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- Amazon.co.jp ・電子書籍 (94ページ)
感想・レビュー・書評
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表題作を含む2編の‘人’と’人’との愛の物語。想いを届けられずに迷い苦しむ者。想いが繋がり一歩を踏み出した者。世間が、普通が、凶器となり前に立ちはだかる。好きになった人と付き合ってるだけなのにね。2丁目のバーカウンターで彼女が呟いた言葉が重く響く。
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文化と性別。どちらも越えがたい。両方ならなおさら。
作中の人物の自問自答のシーンが心に残る。
なぜ自分はここにいるのか?
何をしているのか?
隣で寝ている人物は誰なのか?
隣の部屋で寝ている子供は誰なのか?
すべて明白だが、こうなるつもりでもなかったはず。
様々なあったかもしれないすべての可能性が
夜には膨れ上がる。
そんなときにこの人物は月を見る。
「ここの月が欠けていれば、あそこの月も欠けている。
自分がこの場所で見ている月と、あの場所の誰かが
見ている月はいつでも同じものだ。
そう思うとなんだかとても安心できる。」
この作品では心に秘めた想いと比較されているが、
あったかもしれない何かに押しつぶされそうになるのは
誰にでもあることだろう。
最後まで読むと不思議なタイトルの意味もわかる。
時には月に選択を委ねてみてもいいかもしれない。
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