ブラック職場があなたを殺す (日本経済新聞出版) [Kindle]

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  • 仕事のストレスは、国や職業、社会的地位に関係なく生じる。職場のストレス要因の中で、特に問題となるのは、低賃金、シフト勤務、そして仕事の裁量の低さ。

    健康な職場に必要不可欠なのは、次の2つ。
    ・仕事の裁量性の確保:研究によると、仕事の裁量の余地が大きい人ほど、健康状態が良好。
    ・ソーシャルサポートの確立:困った時に同僚や家族、親友が助けてくれるといったソーシャルサポートを得られると、人のストレスは和らぐ。

    悪しき労働環境と経営慣行を改善するための原則は、次の5つ。
    ①従業員の健康と幸福を計測する:
    従業員の健康状態や職場環境を調査し、明らかにする。

    ②「社会的公害企業」を公表する:
    環境汚染への取り組みでは、公害企業を公表して改善を促す。従業員の心身の健康も、①の調査結果を公表することで改善が期待できる。

    ③負の外部効果を明らかにする:
    従業員の健康と幸福に関して、企業が、社会など外部に押しつけているコストがどの程度かを追跡・捕捉する政策を、政府や自治体に求める。

    ④健康と利益は両立する:
    より健康な職場環境をめざして努力する。そうすれば、健康で元気な社員が効率よく働き、病欠も少ないから、経営者にとっても経済的に見合う。

    ⑤人間の持続可能性を優先する:
    悪しき職場環境が原因で人命が失われる事態は、倫理的に許されない。企業が意思決定を行う際は、人間の健康と幸福を重視する。

  • 日本の古典的会社の管理者層に読んでほしい。いかに長時間労働が金持ち投資家や経営者のお金の代償になっているかということを。社員への慈善にも気を配ろう。

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著者プロフィール

スタンフォード大学ビジネススクール教授(トーマス・D・ディー2世記念講座)。
専門は組織行動学。資源依存理論の提唱者として知られる。スタンフォード大学でPhDを取得後、イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校、カリフォルニア大学バークレー校で教鞭を執り、1979年にスタンフォード大学の正教授に就任。これまで16冊の著作を持ち、150本以上の論文を発表。オランダのティルブルフ大学から授与された名誉博士号のほか、数多くの受賞歴がある。スタンフォード大学で教える傍ら、ハーバード・ビジネススクール、ロンドン・ビジネススクール、シンガポール経営大学、IESEなどで客員教授や講師も務める。主な著書に『「権力」を握る人の法則』『悪いヤツほど出世する』『社員が病む職場、幸せになる職場』などがある。カリフォルニア州ヒルズボロー在住。

「2023年 『出世 7つの法則』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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