サードドア―精神的資産のふやし方 [Kindle]

  • 東洋経済新報社
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感想・レビュー・書評

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  • ロスアンゼルスに住む大学生のチャレンジを本にしたもの。有名人にインタビューをして、それをまとめた本を作るという目標を立て、ビル・ゲイツやスピルバーグをはじめ、レディ・ガガやウォーレン・バフェット、ザッカーバーグなど、インタビュー対象者のリストをつくり、実際にそれに向けて行動を起こした経緯や結果を綴っている。当然、まったく相手にされないところから始まるのだが、失敗を重ねるうちにアドバイスをくれる人が現れ、努力と熱意と幸運とが重なると思わぬ展開もあり、それら経験から多くのことを学んでいくという内容となっている。大きな成功者も、偶然の出会いや体験、行動から成功への道が開けた場合がほとんどであり、それらの体験が実感できた。主人公がごく普通の大学生というところが、共感を呼ぶのだと思った。

    「粘り強くすることと迷惑をかけることは紙一重」p66
    「フェリス(ベストセラー著者)もいきなり信用を得たのではなく、著名な組織や出版社と関わりを持つことで彼らの信用を借りたのだ」p67
    「忙しい人へのコールドメールのひな型(フェリス)
    拝啓、○○様
    非常にお忙しく、数多くのメールを受け取っていらっしゃるでしょうから、1分で読めるメールにします。
    (自分が誰なのかを書く。信用されるような1、2行)
    (特に聞きたい質問を書く)
    お忙しいことは承知しておりますが、1、2行でもかまいませんので、ご返事いただければ幸いです」p68
    「僕はメールの最後を『よろしくお願いします』で結ぶことはしない。わずらわしいし、お決まりすぎる。逆にこう書くんだ。『ご多忙であることは重々承知していますので、お返事をいただけなくてもまったくかまいません』そしてもちろん、メールを出す回数にも注意すること。出しすぎちゃあダメだ。そんなことをしたところで、誰のプラスにもならない」p69
    「チー・ルー(マイクロソフト オンラインサービス プレジデント)は言う。「(時間について)神はみんなに公平なんだ。問題は神が与えてくれたものをどこまで有効に使うかだ」チーは睡眠時間を工夫した歴史上の偉人の本を読み、自分なりのパターンを考え出した。彼はまず睡眠時間を1時間カットし、それから1時間、さらに1時間と減らしていった。すると毎晩の睡眠が1時間になってしまった。冷たいシャワーを浴びて強引に眠気を覚ましたが、さすがにもたない。結局、夜4時間寝れば何とか活動できることがわかり、今日まで、それ以上寝ることはなくなった」p74
    「今までさんざん言われたんだろ。『そんなすごい人たちにインタビューなんてできっこない』とか『ありえない』とかな。不可能だなんて言わせておくな。ビジョンがあるなら、それを掲げろ。戦い抜くんだ。もちろんしんどい戦になるさ。『無理だ』って言われることもあるだろう。でも貫き通せ。戦い続けろよ。簡単じゃないが、できるはずだ」p90
    「俺の信用を失ったら、君は終わりだ。決して約束を破るな。君を信頼して俺が何か打ち明けたなら、君は金庫になったつもりでそれを胸にしまうんだ。みんなとの関係も同じだ。君が金庫のように振舞えば、みんなも君を大切に扱ってくれる。名声を築くには何年もかかるが、失うのは一瞬だ。わかった?」p108
    「誰だって生きていれば何かしら経験する。それを面白おかしく語れるかどうかで、違いが生まれるんだよ。アレックス、今の話をするんだ(テレビのクイズ番組に出て獲得した豪華ヨットを売って、活動資金にしたこと)」p113
    「生きるために必要な額以上のお金はさ、『ゲームに参加するために』使うんだ」p144
    「本気で有名になりたいんなら、自分の人生を成功、冒険、インスピレーションにあふれたものにしたいなら、(直線人生ではなく)一足飛びの人生をこの手につかんで、全力で守るしかないんだ」p149
    「他人の戦略をコピペしたら自分の問題が全部解けたなんて、虫のいい話はないだろう。彼らの戦略が有効だったのは、それが彼ら自身のものだったからだ。彼らの力と状況に応じた戦略だったんだ」p177
    「アマゾンをまねてもアマゾンには勝てない」p178
    「(バフェット)じっくり考えることに、毎日でも時間を費やせと言いたい。アメリカの実業家はそれをやらな過ぎる。私は実業界よりも多くの本を読み、じっくり考える。思いつきで決断することは少ない」p214
    「アメリカ大陸の横断に初めて成功したルイスとクラークの作った地図があれば、誰だってここから西海岸までたやすく行けるだろう。だからこそルイスとクラークの名前は誰もが知るところとなったんだ。でもその「地図を見ながら2番目に旅をした人の名前なんて、誰も覚えていない。先駆者の仲間入りをしたいのなら、彼らみたいに、失敗して凍傷になる覚悟を決めて、自分でやるしかないんだ。他人に任せたりしないで。そういう覚悟がないなら、やらなきゃいいってだけのことだ。それでもいいんだよ。やりたい人は他にいくらでもいる」p246
    「本当にビッグなことをやりたいなら、思ったより時間も費用もかかる。失敗だらけで傷ついて恥をかくことになるし、イライラだって募る。それを覚悟するしかない。その覚悟があるのなら、ひたすらぬかるみを歩んでいけばいい」p247
    「スライドを使ってスピーチをする人の気持ちがわからない。スライドを使ったら、自分はキャプションになっちゃうだろ。決してキャプションになっちゃだめだ(TED創業者 リチャード・ソール・ワーマン)」p291
    「ゲイツは、交渉相手となるべく仕事抜きのつきあいをして、彼らの懐に入れてもらい、そして彼らからアドバイスをもらえばいいと言った」p322
    「トップであることに居心地の良さを感じた瞬間に、凋落(ちょうらく)が始まる」p356

