文芸オタクの私が教える バズる文章教室 [Kindle]

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  • サンクチュアリ出版
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感想・レビュー・書評

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  • もはや文書の研究論文。すぐ真似したくなるノウハウ満載でした。
    #読了

    コラムニスト、小説家、芸能人まで、あらゆる文筆家の文の魅力に迫り、手法を解説してくれます。


    とにかく具体的で、すぐ取り入れられる手軽さが嬉しかったですね。

  • うーん、実用的!

    村上春樹、三島由紀夫などの巨匠に限らず、星野源、SEKAI NO OWARI藤崎彩織、元SKE48松井玲奈…

    あらゆるジャンルの「モテる文章」を楽しく分類・解説。

    書く人、読む人、お互いの心を通じ合わせる秘密が満載っ!

  • 文学オタク、SNS書評でバズッた著者だけあって、古典から最近人気の作家やSNSライターまで、読んでいる作品の幅広さに感心する。下着で横たわる表紙の女の子イメージ通り、文章もオノマトペを使った軽快なもので読みやすい。森鴎外が過去を見る作家とは納得するものの、言われるまで気にしたことがなかった。読み手の心を動かす仕掛けづくりの言語化や添削指導風の分析結果が明瞭だ。著者の分析に妙に納得してしまった。

  • 三島、谷崎といった文学からジャパネット高田社長の売り口上などを例にあげて文体や構成、句読点の効果、ひらがな・カタカナ・漢字の使い分け、リズム感など、引き込まれる文章を分析します。内容はもちろんですが、魅せ方も大事なのです。

  • 表紙の女の子は下着に近いラフな格好で
    PCを打っている。セクシーだ。
    そしてこの本の作者、三宅香帆のことは知らない。
    文章を書く理由を「楽しんでもらいたいから」
    という。読み手を意識している、この時点で
    自分とは違うと思う。
    私の筆記する理由はノートをとったり、
    メモしたり、日記を書いたりと、すべて
    自分のため。読者を意識していない。
    ネットにレビューや文章を載せるのも
    基本自分の思考の記録、整理のため。
    この作者は「自分のことを、誰かにわかってもらいたい。知ってもらいたい」から書く。
    まあ題名が「バスる」なのだから当然と言えば当然だ。
    だがこの本に非常に興味があった。
    きっかけは新聞書評で見かけたことだが

    ①「書評ライター」という肩書
    ②自称「文芸オタク」
    ③日本中の誰よりも『読んでて楽しい文章の法則を研究』したと自負している

    実はこういう人が大好きなのだった。
    「私は長年かけて、一つひとつがんばって
    ”法則”として言語化してきた」と言い切る。
    三浦しをんを知った時のような心の高まりがある。
    話はとぶが、今日借りていた漫画を返すため
    ツタヤへ行った。
    何気に棚を観ていて『響 〜小説家になる方法〜』というのを発見した。次回はこれを借りようと思う。
    電子書籍は『本が好き子さん』をブックマークした。
    本好き、文芸オタクに惹かれるのだ。
    だから本書もどうしても素通りできない
    ものがあったのだと思う。
    そして知った。この作者の底なしの「本好き」を。
    そして「本物」なのを。
    表紙のイラストはサービス、照れ隠しに見える。

    確かに法則化している。
    「つかみ」「文体」「組み立て」「言葉選び」
    に特化。題材は森鴎外、北原白秋、三島由紀夫、
    谷崎潤一郎ら大物作家だけでなく、
    山崎ナオコーラ、村上春樹、林真理子、
    三浦しをん、向田邦子、橋本治、開高健、
    司馬遼太郎、秋元康、さくらももこ、齋藤孝、
    武田砂鉄、俵万智、よしもとばなな。
    さらには江戸小噺まで。
    綿矢りさの名を見て心踊ったが、
    正直こんまりや上野千鶴子、藤崎彩織、
    松井玲奈には驚いた。極みつけは山極寿一だが
    考えてみれば京大なのだった。
    これぞコア、「文芸オタク」。「好き」が
    ほとばしっている。

    村上春樹が「5音9音ぶつ切りモデル」
    「読みたくなるリズムを使う」だの
    綿矢りさが「名刺止めモデル」
    「語尾を打った切る」、
    山極寿一の「重ね合わせモデル」
    「特殊な経験を一般的な経験とダブらせる」
    他多数、モデル命名も含め、覗き見したくて
    ウズウズする表題がてんこ盛りだ。

