科学的な適職【ビジネス書グランプリ2021 自己啓発部門 受賞!】 [Kindle]

  • クロスメディア・パブリッシング(インプレス) (2019年12月13日発売)
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Amazon.co.jp ・電子書籍 (247ページ)

感想・レビュー・書評

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  • 思い込みや勢いで決めがちな転職について、多角的な判断基準と判断方法を説明してくれる。

    自分に合う仕事を提示してくれる、というより転職した後に後悔しないようにする方が主眼。

    転職を必ずしも進める本でもなく、現状分析方法も提示しているので、現状に不満・不足を感じている人は一読の価値あり。

  • 著者の「最高の体調」をPrime Readingで読んで、そのまま本著に流れてまいりました。
    本読みにとっては当たり前の話ながら、読んだ本の内容をそのまま真に受けて、人生を委ねるなんてのはありえない訳です。
    ただ、もし科学的なアプローチで「自分に向いている仕事」というのがわかるんだとしたら、こんな凄いコトはないですね。

    …という思いで本著を読み始めたのですが、やっぱりそんな凄いコトはそうそう起こらないものです。強いて言うなら、本著を読めば、感情やその場の流れで仕事を決めてしまう、ということはなくなるかも。
    やはり、著者が得意としている論文という分野だと、アメリカの転職絡みの研究が多いので、その点でも日本企業における転職が当てはまるかと言うとちょっと微妙な気がするし、日本の新卒での就職に至っては言わずもがなというか。
    とは言え、人が仕事において何にストレスと感じるか、とかそういった情報が纏まっているので、日本企業の日々の仕事回しにおいても、特に性差があるところなんかは(自分は片方しかわからないので)勉強になりました。

    総括すると、読まないより読んだ方が良いけど、マストではないかな。就活中の大学生はちょっと肩透かしを食らうんじゃないかと思います。

  • 面白い点もある。

  • 転職したくて。
    でも待てよ。
    自分にとって最適な転職って
    なんだろか?

    そんなことを考えたこともなく
    やみくもに転職活動をしようと
    してた私を止めてくれた本であります笑


    なんとなく大企業に入って、
    なんとなく今の生活をしてて
    周りと比べて給料が安い。

    たったそれだけだった。

    現段階では人(仲間)には
    それほど恵まれてないが、
    それ以外は満足の行く会社だった。

    もう少し自分を見つめ直そう。

  • 自分の仕事を好きになること
    科学は、ぼやっと思っていることをしっかり言語化してくれる優れもの

    きっと見つかる、そして、そこにある。

  • Amazonプライムで無料だったので、「科学的」というところに興味を覚えて読んでみた。
    ちょうどまたまた夫の転勤で職探しをしなくてはいけなかったので。

    いや、これは「ビジネス書グランプリ」(って何か知らんけど)受賞も納得でしょう!
    すばらしい本でした。
    別に転職や就職活動の予定がない人にもおすすめ。
    特に職場の環境に大きな影響を与えるポジションの人(管理職とか)は読むべきなんじゃないかなぁ。

    あるいは、「幸福」って何?っていう抽象的な疑問について考えたい人にもおすすめです。
    「幸福」なんていう概念は人それぞれで、心っていう「つかみどころのないもの」に根差しているものかなと思うけど、それを実に科学的に検証し、はっきりと目に見える形でとらえられるよう手助けする本、という感じでした。
    本は仕事の幸福に特化して書かれているけれど、検証チェックポイントはいろんなことに応用できるんじゃないかなと思う。

    読みとばすつもりで無料で読んだけど、手元に置いて、迷ったり新しいことをするときなんかに読み返したいなと思ってしまった。

  • 転職探しに繫がりそうな本に見えるが、部下を持つ管理職はみんな読んだほうが良い。マネジメントを見直すきっかけになる。
    職場での働き方改善、生産性向上につながる超良書。

    適切な職業選びについて、4021の研究データを元に論理的に解釈を述べている。
    普段耳にする職業選びは、科学的に間違えていたり、証明されていないことがよくわかる。