  • 感動した。予備知識無しで読み始めてしまったから、まさか実話(自伝)だとは思わず、途中で気がついてから恐ろしく感情移入してしまい……レディーガガのところで我慢できず涙が出た。そして……ウォズニャックのインタビューも好き。最高だ。

    世界の著名人たちのインタビューが詰まった1冊で、数々の名言が飛び出す。それでもわたしがこの本で一番響いた言葉は、なんとハリーポッター第一巻での、ダンブルドア校長先生のこのセリフだ。

    「君が何者であるかは、君の持っている能力ではなく、君の選択によって決まるんだよ」

    この本自体やアレックス本人、そしてインタビューを受けたスター達に、この言葉が本当に気持ちよくバシッとハマるのだ。

    ストーリー仕立てで面白かった。(久しぶりに最初から最後まで全部読み通した本。そのため読破にものすごく時間がかかった。。)

  • ”成功と失敗は正反対のものだと常に思ってきたが、実はどちらも、挑戦した結果だという点で同じものなんだ。 僕は挑戦し、成長することにこだわっていたい。”
    たいていの人は失敗すると、臆病になって慎重になる。
    失敗してもやり続けることがいかに大事かが書いてあるが、この著者のやり方にうんざりする気持ちになった。
    しかし、スティーヴ・ウォズニアックのインタビューを終えて著者が感じた
    ”ジョブスの方が成功者だなんて、だれが断言できるだろうか?”
    この言葉で、この著者に好感を持って読み続けることができた。

  • ビジネス書でもあり若者の冒険譚でもあり、ストーリーに引き込まれてページをめくる手が止まらず一夜で読みえてしまいました。

    『成功者たちは、どうやってキャリアの足掛かりを得たのか』その答えを探す旅に出る18歳の若者が主人公。誰もが知っている有名人や起業家にインタビューしたい。でもどうやって?どうすれば会える??

    『ノー』の壁に当たっては、傷つき、悩む彼を応援せずにはいられませんでした。優秀な主人公が成功まで駆け上がったサクセスストーリーではなく、五里霧中のなか手探りで色々な人に助けられながらヨタヨタと走っていく若者の姿に胸が熱くなりました。
    最後の謝辞では泣いてしまいました。

    ↓自分用のメモ
    ・元マイクロソフトのオンラインサービスプレジデントチー・ルー」氏の「睡眠時間を4時間に短縮」した逸話が印象的。
    ・著者へのメンターであるエリオット・ビズノー氏も印象的な言葉をたくさん残す。
    「実力以上の仕事を引き受けろ。やり方は後から学べばいい。」
    「生きるのに必要な額以上のお金は『ゲームに参加するために』使う」
    「信用を借りる」
    ティム・フェリス『週4時間だけ働く』
    「幸福の反対は『退屈』で決まりだと思う。幸福の同義語は興奮だと言ったほうがいいかもしれない。興奮こそ、まさに僕らが懸命に追い求めるべきものであり、万能薬なんだ。みんなが君に情熱や幸福を求めて生きろと言うとき、それは究極的には『興奮』という概念に行きつくんだ」
    ウォーレン・バフェット「1年でしたいこと25個をリストに書く。そのうち特にやりたいこと5個に絞る。残りの20個はやらない。成功とは自分の欲求に優先順位んをつけた結果だ」

  • こういう感じの本、新鮮だった!

