- Amazon.co.jp ・電子書籍 (209ページ)
感想・レビュー・書評
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アメリカの国民性が少しわかった気がします。
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まず、メイフラワー号云々の前にアメリカに先に上陸していたのはカソリック国だったという指摘が目からうろこ。
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何とか派とか、キリスト教のある程度の前提知識がないと、よく理解できないところもある。それでも、キリスト教(プロテスタント)がアメリカの歴史を今も動かし続けていることがよくわかる。トランプの登場に、分断も、その背後にはキリスト教がある。この本を読んで、アメリカのニュースや、映画・ドラマ・小説などの見方も変わる気がしてきた。
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大変難しい内容だった。
キリスト教を切り口にアメリカ大陸の「発見」から現在に至るまでのアメリカの歴史をたどる。
もはやアメリカという国にとってキリスト教というものは、国あるいは社会を支える思想の一つになっているのではないだろうか。
アメリカでは社会にとっての価値のありかを示す思想としてキリスト教があり、また一方で建国の理念としての自由と平等という思想とがある。時としてこの二つの思想はぶつかり合いながら、そしてたいていの場合自由と平等という思想が勝利を収める形で変動し続けてきた。公民権運動、同性婚、女性の権利など。
アメリカでキリスト教は大変強い。しかしそれ以上に自由と平等という価値観はもっと強い。だからこそ個人の自由は強く尊重され、政府や権威からの押し付けに対しては強い拒否反応が頻繁に起きる。政府や知的権威に対するそうした反発は「反知性主義」というような運動として形作られ、政府に対する不信感はとても強いものになっている。
そういった背景があるから、陰謀論というのはある種、アメリカの伝統のような感さえもある。
トランプ支持者が「Qアノン」というような荒唐無稽としかいいようのない陰謀論を信じるというのも、別に今に始まったことではないようだ。
16世紀ボストンを中心に始まる、キリスト者たちの入植と布教を通じたアメリカ初期の歴史のところがとても面白かった。