    以下に結論だけ記述するが、論拠となるデータ、研究検証は本書を見るべき。納得度が高くなる。

    ----------------
    ◯仕事選びにおける7つの大罪
    ----------------
    1.好きを仕事にする
    2.給料の多さで選ぶ
    3.業界や職種で選ぶ
    4.仕事の楽さで選ぶ
    5.性格テストで選ぶ
    6.直感で選ぶ
    7.適性に合った仕事を求める

    1.好きを仕事にする
    ・自分の好きなことを仕事にしようがしまいが最終的な幸福感は変わらない。
    ・適合派(好きなことを仕事にするのが幸せ)と成長派(仕事は続けるうちに好きになるもの)だと、成長派の方が1〜5年の長いスパンで幸福度・年収・キャリアなどのレベルが高かった。
    ・適合派情熱派、割り切り派(仕事は仕事と割り切るタイプ)で、全員のスキルアップを比べると、割り切り派が最も優秀だった。
    ・真の天職は「なんとなくやってたら楽しくなってきた」から見つかる。「情熱は後からついてくるもの」と考える人の方が、興味が無いことでも熱心に取り組める。
    ┗ 適合派にキャリアをふんでからヒアリングして、「天職でした!」という人は極少数。

    2.給料の多さで仕事を選ぶ
    ・給料が多いか少ないかは、私たちの幸福や仕事の満足度とはほぼ関係がない。
    ・給料と幸福度の関係調査は大量に行われている。いちばん有名なのはフロリダ大学が起こったメタ分析。前調査結果から更に統計をとっても、給料と幸福度はほぼ無関係
    ┗ ちなみに年収400万~500万までが幸福度の上がり幅の上昇値がもっとも高く、800万円がピーク
    ・お金のかからない趣味やライフイベントを増やすことが幸福度の最大化になる

    3.業界や職種で選ぶ
    ・どの分野の専門家でも有望な業界など予測できない。
    ・ファンドマネージャーの実績を見れば明らか。
    ・自分自身の将来に下す予想は、もっと予測できない。
    「今後10年で価値観や好みはどこまで変わると思いますか?」「過去10年であなたの価値観や好みはどこまで変わりましたか?」「昔はやっていたものや当たり前だったものが、いまも同じ価値を持っていますか?」
    →大半の人は「現在の価値観や好みがもっとも優れている」と思い込み、過去に起きたような変化が未来に起きることを認めない。

    4.仕事の楽さで選ぶ
    ・楽すぎる仕事は、幸福度を大きく下げる。
    ・適度なストレスは幸福度を大きく上げる。
    ・最もわかりやすい研究結果はコンフォートゾーン、ラーニングゾーン、パニックゾーン

    5.性格テストで選ぶ
    ・論外。性格診断によって適職が見つかる保証、データはどこにもない。

    6.直感で選ぶ
    ・直感で考える人の人生は「自己正当化」に終わる
    ・直感が正しく働くためには「ルールが厳格に決まっている」「何度も練習するチャンスがある」「フィードバックがすぐに得られる」という条件が必要だが、仕事探しはこれらの条件に全く当てはまらない。
    ・人生の選択においては、論理的に考える人の方が人生の満足度が高く、日常のストレスも低い。
    ・感覚には頼らず合理的な精神を貫くことが、人生を成功に導くコツである。

    7.適性に合った仕事を求める
    ・適性検査はどの手法も就職後のパフォーマンスを測る役には立たない
    ・「強みを活かせば仕事が上手くいく」という考え方は誤解が生まれている
    ┗ 「強み」と仕事の満足度には有意な関係があるものの、職場環境での相対性で決まる。組織の中に自分と同じ「強み」を持った同僚が少ない場合には、仕事の満足度が上がる。
    ・「強み」を活かして幸せな良い人生を送れるかどうかは、周囲の人間との比較で決まる。
    ・ポジティブ心理学の先行研究では、自分の強みを活かすように意識しながら毎日を送れば、日常の幸福感が少しずつ高まっていくことが報告されている。
    →「強み」をもとに仕事を選ぶことは推奨されないが、今自分が働いている会社の中で仕事の満足度を高めるために使うならば有用。

