- 本 ・電子書籍 (522ページ)
感想・レビュー・書評
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研究のために引き取った一匹の猿。
この猿の鳴き声を聴いてしまうと、8分20秒の間は、みんな錯乱状態になり、無差別に近くにいる人を襲ってしまう。
そんな猿が、研究室から逃げ出してしまう。
舞台は、観光客の多い京都、、、!
京都府内で暴動が勃発して、緊急事態となる。
警察や政府がとる対応とか、暴動についての動画を観たあとの、世間の反応などにリアリティを感じました。
パルクールという競技もここで初めて知りました。
京都の商店街を、パルクールしながら猿を追いかけるシャガ君が凄すぎる!
((個人的にココが難しかった))
問題の暴動が始まる3日前のお話のあとで、だいぶ過去の話に遡ったりして、あちこち行ったり来たりして頭の中で整理するのに時間がかかりました。(*;´□`)ゞ 研究プロジェクトの話やロストエイプの話が難しくて理解できなかった…(汗) -
もの凄いものを読んだ! あまりに凄くて声も出ない。よくぞこんな物語を発想し描ききるものだ。そして描写力の確かさよ。物語終盤、チンパンジーとパルクール少年の逃走追走シーンの美しさに涙が出た。もう完全に佐藤究に夢中です。鏡三部作の掉尾『テスカポリトカ』、はやく文庫になってほしいなあ。
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「Ank: a mirroring ape」(佐藤 究)を読んだ。
『わぉ!』
これは力作ですよね。
佐藤究さんの作品を読むのは初めてなのだよ。
SF小説として大切な(理論や技術に裏打ちされた)説得力が揺るぎなく物語の屋台骨を支えているので、読者は最後まで安心して身を委ねていられるのである。
『わぉ!』 -
ヒトと類人猿との相違は?
というところから進化の分かれ道で失った物と得た物。
この作者やりますね。
はっきり言ってオモロイ!
自己鏡像認識能力。
チンパンジー、ゴリラそしてボノボは持っているとは。通勤電車が短く感じる作品です。 -
370ページまでしか読んでないのだが,この作品に対する評価が決まりつつあるので投稿します.
まず発想は非常にいい.裏の説明文を読んだだけであまりの奇抜さにクラクラ来る.何が起きるんだろう,とワクワクさせられる.
そして結末,つまり京都暴動に至った経緯についても科学的に説明してくれている.
しかし瑕が多い.
まず暴動シーンの描写があまりに長い.
冒頭のニュースにおいて暴動の様子は簡潔に説明してくれているのだから,中盤でここまで詳細に書く必要はないのではないか.
そして何より,京都暴動の大方の原因というのは前半で明かされるのだ.
こうなると真相がほぼわかった時点からさらに京都暴動の様子が詳細に綴られるということになるのだ.
これはあまりに退屈である.
なぜなら「なんで京都暴動が起こったんだろう」というワクワクドキドキが,この本を読み進める唯一のモチベーションだからだ.
斬新な設定に惹かれてこの作品を手に取ったが,もう少し短くまとめられたのではないかと思ってしまう.
設定だけで衝動買いするのはあまりよろしくない,という教訓を得た. -
謎解き設定面白かったが、やや暴動の描写など、くどかった気もする。ここから『テスカトリポカ』に進化していったと考えると興味深い。
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血腥い京都。土地勘があるので面白かった!「鏡」をモチーフにヒトとサルの分岐点を探るようでいて、ヒトと”ヒトを超えた存在”の話になっていた。
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