岩田さん: 岩田聡はこんなことを話していた。 (ほぼ日ブックス) [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • 本当にただただ素晴らしかったです。
    サイエンスと人間性の融合と言いますか、この両方を持っている人が切り拓く可能性は、その人が持つチカラの限界点に近づくなと感じました。

    ときどき、読み返して、自分の中に岩田聡さんをインストールしたいと思います。

    素晴らしい本でした。

  • 素敵な本でした。
    岩田さんのお人柄がよく伝わってきます。とにかくみんなに喜んでもらいたい、みんながハッピーになることが嬉しいというピュアな気持ちを素直に伝えられるっていいことだなと思いました。

    そんな岩田さんだからこそ魅力的な人たちも自然と周りに集まってくる。

    居酒屋さんでお酒でも飲みながら「こんなこと話していたよね、、」と振り返っているような温かい本です。

  • 素晴らしい言葉の数々。

    仕事の仕方、人との関わり方、
    人の育て方、才能とは…

    論理的であり、とても心情に訴えかける
    あたたかさのある言葉で
    一つ、一つ、噛み締めるように
    読み、心に刻んだ。

    書き写して、何度も手のひらで広げて
    味わいたい言葉がたくさん。

  • 星のカービィなどを作った札幌出身の日本のゲームクリエイター、プログラマーで、任天堂株式会社元代表取締役社長(1959−2015)の経歴を持ちます。
    55歳で亡くなるまで、人生を駆け抜けたのだなと思いました。

    『MOTHER2 ギーグの逆襲』4年近く経っても完成せずに行き詰っていた際に関わることになり、「いまあるものを活かしながら手直ししていく方法だと2年かかります。イチからつくり直していいのであれば、半年でやります」と伝えたお話は有名だそうです(この本で初めて知りました)
    糸井重里さんとはこの時に出会ったそうです。

    そんな岩田聡さんのことばをまとめた本となります。
    ほぼ日刊イトイ新聞に掲載されたたくさんのインタビューや対談、そして任天堂公式ページに掲載された「社長が訊く」シリーズから重要なことばを1冊にまとめたものです。
    とても人に優しいお人柄のようで、社員全てと対話することを実践していました。
    そのためか、天才プログラマーなのに言葉がわかりやすく、ためになる内容でした。

    ニンテンドーDSやWiiなどを作る時の思いを知り、例えばWiiのコントローラーを、テレビと同じくリモコンとしたいと強く願ったのも、ゲームをテレビのような存在にしたい思いからでした。
    こんなゲームをしない私まで、当たり前のように知っているゲームやソフトの一つ一つに、思いを込めていらしたのだと、感動しました。
    かなりお勧めです。

  • ゲーマーとしてHAL研究所や任天堂のこと(wiiの開発話など)が分かって楽しめるし、会社経営の話も勉強になります。遊び心あふれる岩田さんのステキな人柄が伝わってきました。
    文字がテキストではなくて画像として貼られているのか、電子書籍になるとちょっと読みにくい印象…。でも任天堂ゲーム好きには是非オススメしたい一冊。

    • こまつなさん
      確かに、一部画像で、スピーキングできない箇所ありましたね。毎回章ごとに。
      確かに、一部画像で、スピーキングできない箇所ありましたね。毎回章ごとに。
      2023/03/06
  • 【廣橋さんオススメ:若手だった頃の自分に連休中読ませたい本】
    調査前夜や納品前、ギリギリまで粘るとき、その理由は前向きなものであってほしい。
    大好きな任天堂を引っ張ってきた岩田さんのゲーム作りから、私のがんばる理由も影響を受けています。
    先人の仕事観に触れてみると、自分なりのがんばる理由が見つかるかも。
    (※無駄な長時間労働はだめです!)

