ハイ・コンセプト「新しいこと」を考え出す人の時代―――富を約束する「6つの感性」の磨き方 [Kindle]

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  • ■左脳は「逐次的」に処理し、右脳は「全体的・瞬時に」処理する
    左脳は「文」を、右脳は「文脈」の処理を得意とする
    左脳は「詳細を分析」し、右脳は「大きな全体像」としてとらえる
    これからは右脳の時代

    ■弁護士・医者・会計士・エンジニア→ナレッジワーカー(左脳的)×

    ■左脳主導思考は成功したが、その重要性・価値は下がってしまった
    →右脳的なものに価値が変遷。美しさや精神性、感情といったものにより価値が見いだされるようになった

    ■ナレッジワーカーには、次から次へと湧き出す「競争相手」が。インドやアジアからどんどん敵が。

    ■業務を処理することよりも人間関係を結ぶこと、ルーチンワークよりも斬新な課題に取り組むこと、一つ一つの要素を分析することよりも全体をまとめ上げること。

    ■右脳が主役の「ハイコンセプト/ハイタッチ」時代へ
    農夫の時代→工業の時代→情報の時代→コンセプトの時代「想像する人、他人と共感できる人」
    クリエイターや他人と共感できる人

    ■今の仕事をこのまま続けていいのか
    ①ほかの国なら、これをもと安くやれるだろう
    ②コンピューターならこれをもっとうまくできるか
    ③この豊かな時代に必要か

    ■これから求められる「6つの感覚(センス)」とは?
    ①機能だけでなく「デザイン」
    ②議論よりも「物語」
    ③個別よりも「全体の調和」
    ④論理ではなく「共感」
    ⑤まじめなだけでなく「遊び心」
    ⑥モノよりも「生きがい」

    ■ロンドン・ビジネススクールの調査によると、製品デザインへの投資が1%増えるごとに、売り上げと利益は平均して3~4%増加するという。同様に、デザインを非常に重視している会社の株価は、さほど重視していない同業他社の株価を大幅に上回っている。

  • これから成功者と脱落者を分ける三つの質問。

    1この仕事は他の国でもっと安くできるだろうか
    2この仕事はコンピュータなはもっと早くできるだろうか
    3自分が提供しているものは、豊かな時代の非物質的で超越した欲望を満足できるだろうか

  • 本当に18年前(2006年)に出版された本なのか、と疑うくらい、現代の課題と一致している内容。
    世の中が便利になり、今後は何が必要となってくるのか混沌としている時代の中、6つのセンスが必要になってくるとの提示(デザイン、物語、全体の調和、共感、遊び心、生きがい)。
    これらを考えながら、日々生活して、仕事に励んでいきたいと思った。

  • 印象に残ったところメモ。
    - ハイコンセプトとは、パターンやチャンスを見出す能力、芸術的で感情面に訴える美を生み出す能力、人を納得させる話の出来る能力、一見ばらばらな概念を組み合わせて何か新しい構想や概念を生み出す能力。
    - ハイタッチとは、他人と共感する能力、人間関係の機微を感じ取る能力、自らに喜びを見出し、また他の人々が喜びを見つける手助けをする能力、そしてごく日常的な出来事についてもその目的や意義を追求する能力。
    - 描くということで問題となるのは、見ること。
    - 右脳は全体的、瞬時に処理する。右脳は文脈の処理を得意とする。右脳は大きな全体像としてとらえる。
    - 右脳は統一的全体へと分散していく。右脳は関連性に焦点を絞る。右脳は全体像を見ることができる
    - 左脳は論理、連続性、文字通りの解釈、分析を担当、右脳は統合、感情の表現、文脈、全体像の把握を行う。
    - デザインとは、ニーズを満たし、生活に意味を与えるために、先例のない新しいやり方で、自分たちを取り巻く環境を形作る人間の本性
    - デザインが個人の目標の達成と職業上の成功のために必要不可欠な資質となった理由;
    デザインに関する鑑識眼を多くの人が身に付けるようになった
    他者製品との差別化や新規市場の創出のカギをデザインが握るようになってきた。
    世界を変えるという究極の目的のためにデザインをもっと用いることができるようになる。
    - 本質的に異なる物事をつなぎ合わせて解答を見つけ出すことがデザイナーの仕事、全体論的に物事を考えられる人材を養成。
    - デザインの最もシンプルな形とは、解決策を生み出すための活動。
    - デザイナーになるということは変化を生み出す主体者になること。
    - 物語は思考の根本的な道具。感情によって豊かになった文脈こそ、物を語る能力の本質。
    - 現代の生活は選択肢があふれいる→物事の全体像をとらえる力、つまり本当に重要なことを見極める力が強みを持つ。(そのために絵の描き方を学ぶ)
    - 偉大な人は中性的。
    - 比喩を理解すればするほど、自分指針の理解も深まる。
    - パターン認識、つまり関係の関連性を理解することが重要。
    - 人間のあらゆる可能性を踏まえた形で自らの人生を理解する能力が生きる意義を追い求めるうえで必要不可欠。
    - 共感とは、相手の状況に自分を置き換えて考えられる能力、その人だったらどんな気持ちがするだろうかと感じ取る。
    - 共感は人々を結びつける普遍的な言語
    - 釣り竿を握ったときのあのフィーリング。
    - 人は、他人と調和すること、孤立すること、これら2を切り替えられる人が成功する。
    - 遊びとは、自分の見通しが確実であると信じているかのように行動で表現し、意思を強くもち、それに打ち込むこと。遊びの重要性は3つの形、ゲーム、ユーモア、喜びに代表される。
    - ゲームを作るのがうまい人=右脳と左脳の橋渡しができる人材
    - ユーモアには、文脈中の状況を見極める力、全体像を見る力、異なる視点から新しい関係を作り上げる力が含まれる。
    - 喜びは幸せとは違う、幸せは条件を伴うが喜びに条件はない。
    - 人間の主な関心事は人生に意義を見出すこと。生きがいの追求はすべての人の中にある活力源であり、外部の状況と内なる医師が組み合わさることで、表に出てくる。
    - 個人、家族、企業が意義の追求を始めるための、実用的かつ全体思考的な方法:精神性をまじめに考えること、幸福について真剣に考えること。
    - 精神性とは、人生の意義と目的についての関心。
    - 私たちは他の人が書いた人生の意義を見つけ出すわけではない、自分自身の内側から人生に意義を与えることでしかそれを見出すことはできない。
    - 自分の特徴的強みを発揮できる仕事が天職に代わる。天職は仕事の形態として最も満足度の高い形。仕事そのものがやりたくなるから。
    - やりがいがあって簡単な仕事などほとんどない、しかしそのこと自体が大事なこと。人生とは迷路の上を歩くことに似ている、そこでは旅をすること自体が目的。

