだいぶお勉強が必要(テーブルや皿の大きさがコマごとに全然違うとか、ポーションの描写があちこちおかしいのが気になる)。
細部にあまりこだわりがないか、あっても絵に反映しきれないようなので異世界ものには不向きな漫画家さんだと思う(現代日本ものの方が向いていそう)。これは原作が一人称視点のために小物描写がふんわりしているのである程度仕方がないのだけど(マンガを描く人が細部まで決めなければいけないので苦手な人はとことん苦手だと思う)。
初日の食事風景には驚いた。パンを皿やテーブルクロスや籠にも載せない。バタール(フランスパン)を切りもしないでまるごと両手でつかんでかぶりつき、水分もとらない(テーブルの上に食器がなにもない)。
原作で書かれていないものは描いていないのである意味原作通りだけど、絵にすると妙。上の状況、皿や水が欲しいと思わないものだろうか。
一人称の物語で現代の日本人女性である主人公(過剰なほどの気遣いを強要されてきた人物)が違和感なく過ごしているのでパンを置くものや水が入ったコップくらいは(漫画家さんが補完して)テーブル上に描いてもよかったのでは。
作中のポーション瓶から液体が流れてくる絵。作中の絵は瓶から液体が流れ出てくる状態ではなく、水道にホースをつなげて水まきしてるときの出方です。瓶から水を注ぐのは日常でもあるので絵を見た時にどこか妙だな?と感じる人もいるはずです。簡単に検証できることをテキトーに描いてしまってはいけません…(これにツッコミ入れない編集もどうかと思う。同人誌なら生暖かく見守る所だが)。
あのポーション瓶すりあわせの蓋だろうけどすりあわせ部分の長さと瓶の口径どのくらいなんだか。上手に描かずに済ませているようだけど。
ストーリーに関係しない些細な部分でも違和感が積み重なるとストーリーを楽しめなくなります。嫌いな絵ではない、どちらかと言えば好みの絵柄だけに詰めが甘い所が残念。挿絵なら及第点、漫画だと今後に期待できたらいいなあという感じ。