  • 天才が日本にいたということがわかったし、
    とても偉大な方を若くして失ってしまい残念に思った。

    ひとつひとつの言葉からあぶれる人間性に強く惹かれた。

    今年読んだ本の中で一番感銘を受けた。下手なビジネス本や自己啓発本よりもずっと本質的で実践的なことが書かれていると思う。



    課題解決を好んでいた
    →人を幸せにすること

    人間はやっぱり、自分のやったことをほめてくれたりよろこんでくれたりする人がいないと、木には登らないと思うんです。


    好きか嫌いかではなく、「これは、自分でやるのがいちばん合理的だ」と思えばすぐに覚悟が決まるんです。


    「判断とは、情報を集めて分析して、優先度をつけることだ」


    「そこで出た優先度に従って物事を決めて進めていけばいい」


    それまでもふつうにコミュニケーションできていたと思っていた人でも、一対一で面談するとはじめて語ってくれることがある。変な言い方になりますが、「人は逆さにして振らないと、こんなにもものを言えないのか」とあらためて思いました。


    わたしは、自分がどんな会社で働きたいかというと、「ボスがちゃんと自分のことをわかってくれる会社」や「ボスが自分のしあわせをちゃんと考えてくれる会社」であってほしいと思ったんですね。

    そして、わたしは「人は全員違う。そしてどんどん変わる」と思っています。もちろん、変わらない人もたくさんいます。でも、人が変わっていくんだということを理解しないリーダーの下では、わたしは働きたくないと思ったんです。


    人が相手の言うことを受け入れてみようと思うかどうかの判断は、「相手が自分の得になるからそう言っているか」、「相手がこころからそれをいいと思ってそう言っているか」のどちらに感じられるかがすべてだとわたしは思うんですね。
     ですから、「私心というものを、どれだけちゃんとなくせるのかが、マネジメントではすごく大事だ」と、わたしは思っているんです。


     物事って、やったほうがいいことのほうが、実際にやれることより絶対多いんですよ。だから、やったほうがいいことを全部やると、みんな倒れちゃうんです。
     ですから、自分たちはなにが得意なんだっけ、ということを自覚したうえで、「なには、なにより優先なのか」をはっきりさせること。順番をつけること。それが経営だとわたしは思います。


    つまり、基本的には、その会社が「得意なことをする集団であろう」ということを目指すとしても、人と人が一緒に仕事をするためには、最低限、苦手だろうがなんだろうが、やってもらわないと困るということを決めないと一緒に働けないんですね。というときに、その「最低限のこと」を、なるべくちいさくすることが、経営者としてただしいんじゃないかなとわたしは思うんです。


    コンピュータの進歩が速いのは、トライアンドエラーの回数が圧倒的に多いからです。
    →重工業なら金型から作り直さないといけない


    仕事には、たくさんの人が並列で処理しようとするときに、きれいに割れる仕事ときれいに割れない仕事があります。


    あらゆることがそうですけど、仕事って、かならず「ボトルネック」といわれるいちばん狭い場所ができてしまって、そこが全体を決めちゃうんですよね。逆に、全体をどうにかしたかったら、ボトルネックがどこなのかを見つけて、まずそこを直さないといけません。ボトルネックより太いところをいくら直したとしても、全体はちっとも変わらないんです


    成功の体験をした集団というのは、自分たちが変わることへの恐怖があるもの

    といっても、成功を体験した集団を、現状否定して改革すべきではないと思います。その人たちは善意でそれをずっとやってきて、しかもそれで成功してきている人たちなんですから、現状否定では理解や共感は得られないんです。

     わたしはいま、たくさんのことを変えてもいるのですが、否定したいから変えるのではありません。
    「わたしがもしもむかしの時代にいたら、いま任天堂がやっているのと同じような方法を取ったと思うよ。でも、環境が変わったでしょう? 周囲が変わったでしょう? ぼくらが変わらなかったらどうなる? ゆっくり縮小していく道を選ぶ? それとも、もっとたくさんの人が、未来にぼくらのつくったものでよろこんでくれるようになる道を選ぶ?」ということなんです。

