伝え方大全 AI時代に必要なのはIQよりも説得力 [Kindle]

  • 日経BP
4.00
  • (0)
  • (2)
  • (0)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 10
感想 : 2
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・電子書籍 (336ページ)

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 「伝える力」を磨くにはどうするか?
    アリストテレスが明らかにした説得の原理から、説得に関する神経科学の研究まで、幅広い視点から伝え方について考察し、具体的なスキルを提示した書籍。

    ケネディは、アポロ計画についての演説で、次の4つのレトリックで人々に感銘を与え、行動に駆りたてた。
    ①目標を1つに絞る(宇宙技術の確立等いくつかあったものを月面着陸に絞った)
    ②達成期限と具体的な目標を掲げる(10年後に達成する)
    ③日々の業務と最終目標をつなぐ中間目標を設定する(宇宙飛行士を周回軌道に乗せるマーキュリー計画、宇宙船をドッキングするジェミニ計画、月面着陸のアポロ計画)
    ④レトリック、メタファーなどによって目標が壮大であることを強調する

    アリストテレスは、レトリックを「書き言葉あるいは話し言葉により、よい人生が送れるように他人を説得すること」と定義している。成功を収めるには知恵と弁舌が必要。

    説得の最終目標は「話し手と聞き手がともに幸せを見つける」こと。アリストテレスによると、その方法は2段階に分かれる。
    ①議論のテーマを明確にする:他の人にしてほしいと思うこと(目的)を明らかにし、議論の方向性を定める。
    ②議論が堅実で論理的だと証明する:以下の3つのレトリックで議論を支える。
    ・論理(ロゴス) :エートスの前提。だが、これだけでは足りない。
    ・信用(エートス):話者の信頼度。議論の組み立て、品行方正など。
    ・感情(パトス) :説得の大きな力。

    アリストテレスは人間の心理を検討し、説得では感情(パトス)が大きな役割を果たすとした。
    「感情の重要性」は、神経科学の研究でも証明されている。感情が動くと脳内で化学物質が放出され、その時の記憶は忘れにくくなるという。
    感情を用いて「人を導く能力」はAI社会になっても必要な要素。逆に他の「作業処理能力」と「データ分析し考察する能力」はAIの得意分野。感情を磨く必要がある。

    説得力のある伝え方をするためのスキルには、次のようなものがある。
    ・相手の感情を動かす、少し緊迫感のあるストーリーを語る。ハリウッド映画と同じストーリー展開が良い。
     第一幕:設定
     第二幕:苦闘
     第三幕:解決
    ・5秒で全体像を伝える。複雑なストーリーは頭に残らない。
    ・比較(アナロジー)とたとえ(メタファー)を駆使する。「ジュリエットは太陽だ」といったメタファーを活用すると、わかりやすい。

全2件中 1 - 2件を表示

著者プロフィール

ベストセラー『スティーブ・ジョブズ 驚異のプレゼン』『TED 驚異のプレゼン』(日経BP)の著者。グーグル、アクセンチュア、インテル、コカ・コーラ、リンクトインなどのコミュニケーション・アドバイザーを務める。人気の講演者として、製品を売り、ブランドを成長させ、人をやる気にさせるようなプレゼンテーションとストーリーの伝え方をCEO やリーダーに教えている。Forbes.com やInc.com にも寄稿しているほか、ハーバード大学のエグゼクティブ・エデュケーショナル・インストラクターも務める。

「2019年 『伝え方大全』 で使われていた紹介文から引用しています。」

カーマイン・ガロの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×