グリーンブック [DVD]

監督 : ピーター・ファレリー 
出演 : ヴィゴ・モーテンセン  マハーシャラ・アリ  リンダ・カーデリーニ 
  • ギャガ
4.22
  • (70)
  • (68)
  • (29)
  • (2)
  • (0)
本棚登録 : 304
感想 : 79
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4589921410403

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み

  • 内容紹介 (Amazonより)
    アカデミー賞作品賞含む3部門受賞! 笑いと涙で観るもの全てを幸せに包む感動の物語に、世界が喝采!
    差別が残る時代に、正反対の二人が挑む南部へのコンサートツアー。旅の終わりに待ち受ける“奇跡"とは?まさかの実話!

    【ストーリー】
    時は1962年、ニューヨークの一流ナイトクラブ、コパカバーナで用心棒を務めるトニー・リップは、ガサツで無学だが、腕っぷしとハッタリで家族や周囲に頼りにされていた。
    ある日、トニーは、黒人ピアニストの運転手としてスカウトされる。
    彼の名前はドクター・シャーリー、カーネギーホールを住処とし、ホワイトハウスでも演奏したほどの天才は、なぜか差別の色濃い南部での演奏ツアーを目論んでいた。
    二人は、〈黒人用旅行ガイド=グリーンブック〉を頼りに、出発するのだが─。






    今までに観た黒人差別の映画とはちょっと違う描き方だなと思いました。
    どこまで実話を忠実に再現されているのかよくわかりませんが 演奏をオファーしているのになんであんな対応なのか...
    それが黒人差別なんだろうな...
    トニーは序盤で受けた印象ほど差別主義者ではなかったんだろうな
    全ての白人が、そして全ての黒人が同じように差別主義ではないんだよね...
    ラストがとても良かった。
    ドクター・ドナルド・シャーリー にも自分の気持ちを話せる仲間が出来たことがとても嬉しい。

  • 2人の主人公たちの対比。
    モノを言っていない時のふとした表情の交流が、グッとくる映画。

  • twitterを見ていると、#名刺代わりの小説10選というタグをちらほら見かけます。読書関係のアカウントを持ってる人が、自己紹介がわりにこれをよく使ってます。

    自分の場合、小説は割りかしすっと思いつく、というか、逆に何を選ばないかで苦労するのですが、映画はまだまだその境地に達せず。でも、この『グリーン・ブック』は、自分の中の映画の10選候補に入りそう。

    1962年の、今よりも黒人差別が深い時代。ナイトクラブで用心棒をしていたトニーは、クラブが改装工事のため休業することになり職を失うはめに。そんなトニーは運転手の募集の話を聞きつけ、ドクター・シャーリーの元へ面接に向かいます。

    そのシャーリーはホワイトハウスで演奏するほどの腕の黒人ピアニスト。黒人に対し差別的な考えを持っていたトニーですが、待遇の良さから、シャーリーの運転手件世話役として、彼の演奏ツアーに同行することになります。

    二人の違いは白人と黒人という人種だけではありません。性格、教養、経済環境や生活レベルもまるで正反対。そんな二人が旅を通じて、徐々にお互いを信頼しあい絆を深めていく様子がとにかく良い!

    個人的に好きな場面は、ケンタッキーを食べたことがないというシャーリーに対し、トニーがケンタッキーを薦める場面。始めは手づかみでフライドチキンを食べることや、骨がつきっぱなしの肉に戸惑っていたシャーリーが、徐々にケンタッキーにはまっていく様子が面白い。そして食べ終えた後の骨はどうするのか、と尋ねるシャーリーに、トニーが出した豪快(?)な回答。この場面のオチも思わず笑ったなあ。

    映画館でも、この『グリーン・ブック』は観ていたのですが、この場面は館内で笑いが起こった記憶があります。でもなんでシャーリーは、あの部分にだけは怒ったのだろう、と思わなくもないけど。

    そして、ツアー中は離れてしまう妻に対し手紙を書くトニーに、シャーリーが文章を指南する場面も好きです。おおざっぱだったトニーの手紙が、歯の浮くような甘い手紙に早変わりするのが面白い。