  • 一番好きなパートはココ。 ①「境界」を自分で越えていく人 ・今の時代、一番大事な接頭語は「マルチ」だ。私たちは「マルチタスク」で仕事をこなす必要がある。以前は、一分野の専門知識があれば成功が保証されたが、現在はまったく異なる領域の仕事を同等の自信を持ってこなせる人が、多額の報酬を手にする。

  • ハイコンセプトハイタッチ
    右脳的思考が価値を発揮する時代が近づいているという内容の本だった。

    今の時代は情報が溢れ、正解を導くのは調べればすぐにできるようになった。
    求められるのはそれらの情報を組み合わせて新たな価値を生み出す情報編集力だったりする。

    左脳の機能はオートメーション化の波に飲まれる。
    どちらの脳も行き来できる状態が理想。

  • ドラッカーがいうところのナレッジワーカーの仕事が、新興国に移っていく、とか、これからは芸術的センス、素養が求められるとか、読んでいてちょっと古いなと感じてしまうところすらあった。ただ、この翻訳が出たのは2006年とのこと。当時であれば予言の書だったかもしれないし、15年ほどたった今でも、決してはずしたことは書いていない。そうやって振り返ってみると、今、当たり前になっていることが描かれつつも、刺激的な視点はあれこれあったと思う。

     デザイン、物語、調和、共感、遊び、生きがいという、六つのセンスが大切だという。物語の、ある日、幸せな現実から引き離されて冒険の末、なんとか帰ってくるとまわりは同じようで変化しているし、自分自身も大きな成長をしているという物語の定型。それって、現実でもあてはめうる話だと今は思うし、だからこそ、文化を越えて定型として受け入れられているんだろうな。

     時間をおいて、また読み返してみよう。

  • 結局人って感情の生き物だから、「物語、共感、遊び心、デザイン」あたりの要素大事にしてこう。
    やっぱ感情を突き詰めるのが合理的だと思うよね。

  • 昨今流行りの右脳系の本だが、約15年前に刊行されたにも関わらず色褪せない内容。ストーリーは重要。

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著者プロフィール

Daniel H. Pink
1964年生まれ。米国ノースウエスタン大学卒業後、イェール大学ロースクールで法学博士号取得。米上院議員の経済政策担当補佐官を務めた後、クリントン政権下でゴア副大統領の首席スピーチライターなどを務める。フリーエージェント宣言後、経済変革やビジネス戦略についての講義を行うかたわら、「ワシントン・ポスト」「ニューヨーク・タイムズ」などに寄稿。著書に、『ハイ・コンセプト』(三笠書房)、『モチベーション3.0』『人を動かす、新たな3原則』(ともに講談社)など。

「2018年 『When 完璧なタイミングを科学する』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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