リコメンドに出た表紙のインパクトに
思わず購入したノンフィクション。あとがきを読むと、
この表紙の写真も作者の水谷竹秀氏が撮ったモノだとか。
写真家としても相当腕の良い人らしい。
高齢者の海外移住が流行しているとかしていないとか。
仕事をリタイアし、悠々自適の生活をしようにも、けして
充分でないのが「年金」。10〜15万円の支給額ではカツカ
ツになるのは目に見えており、充分な貯蓄が無ければ困窮
は必至。であるのなら、物価・家賃が安くて気候も温暖な
外国に移住すれば良い、という考え方らしい。
この作品は、高齢期に入ってから海外移住、それもアジア
・フィリピンへの「脱出」を図った様々な人たちの、様々
な記録である。自分より20も若いフィリピン人妻を貰い、
ゴルフ三昧の生活を送る成功例もあれば、借金から逃げた
挙げ句フィリピンのスラムでの生活を余儀なくされた貧困
老人の話も。同様なことを考えている人たちにとっては、
かなり有用なケーススタディとなるのではないか?
実は僕も、かなり真剣にコレを考えたことがある。
子どもも無く、退職金どころか年金の受給さえ怪しい感じ
の僕にとって、まもなくやってくる老後は恐怖でしかない。
どうせ寂しく死んで行くのであれば、ある程度のお金を作
ってある程度の贅沢が可能な国で生涯を閉じるのも悪く無
い、と思っていたのだけど・・・。
・・・この本を読む限り、生半可ではダメだな、と(^^;)。
ただ、もし老後の海外移住を実行に移す時は来るとしたら、
選択肢はやっぱりフィリピンになっちゃうのかなぁ、とい
う気もした。かの国で老後を過ごすには、やっぱりもうち
ょっと予算が必要なことも解った。なんにせよ、もう少し
頑張らないと!という心構えも少し出来たかも。
この作家、著作はそれほど多くないのだが、他にも似たテ
ーマの作品を出しているらしい。機会があれば全部読んで、
いろいろ備えてみるのも良いかもしれない。そろそろ人ご
とでは無い問題なので・・・。