    成功するためには能力も重要だけれど、何を選択するのかも大切だということを、著者自身の体験を通して感じることができた。

    結局、何を持って成功とするか、幸せであると言うか、は人それぞれ。
    自分の価値観を大切にしたいということを再認識できた。

    私もがむしゃらに生きよう!と思わせてくれる胸が熱くなる一冊だった。

  • 自分が何者であるかは、自分の持っている能力ではなく自分の選択によって決まる。
    この言葉が一番今の自分に刺さった。
    やるかやらないか、日々の決断が、その後の人生を大きく変えていく。

    サードドアを開く瞬間は、多分確信があるわけではなく、ただ「こうしたい」と言う強い願望みたいなものがあるだけなのかもしれない。
    その瞬間その瞬間で価値判断をきちんとして、自分が一番こうしたいと思う選択をし続けることが、夢物語を夢物語で終わらせない方法かなと思った。

  • 2022/8/23

    自らの成功体験だけでなく、恥ずかしい失敗談も赤裸々に話しているので、共感しながら読むことができた。

    エリオット・ビズノーのエピソードは特に刺激的だった。

    「実力以上の仕事を引き受けろ、やり方は後から学べばいい」

    p332
    こうやって、向こうが断れないようなオファーを出せばいい

  • アメリカの大学生が、成功者と呼ばれるウォーレン・バフェットやレディ・ガガ、ビル・ゲイツなどにインタビューするため、失敗を重ねながら挑戦していく話。

    特別な手法ってより諦めない、めげずに粘る、色んなやり方を挑戦するっていうスタンダードなスタイルなんだけど、
    じゃあできる?って言われると、相当の勇気とヴァイタリティが必要

    勇気をもらった人がたくさんいるはず

  • どう扉をこじ開けて来たのか、扉をこじ開ける勇気を持てば人生が変わる可能性がある、こんな事を学べる本です。
    本を読みながら、謝辞の章で深く感動し、涙を流してしました。
    この本は、動き始めて壁にぶつかった経験のある方に勧められると感じました。

  • アメリカの大学生が、ビル・ゲイツやウォーレン・バフェット、レディー・ガガなど様々な有名人へのインタビューに挑戦した話。本来は有名人の「成功のきっかけ」についてインタビューし、それをまとめる予定だった。実際は明確な転換点はなく、一歩ずつの積み重ねの結果である。なのでこの本も秘訣をまとめたものではなく、著者がこのプロジェクトを通じてどのように成長したか、という話になっている。

    本書を通じて学べることに新鮮味は無い。情熱を持ちながら粘り強く行動し続ける。ただし一つの方法に拘るのではなく、柔軟に様々な方向からアプローチする。そしてチャンスを逃さない。そんな月並みな教えになる。

    やはりこの本の面白さは過程にこそある。なんのコネも実績も無い若者が、誰もが知るスーパースターと会おうと悪戦苦闘する。その努力と成長を見るのが楽しいのだ。そして自分を振り返って無言になる。

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著者プロフィール

アレックス バナヤン
作家、スピーカー
1992年8月10日、カリフォルニア州ロサンゼルス生まれ。

大学1年生の期末試験の前日、アメリカの有名なテレビ番組『プライス・イズ・ライト』に出場して優勝し、賞品の豪華ヨットを獲得。それを売って得た金を元手に、世界で屈指の成功者たちから「自分らしい人生の始め方」を学ぼうと旅に出る。

19歳のとき、シリコンバレー史上最年少のベンチャー投資家として投資会社アルソップ・ルイ・パートナーズに参加。また、アメリカの大手出版社クラウン・ブリッシャーズの80年の歴史の中で、同社と契約した最年少の作家となる。

2012年、『フォーブス』誌が世界で活躍する30歳以下の起業家やアートティストなどに贈る「30歳未満の30人」に選出される。22歳となった2015年には、『ビジネス・インサイダー』誌が選ぶ「30歳未満の最高にパワフルな人物」の一人に選出される。






「2019年 『サードドア 精神的資産のふやし方』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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