    面談は相手が答えやすいことから始める
    →自分のことなら答えられる


    わかりやすくいうと、なるべくなら、「ほんとうにやりたそうにしてる人」に仕事は渡したいんですよ。人間ですからね、嫌そうにしている人に大切なことを任せたい人なんかいないんですよ。


    プロジェクトがうまくいくとき。

     わたしの経験からいうと、あるプロジェクトがうまくいくときって、理想的なリーダーがすべて先を読んできれいに作業を割り振って分担して、その通りにやったらできました、という感じのときではないですね。

    どういうときに企画がうまくいくかというと、最初の計画では決まってなかったことを、「これ、ぼくがやっておきましょうか?」というような感じで誰かが処理してくれるとき。そういう人がたくさん現れるプロジェクトは、だいたいうまくいくんです。

    つまり、「こうなりたい」というイメージをチームの全員が共有したうえで、現実的な問題が起こったとき、あるいは起こりそうなときに、誰かが発見して、自然と解決していく。それが理想のかたちなのかもしれません。

    会社とは

    もしも、経営者がなんでもできるんだったら、ひとりで全部やればいいんです。自分がいちばん確実で、自分がいちばん当事者意識があって、自分がいちばん目的を知ってるんですから、自分ですべてできるなら自分でやればいいんですけど、そんなことをしていたら、ひとりの時間とエネルギーの限界ですべてが決まってしまうんですよ。
     だから、会社で働く人は、自分で担当すること以外は仲間たちに任せて、ゆだねて、起こる結果に対して腹をくくるわけですよね。で、その構造が、規模が大きくなればなるほど階層的になり、より幅が広がっていく。それが会社というものですよね。


    自分にはないものをその人が持っていて、自分にはできないことをやっているということに対して、敬意を持つこと。この敬意が持てるかどうかで、働くことに対するたのしさやおもしろみが、大きく変わってくるような気がするんです。
     たとえばわたしは任天堂の社長をやってますけど、絵は描けませんし、作曲ができるわけでもない。立場上、わたしは上司で社員は部下かもしれませんが、ひとりひとりの社員はわたしのできないことを専門的にやっている人たちだといえます。
     そういう人たちに対して、わたしは非常に敬意を持っているんです。というか、そうあるべきだと思って生きてきました。


    余談ですが、わたし、いまよりずっと若いころ、自分がものすごく忙しく感じていたころに、「自分のコピーがあと3人いればいいのに」って思ったことがあるんです。でも、いま振り返ると、なんて傲慢で、なんて視野の狭い発想だったんだろうって、思うんですよ。だって、人はひとりひとり違うから価値があるし、存在する意味があるのに、どうしてそんなこと考えちゃったのかなって、恥ずかしく思うんです。


    技術者も、絵描きも、「オレがいちばんうまい」という自信やうぬぼれがないとエネルギーが出ないでしょう。プログラムをやる人だって、自分のやり方がいちばんいいと思っている。そんな人どうしが一緒に開発をすると、かならず衝突が起こるんです。だって、クリエイションはエゴの表現ですから。エゴの表現をし合っている人たちが、なにもしないで考えを一致させるはずがないんです。全員が善意と情熱でやっているから「自分はただしい」と思っている。

    あらためてわたしが思うのは、やはり目標を定めるのが大切だということです。たとえ、それが前例のない目標だとしても。単純に、仕様を積み上げていくことをくり返していくだけだと、どうしてもマージンが重なって大きくなるだけでしょう。それよりも、やりたいことが明確にあるのであれば、「こうしたいんですよ」っていうところから逆算して目標に向かっていくほうがただしいと思うんです。


    また、わたしは、ただしいことよりも、人がよろこんでくれることが好きです。


    ただしいことを言う人は、いっぱいいます。それでいっぱい衝突するわけです。お互い善意だからタチが悪いんですよね。だって善意の自分には後ろめたいことがないんですから。相手を認めることが自分の価値基準の否定になる以上、主張を曲げられなくなるんです。