    そして徐々にトニーがシャーリーの文章の特徴をつかんだり、あるいはシャーリーがトニーの手紙のある部分を褒めたりと、二人の環境の違いを描きつつも、それが徐々に近づいていく、という比喩になっているのも、いいなあ、と思います。

    ツアーが進み南部に行くにしたがって、徐々に露骨になっていく黒人差別。宿泊施設や、公演先でのトイレは人種によって分けられ、服の試着拒否、レストランの入店拒否、理由のない警察の拘留と、謂れ無い差別的な対応が続きます。

    最初はシャーリーをはじめ黒人に対し差別的な考えを持っていたトニーも、シャーリーの才能や人間性に触れ徐々に差別に憤るようになっていきます。一方でシャーリーは差別に対してもあくまで冷静に対応し続けるのですが、一方で徐々にシャーリーの孤独が浮き彫りになっていきます。

    黒人でありながらピアニストとして、上流階級に位置することになったシャーリー。しかしどれだけピアノの腕が素晴らしくても、白人からは“黒人”として見られ、一方で生活環境の違いから、黒人にも関係性を深められる人はいませんでした。

    そして作中で明かされるシャーリーのある事実が、より彼の孤独を際立たせます。豪雨の中で「自分は何者なのだ!」と悲痛な叫びを上げるシャーリーの様子は、それまでの冷静な彼の姿を見ていた分、余計に心にくるものがあります。

    なぜ、黒人差別が根深く残る南部でのツアーをシャーリーは決行したのか、その思いをトニーは受け取り、そしてクライマックスのシャーリーの演奏シーン。この演奏シーンは圧巻の一言! 

    この演奏をバックにスタッフロールを流しても良いのかな、とも思うのですが、その後エピローグ的にトニー家のクリスマスの様子が描かれます。このシーンも本当に良い! 

    ここが無くても話は成立するのですが、このクリスマスの場面があり、最後にトニーの妻がシャーリーに一言ささやくから、この映画は自分の中でより印象的なのだろうな、と思います。きっと奥さんはシャーリーと会う前から、シャーリーのことを他人とは思ってなかったんじゃないか、などと考えると、また心が熱くなるのです。

    黒人差別の事実を描きながらも、でも一方で笑えて、そして温かい気持ちが溢れ出る素晴らしい映画でした!

  • 久々に純粋な気持ちで、笑い泣いてしまった優しい 良作だと感じた。「グリーンブック」タイトルは歴史的角度から見ても 差別問題(現代までもはびこる)
    黒人差別の社会的な問題を提起している以上 このメッセージだけでは 拭えないものを抱えているに違いないのだか、
    純粋な気持ちを持って観れたというのは…人は どの時点で差別している事に気付けるのか?同じ人間なのに、肌の色の違いだけで その人間性を問う事が出来るのか?
    お互い違う立場にいても、人と人との心の触れ合いの中で
    お互いの真実を見つけられた時に本来の人間らしさを取り戻す キッカケになるのではないか?最初は黒人というだけで 嫌がっていた 主人公トニーが相手の才能を素直に素晴らしいと受け止める事が出来きるのも また、本来の人間らしい才能ではないか…って思えた。自然体で受け止めることによって信頼を得られること 人が同じ人間を差別する事こそ 浅ましい行為だと気付くのは簡単なことなのに、
    しきたりや過去からの習性に基づいて 変わらない差別問題への風刺作品となればいいと思う。
    人は何によって 怒るのか?笑えるのか?
    ヴィゴ.モーテンセンは大好きな俳優だが、最初は いつもの渋くカッコイイとは程遠いような しけたおじさんっぽい役で登場するのだが、やっぱり人情味あふれる 優しくクールなヴィゴで落ち着いた。あの 下品っぽい笑い方にさえ いい味だしてるなぁって感じた。
    笑いの中に本物は何かを純粋な自分の目で心で、見つけてゆくあり方に 何だか しみじみと感じ入るものがあった。