    ----------------
    ◯仕事の幸福度を決める7つの徳目
    ----------------
    1.自由:その仕事に裁量権はあるか?
    2.達成:前に進んでいる感覚は得られるか?
    3.焦点:自分のモチベーションタイプにあっているか?
    4.明確:なすべきことやビジョン、評価軸はハッキリしているか?
    5.多様:作業の内容にバリエーションはあるか?
    6.仲間:組織内に助けてくれる友人はいるか?
    7.貢献:どれだけ世の中の役に立つか?
    ※全て当てはまる職場などない。むしろ、3つでも4つでも当てはまる項目があれば幸福度の高い職場だと言える。

    1.自由
    ・仕事内容や働き方に裁量権があること。7つの徳目の中で最も幸福度が高くなる。職場の自由度が高くなるほど仕事への満足度が上がり離職率が下がる。
    ・「作業の内容をどれぐらい自分の意思で決められるか?」は仕事の満足度を大きく左右する。自由ほど仕事の幸せを左右する要素はない。
    男性→仕事の進め方と作業ペースの自由が効くほど幸福度は上がる
    女性→仕事に取り組む場所とタイミングの自由が効くほど幸福度は上がる

    2.達成(前に進んでいる感覚を得られる)
    ・「小さな達成」が仕事のモチベーションを大きく左右する
    ・仕事のモチベーションを高める最大の要素は、少しでも仕事が前に進んでいる時
    →仕事の成果とフィードバックがある職場は優秀。目指すべきゴールがはっきりしていて、自分の作業へのフィードバックが即もらえることが大切
    ・錯覚でも良いから、仕事が前進してると思ってもらえる環境が重要

    3.焦点(←日本では参考にならなそう)
    ・性格診断や適性での仕事選びは実証結果が無いが、「制御焦点」のみ意義性が見受けられる
    ・制御焦点とは、人間のパーソナリティを「攻撃型」と「防御型」に分ける考え方。
    「攻撃型」目標を達成して得られる「利益」に焦点を当てて働くタイプ
    向いてる職業→コンサルタント、アーティスト、テクノロジー系、ソーシャルメディア系、コピーライターなど
    「防御型」→目標を「責任」の一種として捉え、競争に負けないために働くタイプ
    向いてる職業→事務員、技術者、経理係、データアナリスト、弁護士など
    ・焦点タイプに合った働き方をした方が能力を発揮しやすく、そのおかげで仕事の満足度も高まる

    4.明確
    ・成すべきこと、ビジョン、評価軸、求められていることが明確
    ・信賞必罰も明確であるべき
    ・「仕事で何を求められているのかわからない」「上からの指示が一貫しない」は強いストレスを与える

    5.多様
    ・日常の仕事でどれくらい変化が感じられるか
    ・心理学で「快楽のウォーキングマシン」と呼ばれているのが、人間はどのような変化にもすぐに慣れてしまう性質があるため、夢に見たポジションに昇進しようが、幸福度は長くて1年ほどで過去と同じレベルに戻ってしまう。
    ┗ 宝くじで1億あたっても1年経てば幸福度はもとに戻る
    ・「従業員には特定の役割を与え、徹底させよ」という考えがあり、それは確かにコストや効率面で効率的。たまに多様による刺激も与えてやるべき。
    ・「自分がもつスキルや能力を幅広く活かせること」「業務の内容がバラエティに富んでいること」が重要
    ・多様は短期的には効率を落とすが、長期的には強い組織を形成するし、幸福も最大化される

    6.仲間
    ・厚生省の統計によって、「同僚と仕事やプライベートの会話で笑うことがあるか?」の問いにYESと答えた日本人は30%
     「会社内に信頼できる上司はいるか?」の問いにYESと答えた日本人は13%
    ・職場に友人(笑って話せる仲間)が3人いれば仕事のモチベーションは700%上がり、作業のスピードすら上がる
    ・上司や同僚が仕事人生に及ぼす影響の強さを示した例は数しれずあるが、500万人を対象にしたアメリカのサーベイで答えは完結している
    ・給与や仕事の楽しさよりも、良い上司や良い同僚がいることのほうが確実に幸福度が上がる
    ・組織に自分と似た人がどれくらいいるかは重要。良くも悪くも、私達は自分と似た人を好きになりやすい傾向があり、結果的に良い友人を作りやすくなる

