クロイドン発12時30分 (創元推理文庫) [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • F・W・クロフツ『クロイドン発12時30分 』読了。

    世界三大倒叙と呼ばれる作品の一つ。名作と名高い作品なだけあり、高いエンタメ性と犯人の心理描写のリアルさで、古い作品ながら読ませる作品。
    1930年代という時代背景はそのまま作品の発表時期と重なり、現代の我々では想像できない部分ももちろんあるのだが、根幹にある殺人の動機や時代の理不尽に翻弄される様子は色褪せない。ベンサムの最大多数の最大幸福を引き合いに出すのも時代を感じるが、その背景には犯罪を正当化する人間の心の弱さも垣間見える。
    倒叙だからこそ表現できる犯人サイドの心理や犯行の詳細を臨場感を持って追体験できるのが楽しい作品だろう。

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著者プロフィール

フリーマン・ウィルス・クロフツ。1879年、アイルランド、ダブリン生まれ。技師として鉄道会社で働いていたが大病を患い、療養中に長編ミステリ「樽」を執筆。コリンズ社に原稿を送ったところ採用され、1920年に同社より刊行された。29年に鉄道会社を退職して専業作家となり、77歳で死去する直前まで作品を発表し続けた。57年死去。

「2018年 『四つの福音書の物語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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