    人種差別が色濃く残る1960年代のアメリカ南部を舞台に、黒人ジャズピアニストとイタリア系白人運転手の2人が旅を続けるなかで友情を深めていく姿を、実話をもとに描き、第91回アカデミー作品賞を受賞したドラマ。1962年、ニューヨークの高級クラブで用心棒として働くトニー・リップは、粗野で無教養だが口が達者で、何かと周囲から頼りにされていた。クラブが改装のため閉鎖になり、しばらくの間、無職になってしまったトニーは、南部でコンサートツアーを計画する黒人ジャズピアニストのドクター・シャーリーに運転手として雇われる。黒人差別が色濃い南部へ、あえてツアーにでかけようとするドクター・シャーリーと、黒人用旅行ガイド「グリーンブック」を頼りに、その旅に同行することになったトニー。出自も性格も全く異なる2人は、当初は衝突を繰り返すものの、次第に友情を築いていく。トニー役に「イースタン・プロミス」のビゴ・モーテンセン、ドクター・シャーリー役に「ムーンライト」のマハーシャラ・アリ。トニー・リップ(本名トニー・バレロンガ)の実の息子であるニック・バレロンガが製作・脚本を手がけ、父とドクター・シャーリーの友情の物語を映画化した。監督は、「メリーに首ったけ」などコメディ映画を得意としてきたファレリー兄弟の兄ピーター・ファレリー。アカデミー賞では全5部門でノミネートされ、作品賞のほか脚本賞、助演男優賞を受賞した。

  • GREEN BOOK
    2018年 アメリカ 130分
    監督:ピーター・ファレリー
    出演:ヴィゴ・モーテンセン/マハーシャラ・アリ/リンダ・カーデリーニ
    https://gaga.ne.jp/greenbook/

    1962年ニューヨーク、トニー(ヴィゴ・モーテンセン)は、腕っぷしの強さと口の上手さを買われて有名ナイトクラブで用心棒をしている。ナイトクラブの改装で失職したトニーは知人の紹介でドクター・シャーリー(マハーシャラ・アリ)という男の運転手の面接を受けに行く。シャーリーは黒人だがカーネギーホールの上階に住みホワイトハウスで演奏したこともある天才ピアニスト、8週間のツアー同行運転手の仕事をトニーは断ろうとするが、結局高給に釣られて依頼を受けることに。しかしそのツアーはいまだ黒人差別の残る南部でのもの。トニーは黒人用の旅行ガイド=グリーンブックを手わたされ・・・。

    アカデミー賞受賞で話題になった映画ですが個人的には久々に映画館でのヴィゴ目当て。ゆえに、20キロ増量、むきむきマッチョで太鼓っぱらの粗暴なヴィゴにまず度肝を抜かれました(笑)どうしてもいつまでも彼をアラゴルンだと思って観てしまうし、『イースタン・プロミス』ではサウナで襲われてフル○ンで戦っていたとはいえアルマーニを着こなすクールなマフィアだった。ところが今回、粗野はまだしも食いしん坊、ホットドック大食い競争で勝利するヴィゴ、車を運転しながらムシャムシャと素手でチキンを貪るヴィゴ(ケンタッキーフライドチキンでテンションあがりまくってるの可愛すぎる)、宅配ピザを切り目も入れず丸のまま半分に折りかぶりつくヴィゴなどなど、見たことのないヴィゴがいっぱい見れて私のお腹もいっぱい(笑)

    一方、ドン・シャーリー役のマハーシャラ・アリは、『ムーンライト』ではマッチョな麻薬の売人(優しいけど)だったのが一転して、教養ある知的なピアニスト、佇まいからして全然違う!映画のテーマ的には大雑把に言ってしまえばベタな「黒人と白人の間に芽生えた差別や偏見を乗り越えた友情」で、観る前は『最強のふたり』のような感じをイメージしていたのだけど(バディものだし本作と近い空気ではある)大幅に違うのは、本作では黒人と白人の立場が一見逆転していること。白人であるトニーのほうがイタリア系移民で下に見られがち、教養もなく粗暴で短気、黒人のドンのほうが上品で裕福、大卒で教養もある。運転手として雇われるのは白人のトニーのほう。

    黒人差別のまだ強く残る南部、ドンに危害を加えるやつがいればトニーがやっつけ、たまにやりすぎて余計なトラブルを招いたりもしつつ、あえて南部でツアーを組んだドンの勇気と苦悩を知るトニー。対称的な二人が旅を通じて友情を築いていく過程はお約束ながら、お約束ゆえ安心して見ていられる。ドンのスノッブさは紙一重ですごく嫌な奴なんだけど、そうならないのはマハーシャラ・アリの演技ゆえだろう。一方トニーのほうは、粗野とはいえただ暴力的なだけでなく、愛妻家で子煩悩、相手をうまく口車に乗せるやりかたなど地頭がよくないとできないので、けして脳みそ筋肉系ではない。その辺のバランスはやっぱりヴィゴが上手いのだなあ。

