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感想・レビュー・書評
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著者の自伝のような1冊。野村證券で過ごした前半と、野村を退社してコンサルタントとなってオリンパス事件に"巻き込まれた"とする後半。後半はオリンパスの粉飾スキームを著者が紐解いているのですが、うーん…難しい。
上記の内容を踏まえ、本著のタイトルはこれで良いのか?というのはありますが、要は著者のマインドを育んだのが他ならぬ野村證券の第二事業法人部だった、ということなんでしょうか。
特に前半を読んでいて感じるのは、著者の優秀さ、と昔の日本の証券会社回りのデタラメさ(笑
何と言うか…まるで、顧客に損をさせるのが仕事かのような錯覚を抱かされます。そして、その中で著者は非常に有能な社員であり続けた。。(まぁ際どい中でも顧客の納得は得ていた方だったのかな…)
会社というムラ社会の難しさ、しんどさを感じます。やたらと人物にフィーチャーしていますが、書く側・書かれる側ともどんな気持ちなのやら。。
後半を読んでいて感じたことは、私は通常人と人の間柄で、何か誤解があっても「話せばわかる」って思ってしまうんですが、きっとそれは、特定の状況においては正しくないんじゃないか、ということ。
本著で主張されている内容が正しいのか、私にそれを宣言する能力は無いのですが、今ファクトとして残っているのは、著者は裁判で敗訴して収監されてしまったということ。
あと、加えて思ったのは、やっぱりオリンパススキームでも頻出したタックスヘイブンは何とかしないといけないんじゃないか、ということ。富める人たちが更に富むためのスキームですよね。この問題は、ピケティ読んで勉強しないと…。
タイトルを読んで興味が湧く方なら読んで間違いないでしょうし、オリンパスの複雑怪奇な粉飾スキーム(私は読んでも理解できませんでしたが…)への著者の見解を読み解きたい方にもオススメです。相手方の言い分も聞いてみたいところですが…。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
80年代の証券会社ってこんなにひどかったんだ。自分のことしか考えてないで、お客さん(投資家)のことをこんなに蔑ろにしていたとは。。これでは個人が投資で稼ぐなんてことはできないよな・・・。
オリンパスの件、真相はわからないが、筆者の言っていることが本当だとすると、日本の検察制度はひどいな。 -
前半は日本企業及び野村証券が幅を効かせていた時代の話でリアリティを感じて読み応えがあった。
後半は主にオリンパス事件についての著者から見た目線が語られている。
日本的システムは怖いなあと思った。。 -
前半は著者の野村証券での仕事、当時の人間関係などについての話が展開されるが、後半からはオリンパス粉飾事件についての話が中心になる。所々に無念さが伝わってくるが、別のインタビュー記事にあるように、この本の真の目的は「日本の司法制度がいかに杜撰なものか」を明らかにするところになる。証券会社業務を知りたい人は前半を、司法制度やオリンパス事件を中心に知りたい人は後半を読むと良いだろう。結構なボリューム。