測りすぎ――なぜパフォーマンス評価は失敗するのか? [Kindle]

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  • 数字によるパフォーマンス評価がどういう弊害を起こすのか、途中の事例出てくる教育や政治、医療、軍はどれも測定結果だけで評価するのは難しい業界ばかりだが、最後の教訓とチェックリストは頭の片隅においておきたい情報だと思う。

  • パフォーマンスを測ることの弊害、コスト、効果、限界がわかりやすく纏まっている。

    特にパフォーマンス測定の弊害として、評価のインセンティブとして用いられることで、上澄みすくい、改竄など歪みを招いたり、逆にモチベーションを削いでしまったりするというのは納得感があった。
    また、過度な透明性が動きを鈍らせるのもごもっとも(独裁や、ワンマンがいいとは言わないが、がんじがらめもよくない)

    世の中は複雑だ。過度なモデル化は注意と肝に銘じさせられる一冊であった。

  • 測定は外れ値を見つけるのには有効だが
    評価と紐づくとアウトカムを高めるメリットより、不正や作業負担増といったデメリットが出てくる。
    測定できるものが必ずしも重要でないし、重要なものが必ずしも測定できるとは限らない。

  • 測定するべきかどうか、何を測定するのか、どうやって測定するのか。測定されている対象の重要性を評価し、成果に報酬や懲罰を紐づけるべきかどうか、測定結果を誰に公表するべきかという判断を要する

    自分の業務も定量化が難しいと思っています。よく使われるのが出願件数。件数増やすにしても、自分ではなかなかコントロールの効かない要素が多いですし、増やして経営的にはどうなるのか?と問われると、なかなか回答が難しい。

    効果の検証も大変、件数を増やす/ある基準で決めた数値に合わせ込むことにどれほどの意味があるのか。

    かと言って代替指標があるわけでもなく、社内上通りが良いということで、仕方なく使っている、というのが現状です。

    定性的に評価するにしても、人の判断が多分に入るので属人的になりやすい=好みで決まる可能性がある。

    10数年続けても、自分なりに納得のいくこれといった会が見いだせないのが何とも辛いところです。

  • 道中は洋書特有の長い例題なので、忙しい人は最終章だけでも読む価値あり
    特にアンケートを実施する人や研究者は、安易に指標を作り、結果を公表することの意味合いを再考してほしい。

  • 人間は測定されることに反応して行動を変えられる。測定結果を報酬や懲罰に紐付けると危険。

  • 色々な分野で起こる過剰な数値測定の弊害をまとめた書籍。仕事で実感する箇所も多くあって面白い。

  • 定量化された評価が必ずしも正しいわけではない、という話に読めた。

  • 原題を直訳すると、測定基準の暴虐とでもなるのでしょうか。つまり測りすぎ。世の中、よく分からない指標多すぎるよねってお話。
    厄介なのは、数値で示されるといかにも科学的な根拠がありそうなものに見えること。単純な指標に落とし込むことで、本当に評価する必要のある、大切な情報を欠落させている可能性を理解しないとだめ。
    もう一つ注意するべきは、役に立つのか立たないのか分からない指標を得るために、創造に充てるべき時間や労力を無駄にしていませんかってこと。
    その辺りの観点から世の中の不条理が指摘されてた。
    いろんな場面で、労働力が無限なのかと思うようなルールや要求が多すぎるとは思う。測定できる値って、本当に必要な情報でしょうか。

  • 見える化、数値化、定量化…。とにかく、現代を生きる私たちの周りには「計測」があふれている。本書はそのタイトルが示すとおり、過度な数値信仰への警鐘を鳴らす一冊だ。

    象牙の塔の中で行われる専門家による意思決定。その不透明さに対しての反発は透明性を重視する方向性を生み出し、数値こそが絶対であるという信条を生み出した。

    いや、数値が有用であることは間違いない。状態を正しく把握するために数値はこのうえなく有用だ。しかし数値自体が目標とされてしまうと、とたんにその有用性は身を潜め、有害さを発し始める。

    本書においてはその「目標ハック」が引き起こす問題について、様々な業種における実例を紹介している。(個人的には、この紹介パートは冗長に感じた。)

    ピータードラッカーが「経営者の条件」で言及していた如く、組織の外側には数値では計測できない世界が広がっている。定性的な領域を無理に定量化することでひずみが生まれるし、目標、果ては成果と連動してしまうことで不正を行うインセンティブにまでなってしまう。

    かくも数値とは難しいものだ、取扱注意、ということがよくわかる一冊。

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