    ところでトニーのガサツな行動をドンがたしなめたり、奥さんに書く手紙をアドバイスしてあげたりする様子を見るにつけ、何かがデジャブするなと思ったのだけど、そうだ、三蔵法師と孫悟空だ!と思い当たってちょっと笑ってしまった。もちろんドン=三蔵法師、トニー=孫悟空です。手紙のゴーストライターが奥さんにばれちゃってるラストはとても微笑ましかった。車の色がキレイで、車と同じ色の石がなにげに最後に良いアクセントになっている。新しさはないけれど、安定感のある良作でした。

  • 黒人差別が激しかった時代、黒人の天才演奏家がツアーに出るんだけど、やっぱり差別されちゃう。
    そのお雇いドライバーになった良い意味で天真爛漫な白人のおじさんがいて、その二人の交流を描くお話。

    お互い知らない世界があって、ぶつかり合いながら「自分の世界」「相手の世界」「世間」を知っていき、心の折り合いをつけていく。

    心を閉ざし気味な演奏家さんのほうに共感できる人の方が多いと思う。
    人との付き合いは傷つけたり傷つけられることが多いし、諦めて一人でいるほうが楽だから。
    だからこそ、最後に演奏家さんが自分で行動する勇気がステキだな…って思いました。

    ただ、映画や小説を多く観たり読んだりした人には定番すぎるお話でもある。
    まだスレていない中高生あたりに見て欲しい映画かもしれません。

  • 実話をもとにしたストーリー。タイトルの”グリーンブック”は、黒人をはじめとする有色人種が白人と同じサービスを受けられなかった時代の、黒人にサービスを提供するホテルや飲食店、を記したガイドブックより。
    イタリア系アメリカ人で、ニューヨークのナイトクラブ”コパ・カバーナ”で用心棒を務める、大食いでケンカも度胸も人並外れのトニー・リップ・ヴァレロンガはクラブの改修工事の間の職に困り、紹介された運転手の仕事に応募する。
    面接会場はカーネギーホール。そこで出会ったのは天才黒人ピアニストで名誉博士号を持ち、スタインウェイしか弾かず、カティサークを大量に飲むドクター・”ドン”・シャーリー。
    黒人への強い差別意識を持ちながら背に腹は変えられないと仕事を受けたトニーはそのお行儀の悪さも相まってドンとぶつかる。
    それでも数々の理不尽なトラブルに苦しむドンを手助けし、彼との友情を深めていく。
    ドン(当時の黒人)の受ける差別には絶句する。ホテルも飲食店も限られ、演奏会場においてもそこはオアシスではなくゲストにも関わらず、レストランを使えず、トイレは掘立小屋のみ、バーでは非もなく殴られる。彼は怒りを秘めながらも、美しい演奏を続ける。

    この時代の差別の問題について恥ずかしながら具体的な形で見たことがなかった。前例主義で不合理かつ非人道的な差別が肯定される姿に、見る側も怒りを覚える。グリーンブックの存在は米国全土ではどのくらい知られていたのだろう。

    アメリカの田舎道を走り、ピアノの旋律が流れる、静かな映画。理不尽な差別を受け、さらには黒人社会からも疎外されながら、自らの使命のため、苦しみながらも演奏を続けるドンの姿には心打たれる。

    なおトニー・リップは本作中ではクラブのスタッフとしてしか紹介されていなかったと思うけど、俳優さんでもあったんですね、アメリカでは結構有名な俳優さんらしい。イタリア系アメリカ人のイメージそのままの、家族や友人を何より大事にするキャラクター。
    翻って、誰にも理解されない孤独を抱えるドンは使命のために生きた人だろうか。運転を交代しトニーを送り届けたのち、シャンパンを持ち、トニーの家を訪れるラストシーン、どこまで実話かはわかりませんが、ここは単純に素敵なシーンでした。

