罪の声 (講談社文庫) [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • 「騙し絵の牙」で唸りまくった
    塩田武士だが、ようやく個人的に2冊目となる作品にチャ
    レンジ。これがまた、とんでもなく読み応え抜群の逸品だ
    った。

    モチーフは今から35年前の1984年に起こった「グリコ・
    森永事件」。この作品はコレを「ギン萬事件」という架空
    の事件に置き換え、在阪の新聞社が発生から30年後に特集
    記事としてこの事件を掘り起こす、という設定。この特集
    に何故か抜擢された畑違いの文化部記者と、当時各マスコ
    ミに送りつけられた脅迫テープの声の主が「自分」だと気
    付いた2人の男が主人公。両者が独自のルートで真相に迫り、
    やがて融合する・・・という内容。

    もちろんこちらはフィクションであり、会社名や団体名は
    完全に変えてあるのだが、話題になった脅迫状や挑戦状の
    文面や事件の時系列、マスコミや警察の動き等は事実のマ
    マ。僕自身も覚えのある昭和最大の「劇場型犯罪」の真相
    を読んでいるかのような気分になったのだから凄い。

    更に凄いのは、行間に垣間見える作者の思い。
    愉快犯を気取っていながらも、その内容は「市販の食物に
    青酸ソーダを混ぜる」という、一歩間違えれば無差別殺人
    に発展しかねない、サイアクの犯罪。そしてあの脅迫テー
    プは間違い無く「子どもの声」であり、知らずに関わって
    しまった子どもたちの未来をも潰す行為である、という強
    い意志が如実に理解出来る。こういう「芯」がハッキリし
    た作品は久しぶりに読んだ。

    リアリティは抜群であり、常に問題提起を続ける最高のミ
    ステリー。これは絶対読んでおいた方がいい、と太鼓判を
    押しておきます。凄かった・・・。

  • 読みやすい構成と表現だったので、スラスラ読めた。
    本が苦手な人にもおすすめです。
    犯人を当てるという推理要素はないが、分からなかったピースを埋めていく面白さがある。
    記者と犯人の家族のそれぞれを交互に進行していく。

    グリコ・森永事件はリアルタイムではないので、あの時代のニュースを知っている人はまた違った感想を持つかもしれない。 
    自分とは相性がいいので、塩田武士さんの本をもっと読んでみようと思った。

  • 仕立て屋と記者が、昔の事件を各々追いかけて。
    読みごたえがある作品。
    映画化の二人もイメージ合ってる。

  • フィクションとは思えない。

  • 犯人と同世代の人はこの本を読んだらどんな感想を抱くのだろうか。

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著者プロフィール

塩田武士(しおた たけし)
1979年兵庫県生まれ。関西学院大学社会学部卒。新聞社勤務中の2010年『盤上のアルファ』で第5回小説現代長編新人賞を受賞し、デビュー。2016年『罪の声』にて、第7回山田風太郎賞受賞、「週刊文春」ミステリーベスト10 2016国内部門で第1位となる。2019年『歪んだ波紋』で第40回吉川英治文学新人賞を受賞。他の著書に、『女神のタクト』『ともにがんばりましょう』『崩壊』『盤上に散る』『雪の香り』『氷の仮面』『拳に聞け!』『騙し絵の牙』がある。『罪の声』の映画化が2020年公開決定し、小栗旬・星野源の共演が決まっている。

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