人生の諸問題 五十路越え [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • 50代のサラリーマンのインサイトを得ようと薦められて読んでみた。最初はあまりの緩さに辛かったが途中で慣れて最後には目的は果たせた感覚。問題は、猿山での序列という価値観に縛られていることと、人生が伸びて枯れ方がわからなくなっていることかもしれない。
    この問題抱えて役員になった人たちが経営する大企業がなかなか鋭い変革できない理由もよくわかる。

    参考になると感じたこと

    ●50代を過ぎたら、人間、半分うつ

    ・50代を越えるとハイテンションでやってきた自己認識と、老いて道半ばの現実とのギャップが、深く体力的にも越えがたくなってくる。

    ・それへの対処として、劣等感のようなものへ向き合うこと、負けてもいいじゃないか、その角度を担保して、人生をやり過ごすことを意識する。

    ・人生100年時代となって、還暦を越えても、枯れ方がよくわからない。今枯れたらその先が続かなくなっちゃう。

    ・広告業界では、「40代になったら床の間を背負えよ」が通念。現場から離されちゃう。でも、それで役員になる保証は、制作者にはほとんどない。あとの15年間は、ただ何となく床の間の前にいる人として終わる。それで、俺、床の間人生って、どうなの? みたいな感じになってしまって、自分の行く末を考えちゃったんだよね。

    ●五十路のサラリーマンがつらい理由
    ・会社人生の中で50代に入ると、ルールがよく分からないゲームが始まっちゃって、どうすれば勝つのか誰も分からないまま、勝ち負けがついていって、勝ったやつは役員になる。それで、負けたやつは、よく分からない。

    ・一言多いと偉くならない、それに気付いた人はバカなふりを鋭い意見言わなくなる。バカが偉くなったのか、バカな振りしてる人が偉くなったのかわからなくて苦しい。

    ・日本のおっさんは、会社員もスポーツ選手もみんな猿山に生きている。辞めた後も心の中に「俺は猿山の何番目だ」、と残っている。それが「五十路の諸問題」の大きな原因。そこにとらわれている間は、同窓会は役員と医者と教授しか出てこない。

    ・おっさんというのは、結局、猿山しか作れない。上下関係が決まらないと、人間関係が決まらないんだよ。 

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著者プロフィール

1956年東京赤羽生まれ。早稲田大学卒業。食品メーカー勤務などを経て、テクニカルライターの草分けとなる。国内では稀有となったコラムニストの一人。
著作は、『我が心はICにあらず』(BNN、1988年、のち光文社文庫)をはじめ、『パソコンゲーマーは眠らない』(朝日新聞社、1992年、のち文庫)、『地雷を踏む勇気』(技術評論社、2011年)、『小田嶋隆のコラム道』(ミシマ社、2012年)、『ポエムに万歳!』(新潮社、2014年)、『ア・ピース・オブ・警句』(日経BP社、2020年)、『日本語を、取り戻す。』(亜紀書房、2020年)、『災間の唄』(サイゾー、2020年)、『小田嶋隆のコラムの向こう側』(ミシマ社、2022年)など多数がある。
また共著に『人生2割がちょうどいい』(岡康道、講談社、2009年)などの他、『9条どうでしょう』(内田樹・平川克美・町山智浩共著、毎日新聞社、2006年)などがある。
2022年、はじめての小説『東京四次元紀行』(イースト・プレス)を刊行、6月24日病気のため死去。

「2022年 『諦念後 男の老後の大問題』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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