    7.貢献:
    ・アメリカで最も幸福度の高い仕事
    1、聖職者
    2、理学療法士
    3、消防員
    4、教育関係者
    5、画家・彫刻
    ...アメリカの文化に特有のものであり、日本にそのまま当てはまらない
    ・大事なのは、小さな親切を施しやすいこと
    ・人間は根本的に「人のためになること」で力を発揮しやすく、「他人へのちいさな親切」を1日に何度も行う人間の幸福度が高い
    ・人間が幸せを感じるために必要な3つの欲求を満たせるので、小さな親切を生む環境を作ることも大事
    ①自尊心:他人の役に立つことで「自分は有能な人間なのだ」という感覚を得やすい
    ②親密心:親切のおかげで他社と近くなった気分になり、孤独から開放されやすい
    ③自律性:他人のためになったという感覚が、「誰から指示されたわけではなく、自分で自分と他者を幸せにできた」という気持ちが芽生える
    ・親切による幸福度アップの効果を「ヘルパーズ・ハイ」と呼び、社外社内問わずヘルパーズハイにすることで幸福度を高めやすい


    個人的メモ
    「2.達成」「5.多様」が最大化されていない気がする

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    ◯最高のマネジャーになるための8つの習慣 (プロジェクトOxygen google)
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    習慣1 専門知識のある良いコーチであれ。
    習慣2 部下に権限を委譲せよ。マイクロマネジメントはするな。
    習慣3 部下の成功と幸せに関心を持て。
    習慣4 くよくよするな。生産的で結果志向であれ。
    習慣5 良いコミュニケーターであれ。チームの声を聞け。
    習慣6 部下のキャリアについてサポートせよ。
    習慣7 明確なチームのビジョンと戦略を持て。
    習慣8 チームにアドバイスができるように技術的なスキルを磨け。

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    ◯転職の失敗
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    就職と転職の失敗は、「視野狭窄」と「脳のバグ」によって引き起こされる
    ※視野狭窄:物事の一面しか注目できず、その他の可能性を全く考えられない状態

    1.お金に釣られる
    給料アップに惹かれて転職を決めて、それだけしか考えられなくなるケース。収入は増えたのは良いが、前職で培ったスキル、コネ、日常の笑顔を失うパターン。幸福とは程遠い
    2.「逃げ」で職を決める
    現在の仕事に不満が募り、「将来のために」ではなく逃避で職を転々とするケース。自責ではなく他責思考のままの天職なので、最終的に収入も下がることが多くなる。
    3.自信がありすぎる、またはなさすぎる
    自己評価がやたらと高いせいで「私はどのような会社でもやっていける」や「今の会社には問題がある」などと断定して、実は自分の方に問題がある可能性や現状のありがたみに思いが行かないケース。
    または、逆に自信がなさすぎるせいで、「あんな会社は自分に向かない」と決めつけて、より良い可能性から自らを遠ざけるケースも定番。


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    ◯脳のバグ
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    1.人類の脳には、職業を選ぶための「プログラムが備わっていない。
    2.人類の脳には、適職選びを間違った方向に導く「バグ」が存在している

    「利用可能性ヒューリスティック」
    何かを決める際に、手軽で新しい情報だけを頼ってしまう。ヒトの脳には難しい判断を出来るだけ避けようとする心理傾向が備わっている。

    「インパクト・バイアス」
    どんなに夢に見た仕事に就こうが、長期間に渡って同じ喜びが続くはずはない。にも関わらず、大抵の人は夢が叶った後の感情を高く見積もり過ぎて、結果的に大きな落胆を味わうことになる。

  • 本書、就職や転職を控えた人向けの本かと思ったら、「人生100年時代」を迎えた今、全世代にとって有益な情報がたっぷり詰まった本だった。特にステップ1が面白かった。

    著者は、人類の脳には職業を選ぶための「プログラム」が備わっておらず、また、適職選びを間違った方向に導く「バグ」(利用可能性ヒューリスティック、現状維持バイアス、インパクト・バイアス等のさまざまなバイアス)が存在しているのだという。本書には、これらのバイアスの影響を減らし、幸福が最大化される仕事(適職)を選ぶ「意思決定の精度を高め、正しいキャリアを選び取る確率を上げ」るノウハウが満載されている。

