サピエンス全史 下 文明の構造と人類の幸福

  • Audible Studios (2019年4月5日発売)
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感想・レビュー・書評

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  • ──農業革命とまったく同じように、近代経済の成長も大掛かりな詐欺だった、ということになりかねない。


    引き続きAmazonAudibleにて。
    下巻は資本主義について。科学と産業革命のお陰で人類は超人間的な力と、実質的に無限の力を手に入れた。資本主義をやめることはもう出来ない。
    そして自然選択による進化から知的設計による進化へ。

    何十万年、何百万年もかかって少しずつ変わってきたサピエンスの行動様式がたったの数百年で劇的に変化したのは、改めて示されるとほんとに凄いなーって。
    人類史を俯瞰してたいへんわかりやすく読みやすく教えてくれる良書と思いますが、複雑なものを分かりやすくすると言うのはいろいろ端折っているということでもあるのでその辺は忘れないようにしたい。

    とても勉強になったけど続き(?)の「ホモデウス」は紙にしよう。朗読は素晴しいものだけどこう、こういう本だと理解が浸透する前にどんどん進まれるので困る。イケボに聞き入ってしまうのもある。
    もう一回聞き返すつもり。

    自分用上巻リンク
    https://booklog.jp/users/paleblued0t/archives/1/B07NS62H2H

  • 神やイデオロギー、国家といったあらゆる概念は『フィクション(虚構)』に過ぎないと喝破する意欲作。

    ハラリ氏はこれらのフィクションについて、支配層が大衆をまとめるために(時に搾取するために)生み出したプロパガンダで騙されないように、と警笛を鳴らしているわけではない。

    これらのフィクションが人々の協力を促して秩序を維持し、集団の生存戦略にも寄与していることにこそ、注目したい。シキタリ、ルールなどのフィクションを盲信するのではなく、誰が、いつ、何のためにこのフィクションを生み出したのか?をこの本で辿ることで、それが機能する面と不必要な面を見極めようとするキッカケとなり、その境界線を考える視座にしたい。

  • いわれてみるとお金という虚構で社会がここまで制御されていることに驚愕する。

    神や国家も同義

    いやほんといい気づきをたくさん得られた本だ。

  • ジョギング中にコツコツと聞いて読了(?)。耳からどこまで理解できるかと不安だったが杞憂で、むしろ雑念にとらわれることなく走りと読書に集中できとてもよかった。引き続き、Audible聞き放題でホモ・デウスを再読予定。

  • オーディブルだとあちこち聞き逃してしまうため
    内容理解のために何度も聞き直したので時間がかかってしまった。

    人類の起源とかやってた上巻の方が面白かったけど、
    産業革命とか宗教とか、こっちも興味深い内容なのは間違いない。

    小説は腰を据えて読みたいため、
    自転車通勤時や散歩時に、この手の本が読めるのは
    本当に助かってる。

  • イマジネーションとかのひらめき。
    ただ、責任は取りたいと考える。

  • 下巻も切れ味鋭い。宗教では、一神教から多神教、仏教(自然法則の信奉)まで整理し、そこに共産主義から人種主義(ナチズム)更に人権主義(根拠もないというコメント付きで)まで入れている。人間至上主義と生命学との溝も面白い。近代ヒューマニズムは150年で終息するか。これは呉智英が30年前から言っていたこと。
     科学革命については知への渇望がそれまでとの違いという。これも初めて聞く見解だが肯かせる。ただそれは近代ヨーロッパだけなのか。古代ギリシアにはあったのでは?また、発明にはそういう意欲があると思うが、なぜ広がらなかったのか?
     また文明が進むことによる人間の幸福という答えが出ない話に取り組んでいる。それまでのように明快な回答はないが、少なくとも並行して進むものではないこと、個々人によることは確か。それ以上に衝撃なのは動物まで含めた場合、間違いなく文明の進化によって不幸になっているとの論証である。奴隷と並んで論じられればその通りと思う。今後、大問題になる可能性は高い。
     最後の超人問題も知的には関心高い問題。どこまで自己改造するのか。ハラリは避けられないと考えているようだが、その先は全くの不透明。

  • 文明は人類を幸福にしたのか?帝国、科学、資本が近代をもたらした!現代世界の矛盾を鋭くえぐる!(e-honより)

  • どこかで『昔の方が良かった』という話題が上がるたび、乳児死亡率や犯罪発生率、テクノロジーやジェンダー観の違いを理由に現代社会の繁栄が語られる。
    『発展した』『便利になった』『死ににくくなった』という個々の事象に疑いようはないが、『人類は幸せになったのだろうか』という問いの答えはまだ得られていない。
    主観的な幸福の総量が紀元前から変わらないとしたら、一体人類は何を目指せば良いのだろうか?

    上巻の帝国の話に続き、下巻はそれにより飛躍した科学革命の話から。
    帝国の後援で科学は発達し、利用可能なエネルギーは土地と時間ではなく、燃料資源とその精製技術に依存するようになる。
    年毎に更新を続けるエネルギーの限界点は、資本の力で産業のエンジンとなり、あらゆる製品の過剰供給を可能とする。
    ついに供給が需要を追い越したとき、経済の主戦場は市場(いちば)から市場(しじょう)へと作り変えられる。
    成長が保証される新しい市場では、物質に依存しない未来への信用が通貨となり、さらなる投資を産み続ける。

    拡大を続ける資本はやがて帝国を破壊したところで規制されるようになったが、いまだそのバランスポイントは見極められず、
    もはや資本主義がなかった頃に戻ることは出来ない。
    こうして世界は幾分か平和になり、便利になり、人は死ににくくなったが、幸か不幸か人が感じられる【幸せ】はそれらとは相関しないらしい。

    そもそも現在の社会というものは、過去の人間が、手の届く範囲の"改善"を続けた結果が積み重なったものだ。
    ゴールだけが"幸せ"なのであり、途中の改善に"幸せ"を感じられなかったとしたら、ここまでの社会を築き続けることは出来なかっただろう。
    たとえこの先、文明が完膚なきまでに破壊されたとしても、生き残った僅かな人類は、"最悪"から一歩踏み出すだけで幸せを感じることが出来る。
    それこそが、これまでを歩み、これからを歩むサピエンスという生き物がつくる歴史だ。

  • 職場の同僚に借りて読んだ。
    慣れたからか、上より読みやすかった。
    今後、どうなることやら。

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著者プロフィール

歴史学者、哲学者。1976年イスラエル生まれ。オックスフォード大学で中世史、軍事史を専攻し博士号を取得。現在、ヘブライ大学で歴史学を教授。『サピエンス全史』『ホモ・デウス』『21 Lessons』。

「2020年 『「サピエンス全史」「ホモ・デウス」期間限定特装セット』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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