- Amazon.co.jp ・電子書籍 (121ページ)
感想・レビュー・書評
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芥川賞受賞作。
芥川賞受賞作は何年か、読むことにしていましたが、最近はほぼ諦めてました。私にはあまりピンと来ないかな…?と。
これなら読めそうかな~と。
町で知らないものはいない?「むらさきのスカートの女」を興味を持って見守り続けている主人公。
変わり者の孤独な女性を見て、友達になれるのではないかという漠然とした期待から、なんとか自分の職場へと誘導。
その職場で、「むらさきのスカートの女」は次第に変わっていく…
淡々とした書きぶりで、読みやすいけれど、ええ?どういうこと?という内容。
主人公の存在感が異常に薄く、それは語り手だからなのかと思っていたらどうも様子がおかしい。職場で嫌われている描写はないものの、まったく頭数に入ってないような状態。
「むらさきのスカートの女」が危機に瀕した時に、助け船を出すのだが…?!
見ている相手のけっこう普通?な人生と、見守っている方がもっと常識外れ?という。
町に噂の女性がいるのは、ありえないことではないけれど、奇妙な感覚がつきまとい、どこかシュール。
どちらも悪意型ではないんだけど。
飽きることなく理解できないこともなく読み切れたので、なるほど程がいいのかな…
結末をもっと重苦しく描くことも、脱力するように描くことも出来るけど、この寓話的な味わい、絶妙なバランスと感じました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
スマホの速報で芥川賞受賞のニュースを見て、帰りの電車の中で電子書籍購入。
「あひる」の今村夏子さん。3作目のノミネートでようやく受賞。おめでとうございます。
期待どおりの不気味さ。
歪んだ感じが非常におもしろい。読み進めるうちに、何を読んでいるんだか方向感覚が捻れていく。そして、そこはかとないショックに包まれる不思議な読後感。
それにしても...黄色いカーディガンの女のストーカーぶりがあまりに非生産的でいたたまれない。むらさきのスカートの女への感情は、一つの愛の形と呼べるのかな? -
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考察をぐぐると、”透明な存在である「わたし」が「むらさきのスカートの女」に知人の要素を重ね、さらに変わった存在として認識し、ストーキングして...考察をぐぐると、”透明な存在である「わたし」が「むらさきのスカートの女」に知人の要素を重ね、さらに変わった存在として認識し、ストーキングしていく姿は、自分も個性的になりたいと言っているようにも思えます。(https://tartom7997.net/bookreview-purple-skirt/#toc5 )”って。個性的で異常に目立つ存在に憧れる、影の薄い女の話、と読むこともできるのか。面白い。2020/03/30
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二度おいしい。
芥川賞受賞作品。だから、純文学かと思ったら、ミステリーでもある。朴訥な語り口でどんどんと読み進めるとむらさきのスカートの女が主人公なのか、それを観察し続けるわたしが主人公なのか、なんだかわからなくなったときにある事が起きてあっという間に結末に至る。そして、二度目読み返すとあちこちに伏線が張られていたことに気づく。メチャクチャな人物像にこんな人いるの?そのメチャクチャな人物が案外マトモなことをちょいちょい思ったり、でも、的はずれな予測をしたり、つかみどころがない。よくそんなに見られているのに気づかない方もどうなんだろうとさえ思う。極悪人ではないが市井の人がやってしまう少しのズルの延長線上にいるもうちょっと濃いグレーゾーンを歩く人間の描写が上手い。 -
なんか、すごい小説。。呆気にとられつつ、あっという間に読み終わった。
むらさきのスカートの女を、自分に近い人間(世間からはつまはじきにされた女)と思って、唯一、友達になれるのではないか、と夢を見る黄色いカーディガンの女。
彼女の匿名性が、なくなる瞬間がクライマックスなのだけど、結局バザーに備品を売った犯人については、相変わらず匿名性を保っているのだ。
不気味なお話。 -
今村夏子さんの本を初めて読みましたが、何でしょう。この異質というか異様というか。
最初、むらさきのスカートの女が町で噂の怪しい女。と思っていたら本当に怪しいのは主人公。主人公目線で書いているので最初、それに気づかない気持ち悪さ。
嫌いじゃないです笑
今村夏子さんの本をまた読んでみたいです。 -
じわじわくる、後を引くようなおもしろさ
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後味が悪い!!寝に落ちるまでずっと考えてた