    著者は、幸福な仕事選びのめりテクニックを、1幻想から覚める(Access the truth)、2未来を広げる(Widen your future)、3悪を取り除く(Avoid evil)、4歪みに気づく(Keep human bias out)、5やりがいを再構築する(Engage in your work)という5つのステップ(「AWAKE」)に体系化している。

    ステップ1では、「❶好きを仕事にする ❷給料の多さで選ぶ ❸業界や職種で選ぶ ❹仕事の楽さで選ぶ ❺性格テストで選ぶ ❻直感で選ぶ ❼適性に合った仕事を求める」のずれもが、長期的な人生の満足度とはなんの関係もない(ヘタをすれば不幸を招きかねない)「仕事選びにおける7つの大罪」だという衝撃の事実が明かされる。これらの全てを疑うなんて発想は全くなかったし、普通、人に聞かれたらこの中の幾つかをアドバイスするよなあ。え~、違うの!

    「自分の好きなことを仕事にしようがしまいが最終的な幸福感は変わらない」。好きなことを仕事に選んでも幸福感を味わえるのは最初だけで離職率が高く、むしろ成長派(「仕事は続けるうちに好きになるものだ」と考えるタイプ)や「割り切り派」(「仕事は仕事」と割り切って仕事するタイプ)の方が、幸福度も年収やキャリアなどのレベルも高く、継続率も高いという。好きなことを仕事にしたけど現実は理想と程遠く、そのギャップに幻滅してしまうことが多いのだ、と言われれば、確かにという気もするが、一方、仕事で辛いことがあったとき、好きで選んだ仕事なんだから頑張ろう、という気になれるような気もするんだけどな。この考えは専門家分析によって否定されてしまうんだな。

    世の中で成功している人や天職に就くことができた人の大半は、「最初のうちはなんとなく仕事を始めたのに、それに努力を注ぎ込むうちに情熱が高まり、天職に変わった」のであり、「彼らが天職を得たのは、ほとんどが偶然の産物だった」というのも衝撃。

    「好きを仕事に!」「情熱を持てる仕事を探せ!」は多くの研究で否定された、良くないアドバイスだったのだ。「本当の情熱とは、何かをやっているうちに生まれてくるものだ」という考え方を指す「グロウス・パッション」という言葉、覚えておきたい。

    ホリエモンの「多動力」は好きな仕事だけやれ、稲森氏は与えられた仕事を好きになれ、と真逆のことを書いていたが、本書によれば、稲森氏のアドバイスに軍配が上がりそうだ。

    「給料が多いか少ないかは、私たちの幸福や仕事の満足度とはほぼ関係がな」く、「およそ年収が800~900万に達した時点で幸福度の上昇は横ばいにな」るという。また、年収アップによる幸福度上昇感は1年しか続かない。更に、その幸福感は他人との相対的な比較により得られる。収入アップのみを目指した転職は(失うものが多く)凶なんだな。

    この他、業界の未来予想は当たったためしがなく、適度な(良い)ストレスが幸福感を高める(ストレスのない楽な仕事は体にも悪い)、エニアグラムはタロット占いと同じ(RIASECの予測力はほぼ0、マイヤーズ・ブリッグス(MBTI)は一貫した結果が出ない、ただし、パーソナリティを攻撃型と防御型に分ける性格テスト「制御焦点」は有用)、仕事選びには直感が正しく働く条件(ルールが厳格に決まっている、何度も練習するチャンスがある、フィードバックがすぐに得られる)が当てはまらない、「インターンシップも前職の経験も適性判断には役立たない」(就職後のパフォーマンスを推測する指標として使えない)、自分の強みを活かすことで満足度が得られるのはその強みが希少価値を持つときだけ等々、興味深い指摘ばかり。

