AI兵器と未来社会 キラーロボットの正体 (朝日新書) [Kindle]

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  • 朝日新聞出版
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  • タイトルが若干ミスリード。
    AI兵器についても章を割いて語られているが、本題はどちらかと言えばAIの活用のあるべき姿。

    最初、現在の人工知能技術は、人工知能と呼ぶよりも高度情報処理技術と読ぶべきものであると喝破し、人間の行動決定における、顕在意識と潜在意識の役割の違い(本当は後者が決定しているが、前者が論理的な整合のために後で発生している)を基に、そもそもの人口知能の目指すべき方向性を明らかにしたところまでは良かった。

    よくある、単なる事例を基にAI兵器の良し悪しを論じるのではなく、学術的観点で、そもそものAI兵器のありようを論じるということが期待されたからだ。

    しかし、本題であるAI兵器の章で、2つの意識の違いとかの事前の解説が生かされず、ただ現状のAI兵器の研究開発の状況(それもそんなに深い内容ではなく、数日ネットを調べればわかるくらいの内容)を基に、簡単な分類でAI兵器を論じられたのはちょっと残念だった。

    厳しいことをあまり言いたくはないが、著者は、AIの専門家ではあっても、兵器については知見も興味も無いものと思われる。

    多分第6章の人工知能と社会の関りについて著者は語りたかったのだと思われるが、それならAI兵器などは題材とせずに単なる一例にとどめ、もっと人工知能の応用例をたくさん取り上げ、それを基に論じるべきだったと思われる。

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著者プロフィール

慶應義塾大学理工学部(管理工学科)教授。専門は人工知能・複雑ネットワーク科学・計算社会科学。著書に『AI兵器と未来社会』(朝日新書)、『人と共生するAI革命』(共著、エヌ・ティー・エス)ほか。共訳書にワッツ『スモールワールド』(東京電機大学出版局)がある。

「2020年 『スマートマシンはこうして思考する』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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