  • 1962年、黒人(有色人種)があからさまに差別されていた時代、実話に基づいた物語。
    ヴィゴ・モーテンセンが粗野で無教養なイタリア系を、マハーシャラ・アリが知的で落ち着いたピアニストを演じている。
    はじめ不思議だったのは、ドンの演奏する曲。ポップスのクラシックアレンジみたいな。ポップスのジャズアレンジならよく聴くけれども、これは何だろうと思った。
    しかし見るうちにドンは実際はクラシックを学んだのだが「黒人のクラシックピアニストはいらない」と言われて路線を変更したということがわかる。彼は演奏で南部に行くのだが、白人たちは黒人ミュージシャンに演奏させることで自分たちの「心の広さ」「差別意識のなさ」を宣伝することができる。しかし本格的な黒人音楽を聴きたいとは全く思っていないし、もちろん差別をやめようなど毛ほども思っていない。それをわかっていながら、本当に演奏したいクラシックを封印し、白人受けする聞きやすいクラシックアレンジのポップスを弾くことは彼の心を深く傷つけている。
    見下されないよう、彼は白人は使わない汚いトイレや大衆酒場・レストランは決して使わず、所謂「黒人」の典型のようなものも意識的に避けていた。
    フライドチキンやコーンミールは食べず、スラングは使わず、服装はいつでもきちんとしたスーツ、ジャズやブルースなど黒人音楽を演奏しないだけでなく、リトル・リチャードやアレサ・フランクリンのような王道のブラックミュージシャンの音楽すら聴かない。(本当は惹かれていたにも関わらず)
    こういう彼が白人の屋敷に招かれたとき「あなたが一番喜びそうな食事を用意しましたよ」とフライドチキンを出される屈辱。
    しかも彼はゲイであったため、ヘテロセクシャルが当たり前だった時代、ますます孤独に陥っていた。
    ドンのこういう孤独がよく伝わり、初めはレイシストだったトニーが少しずつ変わっていくのも納得できる。

    しかし、この映画も白人が黒人を救済しているように見える、と評価しない黒人もいるとか。
    まあ、確かにそうかもしれない。しかし、この時代に黒人が白人を救済したらリアルな物語とは言えない気がする。ドンもトニーが腕っぷしの強い、弁の立つ白人だったから雇ったのだし。
    個人的には、もしドンにピアノというわかりやすい特技がなかったら、トニーは彼の個性を認めて尊敬するようになっただろうか?とは思う。
    ピアノが上手い(歌、ダンス、絵画、スポーツ、なんでもよいが)、尊敬できる点のある有色人種は認める。しかし何のとりえもないなら仲間にはなれないというなら違うもんなあ。

    あとラストでトニーの仲間がドンを受け入れるが、これもちょっとうまくいきすぎという気がした。

  • ずっと気になっていた作品。
    めっちゃ良かった。

    胸が痛くなるシーンもあった。
    でも、それよりも登場人物の口から発せられる言葉や仕草、表情にグッとくるシーンが多かった。

    印象的なのは
    「寂しいときは自分から先に手を打たなきゃ」
    という言葉。

    その言葉があったから、
    ドンはトニー宅を尋ねたんだと思う。

    そして、ドロレス(トニーの妻)がドンにかけた
    「素敵な手紙をありがとう」の言葉。

    温かい気持ちがあふれるラストシーンがとても好きだなと思った。

  • 天才黒人ピアニストが、特に差別意識が強い南部のツアーに行くために、粗野なイタリア男性を運転手に雇い旅するお話。

    最初は黒人差別が酷かったイタリア男トニー・リップが、ドクター・シャーリーの腕を認め友情を深めて行く。
    上品な紳士のシャーリーが、ケンタッキーのチキンの骨を捨てるシーンや、奥さんへの手紙を代わりに考えてあげるシーンがめちゃくちゃ好きだった笑

    ピアノの演奏中以外は、トイレは食事の共用を嫌がり、出かける時間やスーツ屋さんでもことごとく差別されるのが虚しかったけど、トニーも一緒に怒ってくれてるのが心強かった。

    見終わった後の気持ちが爽やか?で、今まで観た映画で一二を争う面白さだった!

全79件中 1 - 10件を表示
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×