    一方、ステップ2では、「①自由:その仕事に裁量権はあるか?、②達成:前に進んでいる感覚は得られるか?、③焦点:自分のモチベーションタイプに合っているか?、④明確:なすべきことやビジョン、評価軸はハッキリしているか、⑤多様:作業の内容にバリエーションはあるか?、⑥仲間:組織内に助けてくれる友人はいるか?、⑦貢献:どれだけ世の中の役に立つか?」の7つを「仕事の幸福をキメル7つの徳目」として挙げている。何れにも納得。

    ステップ3では、①時間の乱れ(働く時間の混乱が原因で健康リスクが増大するパターン)、②職務の乱れ(仕事や報酬の内容に一貫性がないせいで体を崩すパターン)に警鐘を鳴らし、職場の「8大悪」として、①ワークライフバランスの崩壊、②雇用が不安定、③長時間労働、④シフトワーク、⑤仕事のコントロール権がない、⑥ソーシャルサポート関係ない、⑦組織内に不公平が多い、⑧長時間通勤、を挙げている。まあこれらはいたって常識的。

    ステップ4で、バイアスを取り除くための4つの技法、①10/10/10テスト、②プレモータム、③イリイスト転職ノート、④友人に頼る(知り合ってから1~3年の相手に相談するのが最も正確)が4つ紹介されている。

    ③イリイスト転職ノートが面白いと思った。自分の行動や思ったこと判断したことを、他人事として三人称で書き出す、というとてもシンプルなものだが、かなりの効果があるらしい。転職に限らず悩みを抱えた際にやってみるといいのではないだろうか。

    ④では、友人に相談するのは当たり前として、脳内の仮想の親友と会話する(トラブルが親友の身に起こったと想像してその感情を想像資、アドバイスする)だけでも効果があるらしい。

    ステップ5は、転職を具体的に考えている人以外にはあまり役に立たないな。

    という訳で、本書には有用な情報が満載されていた。いずれ転職/再就職を考える際には、今一度紐解いてみたいと思った。

  • 転職に関する本を数冊読んだが、一番当たりだったと思う。
    この本のの特徴は、科学的な根拠をもとに構築されていること。納得感がある。
    別の本やインフルエンサーは[業界で仕事を選べ]とよく言っていると思うが、本書は[仕事の幸福度を高める上では]それを否定する。代わりに、仕事の幸福度を高める7つの項目(「徳目」と本書では言っている)を紹介している。
    私の今の仕事は、この7つのうち5つを達成しており、満足度が高い状態で仕事できていると感じた。
    本書では様々なワークが紹介されているがまだやっていない。こちらにも取り組んでいき、転職時期を見極めて行きたい。

  • 仕事選びについて、よくある好きなことを仕事にするや給料のよさ、自分の強みを活かすなど、実は科学的に見て仕事の満足度につながらないことをあげ、
    では、どういった視点で仕事を評価すればいいのか、また、判断にあたって気をつけることを段階をふんで実践的に解説してくれている。

    特に判断にあたって、バイアスにどうしてもおちいってしまうことを、できるだけ回避するための方法は、転職だけでなく、いろいろと他にも使えるのでは、と思った。
    時間軸を伸ばして、この選択は10分/10ヶ月/10年たった時にどう思うだろうか、と考えたり、
    自分を三人称視点で記述してみるという方法は、簡単で使いやすそうだった。

    また、最後の方には、なんとなく今の仕事に不満はあるけれど、最悪でもなく、そこそこ悪くないという状況に対しても、ジョブクラフティングと言われる、仕事のやりがいをリノベーションするための方法が書かれてあったのが、至れり尽くせりという感じだった。
    仕事を続けるか、辞めるか。仕事に悩む様々な状況にいる人に対して、どこかしらは使える内容の本だと思った。

  • 【7つの大罪、7つの徳目、8つの悪】

    科学的な視点から、自分に合った「適職の選び方」を編み出す具体的な方法を解説した本。

    仕事選びにおける意思決定の精度を高め、正しいキャリアを選び取る確率を上げ、最終的に「人生の後悔」を極限まで減らすこと。また、自分の価値観やライフスタイルを組み込んだ、自分だけの「適職の選び方」を編み出すこと。これが本書の目指すゴールだとしている。


