線は、僕を描く [Kindle]

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  • 講談社
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レビュー : 29
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感想・レビュー・書評

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  • 両親を事故で亡くし、生きる気力を失い、心を閉ざして生きていた主人公の青山。偶々アルバイトで行った水墨画の展示会で、日本を代表する有名芸術家の篠田湖山に出会い、未経験者にも関わらず、才能を見出されて内弟子となる所から物語が始まります。

    多くの皆さんが高評価をつけておられるので期待して読み始めました。
    期待値が高すぎたせいでしょうか?私としては、まあまあ面白かったけれど、そんな絶賛するほどでも…という感じ。

    偶々私がそういう作品に触れることが多いのかもしれないのですが、『両親を突然事故で失って孤独になってしまう』設定多すぎません⁇

    湖山先生はじめ、出てくる人物はみんないい人ばかりで、それぞれが魅力的な人物なのだな、というのは読んでいてわかりましたが、「わあ、この人好きだなぁ」と感情を揺さぶられるような生き生きとしたキャラクターとしては伝わってきませんでした。

    『僕は、線を描く』じゃなくて、『線は、僕を描く』なんだ、と、最初に知った時に違和感があって、その違和感こそがフックとなってこの作品を読みたいと思ったのですが、そのタイトルの意味が最後に明らかになり、そこはしみじみと良いなと感じました。

  • 水墨画という分野と出会い、巨匠、弟子達との関わりの中でひたむきに努力、切磋琢磨、自問自答しながら成長していく姿に惹きこまれました。

    多くは語らず、実際に描いてみせる事で伝える様はさすがですね。

    主人公の感性に触発され、日常の何気ないところ、自然の美しさなど、ちょっとした見方が変わるかもと思いました。

  • 2020年本屋大賞3位。全くの無名と言うよりどうやら処女作のようだ。物語は三浦しをん始め最近少年少女漫画で散見されるマイナーなスポーツや文芸を題材としたもので、本作は水墨画であった、それも経歴を見ると著者はずばり水墨画家であるらしい。両親を事故で亡くし行き場を無くした主人公青山くんが水墨画に出会い、師匠や友人、憧れの人に出会い自分を取り戻していくと言う、勇気・友情・努力と言った丸でジャンプの漫画である。物語は淡々と進み情景描写等は全くないラノベ感覚で書かれており、浅田次郎に言わせたら小説の体を成していないのかもしれないが、読者はそんなところはほとんど飛ばし読んでしまうので、多少予定調和的ではあるが良く出来ていると思う。

  • 水墨画を題材にした内容。

    さわやかな仕事系小説かな。

  • 両親失った主人公が、水墨画を描くことで生を取り戻していく物語。主人公はちょっとした切っ掛けで水墨画の大家と知り合い、弟子になることに。「君が生きる意味を見いだして、この世界にある本当にすばらしいものに気づいてくれれば、それだけでいい。それを伝える術が、水墨しかなかったんだよ。」師匠の言葉です。弟子にした本当の理由は才能とか関係なかったんですね。でも、主人公は成長していきます。自分の心の内側を、それを外の世界へと、外の現象へと、外の宇宙へと繋ぐ術が水墨画なのだ。水墨画とは、単に描くことではないと感じさせてくれました。

  • メフィスト賞受賞作。

    交通事故で両親を失った大学生が水墨画に触れることで、自分自身を取り戻して行く物語。

    奇をてらった展開もなく、物語はありまのままに淡々と進んで行く。

    けれど、淡々と進んで行くからこそ、読み手は心を落ち着けて物語と向かい合うことができる。物語の中で描かれる水墨画の世界と相まって、自分の周りの時間がゆったりと進んで行っているかのような錯覚を覚える。

    やたらとストーリー展開の早い作品ばかりがもてはやされがちだが、久々に物語の世界観をじっくりと楽しめる作品に出会えた。

    満足(^^)

  • 水墨画の世界と主人公である霜介のこころの内側の世界の繋がりが、丁寧に奥深く描かれている。

    水墨画は線の性質が絵の良否を決める。描いた人の気質や性格が現れる。
    絵の描写を読みながら、どんな絵なのか想像を膨らませ、楽しく読めた。

  • 突然の事故で両親を失った孤独な少年と、彼と少し会話しただけで弟子にすることに決めた知らぬ者はいないほどの大芸術家。
    凡庸な設定と類型的な登場人物たち、ご都合主義な展開に唖然。人間て、人の目を見ただけで、かつての自分と似た孤独を抱えている、なんてわかるものなのか。水墨画がいくら現代では手掛ける人のほとんどいない狭い世界だからといって、一年で、その間一度も師匠にも先輩にも誰にも叱られることすらなくそんなに上達するものなのか。
    こういうリアリティのない作品を評価する人が少なからずいるのが正直わからない…。

  • 詳細は、あとりえ「パ・そ・ぼ」の本棚とノートをご覧ください。
    http://pasobo2010.blog.fc2.com/blog-entry-1398.html

    2019年11月8日
    マンガの無料試読 第1巻を読みました。 面白い! (2020/06/25 有料になってます)

    2020/06/16 借りて読み始める。
    ん?! 予約したのは マンガじゃなかった?  小説本です。表紙がステキ。

  • 水墨画についてまったく知識のない私が読んでも引き込まれてしまう物語でした。

    一枚の白紙の上に一本の線を引く

    たしかにその最初の一筆、それだけで全体の構図が決まってしまう。
    とても勇気のいることですよね。

    そして水墨画というのは只の模写ではない。
    自らの心を写し出す(描き出す)技法であるということもすごく納得。

    主人公が絵に、そして自らの心に向き合いながら成長していく姿に感動を覚え、最後のシーンでは涙を流して読み終えました。

    僕が線を描く、のではなく『線は、僕を描く』。

    最後まで読み終えた時に爽やかな感動と共に、この言葉の意味が分かると思います。


    自信を持ってオススメできる内容です

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著者プロフィール

砥上裕將(とがみ ひろまさ)
1984年、福岡県生まれの水墨画家。大学時代に小説を書いていたが、水墨画を始めた後は画家として活躍を続けてきた。30歳を過ぎて再び小説を書き始める。メフィスト賞3度目の投稿となった水墨画を題材にした青春小説『線は、僕を描く』で、第59回メフィスト賞を受賞。2019年6月27日に『線は、僕を描く』をデビュー作として刊行、その作品力は広く評価され、『週刊少年マガジン』に漫画化も決まったことも話題となる。

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