天才の思考 高畑勲と宮崎駿 (文春新書) [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • 宮崎駿の大ファンを自認する妻が図書館から貸出。同じく大ファンである夫も、妻の読後に読ませてもらった。
    それほど読書好きでも無い妻が「面白い!止められない!」とつぶやきつつ一気に読んでしまったのも良く分かる。実に面白い!リズムがいい!鈴木敏夫なる人物、ストーリーテラーとしても編集者としてもやはり只者ではないのだ。
    内容の随所にエピソードとして登場するジブリ・宮崎作品の殆どを、ぼくら夫婦どちらもほぼ全て何度も鑑賞している事実もまた、本書が大いに楽しめた要因の一つであることも間違いない。
    これまであまりその人物を良く知らなかった高畑勲という、もう一人の天才アニメーターの生々しい人物像に触れられたのも、大きな収穫の一つ。

  • 「はじまりの本」です。
    内容:『風の谷のナウシカ』から『風立ちぬ』、『かぐや姫の物語』までジブリの20作品がいかに作られたか、間近で支え続けたプロデューサー鈴木敏夫が、高畑勲と宮崎駿について語る秘話満載のドキュメント。

  • 「風の谷のナウシカ」から「思い出のマーニー」まで19本の(設立前も含む)スタジオジブリ作品の制作を振り返る回顧録と、「かぐや姫の物語」公開後に行われた高畑氏、宮崎氏との鼎談が収められています。回顧録については各作品一節ごとになっているのですが、『かぐや姫の物語』『猫の恩返し』の二作品は個別に扱われることがなく、『かぐや姫』についてはあとがきで鈴木氏の気持ちの整理がつかなかったため収録しなかったと語っています。

    著者の経歴をたどった『仕事道楽』でもスタジオジブリ作品の振り返りはある程度なされていますが、作品や両監督をはじめとしたスタッフたちの詳細を知るうえでは、一作ごと丁寧に作品そのものに焦点を当てた本書のほうがはるかに充実しており、高畑・宮崎両監督の姿やジブリ作品群を、最も近い立場にあった鈴木氏から見たジブリを知りたいというニーズに合致しており、満足しました。

    各作品の配給や宣伝にいかに苦心し工夫をこらしたかといったプロデューサーである著者ならではのエピソードはもちろん、高畑・宮崎両氏の人物像や特徴、作品との取り組み方を存分に知ることができ、そのほかのジブリスタッフや一時期は作品づくりをともにしてその後ヒット作を生み出した、押井守、庵野秀明、細田守、片淵須直などそうそうたるアニメーション作家も登場しており、日本アニメーション界の足跡を記す資料のひとつとしても貴重ではないでしょうか。

    鈴木氏自身については、本書のエピソードを読む限り、作品の選択やストーリー、タイトル、スタッフの選定、芸能人起用、その他もろもろに多大な影響を及ぼしており、もともと鈴木氏に対して持っていた、両監督が才能を発揮するために作品自体にはタッチせず裏方として奔走するイメージが覆され、ジブリ作品にとって著者が不可分離で大きな要素だと思わされました。

    本書ではスタジオジブリとその作品のいわば光の部分がとくに強調して語られているようにも感じました。両監督と鈴木氏以外のスタッフから見たジブリがどのようなものであったかについても機会があれば知りたいところではあります。

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著者プロフィール

1948年、愛知県生まれ。スタジオジブリ代表取締役プロデューサー。慶應義塾大学文学部卒業後、徳間書店に入社。「アニメージュ」編集長などを経て、スタジオジブリに移籍、映画プロデューサーとなる。映画「となりのトトロ」「もののけ姫」「千と千尋の神隠し」「崖の上のポニョ」など大ヒット作多数。著書に、『映画道楽』『仕事道楽 スタジオジブリの現場』『風に吹かれて』『人生は単なる空騒ぎ-言葉の魔法-』など。

「2020年 『ジブリの鈴木さんに聞いた仕事の名言。』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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