    「自分にとって最適な転職」のヒントを知りたいと思って本書を手に取りました。結果は大満足。実際に転職活動を進めながら本書を活用することで、転職の精度は上がると感じます。科学的な適職選びのツールも豊富なので、実践しながら試したいです。

    ・自分の適職を知りたい
    ・転職活動で失敗したくない

    こんな人におすすめの本です。


    〜以下、私なりの要約〜

    ①本書で言う「適職」の定義は、「幸福が最大化される仕事 」すなわち、毎日のタスクを通して生活の満足感が上がり、喜びを感じる場面が増え、悲しみや怒りなどのネガティブな感情を減らしてくれるような仕事のこと。

    ②私たちがキャリア選びに失敗する原因は、ものごとの一面にしか注目できなくなり、その他の可能性をまったく考えられない「視野狭窄」の状態になってしまうから。失敗の7割は「視野狭窄」により起こり、どんな優秀な人間にも起きる。

    ③人間の脳は職業選択に向いていない。職業を選ぶための「プログラム」が備わっていないのと、適職選びを間違った方向に導く「バグ」(バイアス)があるから。適職を選ぶには、この「バグ」を取り除く必要がある。

    ④適職探しでハマりがちな思い込み(7つの大罪)を外す。仕事人生を幸福に導く要素(7つの徳目)で視野狭窄を抜け出して仕事の可能性を広げる。人間を不幸に追いやる職場の条件(8つの悪)を学び、ネガティブな要素を排除する。これらを実践することで、意思決定の精度を上げて正しい仕事を選び、人生の幸福度を上げる。

  • 『科学的な適職』タイトルを読むと、一人ひとりにピッタリな職業を科学的に炙り出す本なのかと錯覚するが、そうではない。

    僕は転職を考えて読んだわけでも、自分の仕事に行き詰まりを感じて読んだわけでもなく、ただ人に薦められて読んだので「なんだ自分にあった仕事がみつかるわけじゃないのか」とは全く思わなかったが、いわゆる適職診断として読もうと思っている人は要注意だ。

    では、転職を考えている人、いまの仕事に悩んでいる人にとって、この本は無益なのか?
    いや、そんなことはない。
    「天職に出会う方法を探している人は、読んだ方がいい」

    この本であなたの性格や長所がわかり、あなたにあった適職を示してくれるわけではない。
    しかし、科学的にもっとも失敗の少ない適職探しの方法を知ることができる。

    “本書が目指すゴールは、みなさんの仕事選びにおける意思決定の精度を高め、正しいキャリアを選び取る確率を上げ、最終的に「人生の後悔」を限界まで減らすことです。”

    本書では、キャリア選びを失敗する要因として、仕事選びの際に犯しがちな7つのミスをあげる。
    ❶好きを仕事にする ❷給料の多さで選ぶ❸業界や職種で選ぶ ❹仕事の楽さで選ぶ ❺性格テストで選ぶ ❻直感で選ぶ ❼適性に合った仕事を求める

    仕事選びに際しむしろ常識と思われているこれらの項目は、ほぼすべて幻想であることを、多数の論文や研究データを元に“科学的に”証明する。

    では、いったいどうしたら正しいキャリアを選び取ることができるというのか。
    すべてを天に任せるとでもいうのだろうか。
    ⑥の直感で選ぶのがなぜ良くないのかについては、ボーリング・グリーン州立大学の調査をもとに、「ほとんどの人生においては、論理的に考える人の方が人生の満足度が高く日常のストレスも低い」ため、と結論づけている。

    このように①~⑦の幻想について、科学的な根拠をもって解説していくのが本書の特徴である。

    著者のいう「適職」とは、あなたの幸福が最大化される仕事。すなわち仕事をとおして生活の満足度があがり、喜びを感じる場面が増え、悲しみや怒りなどのネガティブな感情を減らしてくれる仕事のことを指す。

    この定義のよる適職を選択するには、先の7つのミスに気をつけつつ、次にあげる「仕事の幸福度を決める7つの徳目」を念頭にするとよい。
    ①自由②達成③焦点(自分のモチベーションに会ってるか)④明確(なすべきこと、評価軸)⑤多様(作業内容のバリエーション)⑥仲間⑦貢献
    なぜ7つの徳目が重要なのかについても、本書では科学的に証明してくれる。