    逆にいうと、コミュニケーションが成立しているときって、どちらかが相手の理解と共感を得るために、どこかで上手に妥協をしているはずなんです。

    ■何かを続けることについて

    自分が注ぎ込んだ苦労やエネルギーよりも、ご褒美のほうが大きいと感じたら、人はそれをやめない。だけど、返ってきたご褒美に対して、見返りが合わないと感じたときに、人は挫折する。

    つまり、才能というのは、「ご褒美を見つけられる能力」のことなんじゃないだろうか


    自分の身のまわりにあることとつながっていないことを無理に勉強しても、身につかないんですよ。だったら、それに時間を費やすよりも、自分が好きで得意なことをやろう、という優先順位になってしまうんです。


    コミュニケーションがうまくいかないときに、絶対に人のせいにしない。「この人が自分のメッセージを理解したり共感したりしないのは、自分がベストな伝え方をしていないからなんだ」と思うようにすると決めたんです。
    →プログラムが、動かないのと一緒。自分のせい。

    できる可能性があるとしても、「できるけど、これが犠牲になるよ」とか、「できるけど、これとは両立しないよ」といったことを、きちんと理解し合ったうえで進めていくべきだとわたしは思います。


    ものをつくっていると、毎日の苦労は「人が苦労してやるしかない」ということと、「こんなことは機械がやればいいのに」ということのふたつに分かれるんです。ですから、わたしは、早い時期から「機械がやればいいことを自動化する仕組み」をつくろうと思うわけです。


    「アイディアというのは、複数の問題を一気に解決するものである」


    わたし自身は、なによりも、従来の延長上こそが恐怖だと思ったんです。

    wiiについて
    それは「もう一回時計を巻き戻しても同じものをつくるだろう」と胸を張って言えるほどなんです。
    →無駄なことはない

    ライトユーザーとコアユーザーをわけるべきではない
    コアユーザーも最初はライトユーザーだった
    新しい人が入り続けることはとても大事なんです。新しい人が入るようにしておかないと、いつかかならずお客さんはいなくなってしまう。

    仕様を決める時に本当に大事なことをは
    なにを出すかでは無く
    なにを捨てるか
    なにをやらないと決めるか

    「制約はクリエイティブの母」なんですよね

    面白いゲームというのは
    遊ばずに観ているだけでも面白い
    →わかる

    岩田さんの読み方というのは、本のなかにヒントを求めるのではなくて、ふだん考えていることの裏付けを得たり、自分の考えを本を通して人に伝えたりするために役立てているような感じでした

    怒ること

    本質的にはなにも解決していないのに自分だけは「そつなくやってます」みたいなことに対して腹が立つんですね。


    岩田さんが『MOTHER2』を立て直したときのことでよく憶えているのは、最初に、ゲームを直すツールをつくったことですね。  半年でやります、と宣言した岩田さんは、自分ひとりで黙々とゲームを直していくんじゃなくて、スタッフ全員がゲームを直せるような仕組みをまずつくった。それがすごく新鮮な驚きでした


    「人間は、人間にしかできないことをやりたいんですから」

    自分が誰かと仕事をしたら
    「次もあいつと仕事がしたい」と言わせよう
    というのが、モットー

    私が経験してきたことで
    無駄だと思うことなんてない

  • こんな人になりたい!

  • 任天堂元社長の岩田さんの人となり,リーダー感,ゲーム開発に対する姿勢,人付き合いといったことについて,ほぼ日が貯めていた言葉の断片からまとめた本.
    名作ができる裏側について知ることができると同時に,謙虚さや対話の重要性といったマネジメントとして学ぶところが多い.

  • 技術者である以上、できないことはできないで済ませず何かに代替させてでもやり通すことに心揺らいだ。岩田さんの見えなかった姿が分かる本で、IT技術者が読むと共感したり学ぶべき信念が多く載っている。

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