未完の資本主義 テクノロジーが変える経済の形と未来 (PHP新書) [Kindle]

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  • 資本主義の未来のかたち。テクノロジーが何か大きな影響を及ぼしている姿を思い浮かべることは出来るのですが、実際にどうなっているのか、なかなかに推測することすらできないくらいに未来は不透明です。本書では、世界的に著名な、知に大きな影響を与えている方々に、著者がそのことを問いかけた論考集です。ひと昔前から活躍されている方もいれば、若い世代の方も出てこられます。今後の世界の行方について、登場してくる方々の考え方を知ることは非常に重要かと感じました。テクノロジーは善なのか、悪なのか。ベーシックインカムについてなど。いろんな方向からの意見考え方を学ぶことができる内容になっています。自身の将来像、働き方などについて考えるヒントにもなると思います。

  • ウラゲツブログつながり。/これから競争に勝ち残るためには生涯学習者(lifelong learner)になる能力がもっとも重要になる。つねに新しいことを学び続け、学習ツールを得る力/肉体だけ満足させ魂だけ満足させないようでは、いかなる体制でも慎重になる必要がある(トーマス・フリードマン)/人をみじめな気分にさせるような無意味な仕事は、まったく必要ない。(デヴィッド・グレーバー)/経済は、成長せずとも機能することができます。現に、経済の成長率は中世まではずっと横ばいでした(トーマス・セドラチェク)/今ある労働のほとんどが今後なくなったとしても、それはAIのせいかもしれないし、そうではないかもしれない。ただ、経済の代謝があるということです(タイラー・コーエン)/人生で最大の課題は「生きることの意義」を見つけること/幸せ以外にもあらゆる指標を用意して、私たちが気にかけるべきことについて民主的な話し合いをしなければいけない(ルトガー・ブレグマン)/世界が変わるのは、ジェフ・ベゾスがアマゾンのデータをオープンにして、何千という小さなスタートアップ企業が参入し、そのデータを使ってさらによい製品をつくり出すときです(ビクター・マイヤー=ショーンベルガー)/といったあたりの論点が興味深かった。「世の中の大半の仕事はまったくいらない仕事」とか「データ税」という考え方とか。

  • 7人のオピニオンリーダーとの対話で、テーマは資本主義の未来。正統派のクルーグマンからアナキスト系のデヴィッド・グレーバーまで、様々な現状の理解と将来への処方箋が提示されます。個人的にはまだ翻訳されていないグレーバーの「Bullshit jobs」の内容が紹介されていたことと、それぞれの論者のベーシックインカムに関する議論が参考になりました。

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著者プロフィール

NY市立大学教授。2008年、ノーベル経済学賞受賞。
イェール大学で学士号を、MITで博士号を取得。イェール大学、スタンフォード大学、MITで教鞭をとったのち、プリンストン大学経済学部教授。1982~83年には1年間大統領経済諮問委員会(CEA)のスタッフも務めた。主な研究分野は国際貿易。収穫逓増と不完全競争に焦点を置いた「新しい貿易理論」の創始者の1人である。国際金融、特に通貨危機の問題にも取り組む。1991年、アメリカ経済学会のジョンベイツクラーク賞受賞。日本語への翻訳書多数。

「2019年 『未完の資本主義』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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