嘘と正典 [Kindle]

著者 :
  • 早川書房
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本棚登録 : 9
レビュー : 2
  • Amazon.co.jp ・電子書籍 (235ページ)

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  • モノクロのマルクスの顔、その左半分は焼けただれているのか、粒子が荒くなっているのか、不明瞭、しかも実はいつもと左右逆の裏焼きのビジュアル、その上に「嘘と正典」という意味深なタイトル。書体も明朝でドーンと思いきや一部だけデジタルグリッド加工されていてます。そんな謎めいた表紙を見ているだけでドキドキ感を感じる本です。表紙の扉を開けてみると本当に読みやすい短編が6篇。するする読めるのになんかずぶずぶ沈んでいく感じ。なんだろう、こんな感じあまり体験したことない。ショート・ショートよりはちょっと長く、ミステリーや純文学ともなんか違うし、ということで、冒頭の「魔術師」を読んだところで、もう一度表紙に戻ると早川書房の文字が。そうか、これはSFの短編小説なんだな、と認識を新たにし、もう一度「魔術師」を読んでみました。二度目はもっと沁みました。この本の作品はほぼ、どれも時と人生の関係性を描く「タイムマシン」要素の入ったものばかりです。読んでいるうちにSF=すこし不思議、と訳した藤子・F・不二雄の短編マンガを思い出しました。「時の扉」にある『「過去」というのは、人間が自らの精神を参照したときに現出する仮象の存在物なのです。』という言葉がこの本に通底している想いなのだと思いました。未来は変えられない、変えられるのは過去なのだ、という「すこし不思議」感覚を満喫しました。

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