    「言葉よりもずっと行間のほうが強い」(P101)
    「距離を詰めたいときは読点を増やし、
    距離を起きたいときは読点を減らせばいい」(P117)
    「先に反対のイメージを植え付けておくと
    読み手に与える感動が大きくなる」(P156)
    「一歩先の話をするときは、
    半歩下がってみると良い」(P159)
    「さまざまな角度から見れば見るほど、
    なんでも肯定できるようになる」(P223)
    など名言もごろごろ転がっている。

    「相手がいなくても勝手に出来るのが自己主張だが
    自分を認めてくれる相手を必要とするのが
    自己承認欲求で、そう思うと『なんでそんな
    図々しいこと考えるんだ?』と思う」(P109)

    たしかに橋本治は面白い。
    林真理子も上手いし、恩田睦は名文だ。
    これは素晴らしいな。

  • 思いきり愛されたくて駆けてゆく六月、サンダル、あじさいの花 
     俵 万智

     ベストセラー歌集「サラダ記念日」に収録されたこの歌。もしも下の句が「麦わら、あじさいの花」であれば、目立たなかったと指摘するのは、自称「文芸オタク」のライター三宅香帆である。

    「カタカナで注目させる」合図の力こそ、俵万智短歌の魅力だと定義し、「サンダル」というカタカナの効果に着目しているのだ。なるほど、よく引用される次の歌も―。

    ・「嫁さんになれよ」だなんてカンチューハイ二本で言ってしまっていいの

    「カンチューハイ」というカタカナがぱっと目に飛び込んできて、インパクトを与えている。これが「日本酒の二本」では、雰囲気が変わって興ざめだ。また、「缶チューハイ」ではなく、あえて「カンチューハイ」とすべてカタカナ表記にしたことで、読者の視線がそこに吸い寄せられる仕掛けらしい。

     このように、人気作家はじめ、アイドルら影響力のある書き手の文章を分析し、「読んでて楽しい文章の法則」を示した「バズる文章教室」は、具体的で発見に満ちている。

     俵万智が「カタカナ強調モデル」なのに対し、向田邦子は「ひらがな8割モデル」。また、北原白秋は、特に書き出し部分に2つのものを並べる「対にしてみるモデル」であり、村上春樹はリズム感が特徴で、「5音9音ぶつ切りモデル」と分析。「楽しい!」と思わせる文章のコツに、納得。
    (2021年6月20日掲載)

  • テクニック集というかフィーリング集?
    作者の感じたことを「〇〇じゃない!?」と教えてくれた一冊。
    〇〇論や△△技法より断然読みやすい!
    こう感じるまで、そしてまとめるまでにどれだけの種類の文章を読み込めば成れるのか……。

  • 有名人の文章から「バズる」部分を引用して説明を加えた本。
    個人的には宮藤官九郎さんの項が良かった。
    「もう盛りのついた、猫背のメスの猿なんです!」

  • 作家やタレント、ブロガーの文体をもとに、読まれる文章を書くコツを解説した本。

    読まれる文章には「思わず読みたくなる」からくりがあります。本書を読んでそのからくりを知り、自分の文章に落としこめば、自然と読まれる文章が書けるようになります。

  • なるほど著者は文芸オタクな方だなぁ、と思えるけど文章教室ではないと思います。どちらかというと評論教室。趣味丸出しの国語の授業みたいな本でした。
    文章を解体しながら読みたい人や新しい視点のきっかけを知りたい、な人にはいいかと。読み物としてはまあまあ面白かったです。まとめて読むと退屈だけどコラム的に読むと気分転換になりました。

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著者プロフィール

1994年生まれ。高知県出身。
京都大学大学院人間・環境学研究科博士前期課程修了。大学院時代の専門は萬葉集。大学院在学中に書籍執筆を開始。現在は東京で会社員の傍ら、作家・書評家として活動中。
著書に『人生を狂わす名著50』(ライツ社)、『文芸オタクの私が教える バズる文章教室』(サンクチュアリ出版)、『副作用あります!? 人生おたすけ処方本』(幻冬舎)、『妄想とツッコミでよむ万葉集』(大和書房)、『(読んだふりしたけど)ぶっちゃけよく分からん、あの名作小説を面白く読む方法』(笠間書院)。ウェブメディアなどへの出演・連載多数。

「2021年 『女の子の謎を解く』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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