欺す衆生 [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • これは久しぶりのヒット。もう読書の集中力減退かと思ったが、杞憂でした。紙面からぐいぐい引っ張られてく。原野商法、和牛商法といったリアルな詐欺師事件の取材を丁寧に行っているのでしょう。ディテイルが読み応えがある。事件そのものが面白いし、キャラクターも生き生きしている。途中からヤクザが入ってきて話が大きくなるが、ここのヤクザがまたリアル。怖さがよく伝わってくる。ライドドア事件など固有名詞が出てきて、ホリエモンは三流の詐欺師として描かれている。最後、家の子どもが結婚詐欺で狙われて、ヤクザの後ろ盾も力をもたず、アフリカ投資も戦場カメラマンから追求されと破綻寸前までいき、不幸に終わるピカレスクロマンと思ったら乗り切る。このあたりも展開もなかなかスゴイ。

    月村了衛は急に注目の人となる。

    bookaholic認定2019年度国内ミステリー・ベスト10 4位プラチナ本2019/12月このミス2019年 7位「ミステリが読みたい!」2020年版:国内篇15位

  • 取材陣が殺到しているマンションの一室に堂々と乗り込んで、豊田商事の会長が刺殺された事件は今でも記憶に残っているが、この小説はまさにその場面から始まる。
    出張命令が出て。そのマンションにかけつけた社員は、刺されて救急車に収容されんとする会長の姿を見てしまう…。この社員が物語の主人公。
    彼のような元豊田商事(小説では横田商事)社員は今でも詐欺の世界で生きているのだろうか?悪でいい目をしてきたのだから、そうそう簡単に足を洗うわけにはいかないだろうけど、そんな人間が今でも蔓延っていると思うだけでもゾッとする。

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著者プロフィール

1963年、大阪府生まれ。早稲田大学第一文学部文芸学科卒。2010年『機龍警察』で小説家デビュー。12年『機龍警察 自爆条項』で第33回日本SF大賞、13年『機龍警察 暗黒市場』で第34回吉川英治文学新人賞、15年『コルトM1851残月』で第17回大藪春彦賞、『土漠の花』で第68回日本推理作家協会賞、19年『欺す衆生』で第10回山田風太郎賞を受賞。近著に『暗鬼夜行』『奈落で踊れ』『白日』『非弁護人』『機龍警察 白骨街道』などがある。

「2021年 『ビタートラップ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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