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感想・レビュー・書評
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伊藤計劃が好きなので「美亜羽に贈る拳銃」
は楽しく読めた。「シンギュラリティ・ソヴィエト」や「ひかりより速く、ゆるやかに」もAIやSNSを使っていて最新のSFとして楽しめた。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
この著者は、SF世界でしか体験できない場景、空間の広がりの描写がとてもきれい。
この作品集では、表題作と「シンギュラリティ・ソヴィエト」、「ひかりより早く」がその感じで、ここぞという時に花が開くように情景が広がっていく美しさ、読んでいて脳が拡張するような、これぞ読書の醍醐味という感じでとても好き。
まだ本になっていないけど、SFマガジンに載っていた短編もとても良かったので、早く次の本がでないかな。 -
*2020年1月27日、全部読めたので感想を追記。
『美亜羽へ贈る拳銃』が一番好きだった!人工と生身のはざまの葛藤がこれまたエモく「きみ」の仕掛けも映画『メッセージ』のラストでぶわっと押し寄せたあの感情にも似て、とくにマニアではない自分だが、だからSFは良い!と改めて思った。作中小道具的に登場する前世紀末から今世紀初頭の脳科学フィクションを集めた『聖書』なるアンソロジーに、先日読んだばかりのテッド・チャンより「美醜失認処置(カリーアグノシア)」が出てきたときにはテンション上がりました。『シンギュラリティ・ソヴィエト』も、歴史は苦手ながら、たまたま以前した仕事であの時代の米ソの競争について扱っていたのもあって、これまたテンション上がって嬉しく読めた。
全体的に女の子の話し言葉とか担う役割とか、ジェンダー的もろもろがかっこよくアップデートされているのだが、それが昨今の風潮に押された配慮、とかではなく、ときめきを追求したら自然とこうなるよね!って感じなところが、いいぞいいぞとなりました。(追記おわり)
今年はネトフリでまどマギとハルヒをbingeしたこともあり、「誰もが無数の並行世界を自在に行き来する力を持つ世界で、ひとつきりの時間線を生きる少女をめぐる学園小説」(ミステリマガジン掲載、大森望さんの2019年SF総括より)というあらすじに惹かれて読んでみました。
どれもそう来るかあ!という感じで面白かったけど、設定を理解するのになけなしの頭を使うため、寝る前に読む向きではなかったような。現時点で最もじわじわきてるのは意外にも『ゼロ年代の臨界点』だったりする。感情を抑えた雑誌記事やルポルタージュみたいな文章なのになんでこんなにキラキラしているの?そして、垣間見えるエモ。
学園ドラマの表題作と『ひかりより速く、ゆるやかに』(同じく大森さんの紹介――「修学旅行の帰路の新幹線でありえない”災害”に巻き込まれた級友たちの運命を、旅行に参加しなかった”僕”が見守る」――を読んだ時点でもう買いだと確信しました)はラストの主人公の決断等がわたしにはじゃっかんエモすぎた。歳のせいか。映像化に向いてそうな小説っていうのはよくあるけど、それとは逆に、精細なアニメーションを文章にしたような描写が喚起力抜群で圧巻だった(卒業証書の筒がにょきにょきするようなイメージとか)。
あとの2篇も楽しみです。 -
好き
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結構面白かったはずなんですがだいぶ忘れてしまってるので、また読みたいです
光より速く、ゆるやかにははっきりと覚えてます。最高に面白かったです。 -
今年読んだSF短編集は20冊ほどありますが、その中でピカイチでした。
表紙とは裏腹に内容は本格的SFで、短編でありながらも話としてちゃんとまとまっていて、ジュブナイル的な甘酸っぱさで締めくくる力のある若手作家さんです。
SF短編集を読んだ時のアイディアだけのまとまりのなさからくる物足りなさがありません。
他の作品も追ってみようと思います。 -
新世代若手のSF短編集。なめらかな世界とその敵、ゼロ年代の臨界点、美亜羽へ贈る拳銃、ホーリーアイアンメイデン、シンギュラリティ・ソヴィエト、ひかりより速くゆるやかに。
賢くて、SFが大好きで、たくさん本を読んでいる作家さんなんだと思いました。図書館のティーンズコーナーに置いてあったのに最初は違和感がありましたが、ティーンをなめていたと反省しました。 -
少し不思議系、なSF
今時な感じだな、ってなんとなく思う。
どの短編も、角が立っていて上手いと思う。 -
思っていたほと…。好き嫌いが分かれる本だと思う