    人間の脳には必ずバグ(バイアス)が存在する。そのバグに立ち向かうための手順を決めておくことで、意思決定の精度があがる。
    その手順は
    1,幻想から覚める
    2,未来を広げる
    3,悪を取り除く
    4,ゆがみに気づく
    5,やりがいを再構築する

    最後に、完璧な適職など幻想だという著者が勧める考え方を紹介する

    無計画のまま享楽的に生きるのではなく、かといって適職の幻を追い続けるのでもなく、目の前の選択肢についてしっかりと考えたら、あとは人生の流れに身を任せる。

    大まかな方向性を決めるタイミングだけは、自分でよく考えて決める。方向性が決まったらそれ以外のタイミングでは、ただ流れに身を任せて日々の仕事に集中する。
    すると、おのずと自分が幸福を感じられる仕事へと流れつくだろう。

  • まあまあ前に読んでて就活なうなので読み直した。

    適職ってタイトルではあるけど,幸福に関連する要因は仕事だろうが他の趣味などの場面だろうが大して変わんない。けど,大抵の人は仕事探し!となったら仕事に関する(限定される)要因で幸福を高める要因を探そうとし,実際は幸福に関係ないので失敗する。例えば,給料だったり,好きを仕事にだったり。

    幸福に関連するしない要因を知ってるからと言って,それに基づく選択ができるかと言われるとそうではない。バイアスもあるし,時期によっては同じ会社に違う評価もつけるし,価値観だって変わっていく。そんなときのために形式的に評価して残しておくのが重要。

    ってのが一番大切なポイント。

  • さまざまな論文や研究結果をもとに、筆者は「私たちの意思決定力は、生まれつき深刻なバグを抱えており、そのせいでいかに企業の財務諸表を分析しようが、どれだけ自己分析を行おうが、正しくキャリアを選ぶことはできない」としている。

    このバイアスを取り除き、自分の幸福が最大化される仕事はなにかを導き出す一冊。読みごたえがあって面白い。

  •  無計画のまま享楽的に生きるのではなく、かといって適職の幻を追い続けるのでもなく、目の前の選択肢についてしっかりと考えたら、あとは人生の流れに身を任せる。これがキャリア選択における「人事を尽くして天命を待つ」の正しい姿です。

  • 転職や、就職活動をしている際、
    それが人生を左右する大きな決断であるにもかかわらず、私も含め多くの人が自身の勘や、どこかで聞いたようなメリットによって決断をしているのではないでしょうか。

    この本には、その大きな決断の精度を上げる方法、自身の適職について思い至る方法、現在の仕事をより満足度の高いものにする方法等が、近年の研究をベースに書かれています。

    特に印象的だったのは、バイアスの取り方。これだけでも一読の価値はあるんじゃないでしょうか。

    また、「弱いつながり」が転職などに有利に働いたのは過去のことだという記載にも驚きました。。。
    論文を追いかけるのは私には難しいので、せいぜい論文を下敷きに書かれている本は定期的に読んでおかないと、古い研究結果を常識だととらえてしまっているケースが他にもありそうです。

  • 「適職」を「幸福が最大化される仕事」と定義して、5ステップで適職を探せるようなワークを用意している。「幻想から覚める」「未来を広げる」「悪を取り除く」「歪みに気づく」「やりがいを再構築する」という手順。転職を前提としなくても、「やりがいの再構築」はモチベーションの再定義に役に立つ。

    根拠となるデータにエビデンスがあり、それなりに正しそうな選択方法に見える。しかし、本書で言われているのは「会社選択の方法」であり、「職業」の選択方法ではないように読めた。

  • 多数の研究成果を簡潔に引用してくれており参考になった。ここでいう適職の“職”とは、具体的な職業や職種というよりは、よりメタな要素が重要という点は同意。仕事と幸福の関係の先行研究をまとめた構成だが、仕事観、企業の人材マネジメント、労働市場の変容などを踏まえた、いわゆるキャリア論の骨格を頭に置きながら批判的に読む必要を感じた。

  • 学んだこと
    ・直感で考える人は「自己正当化」に終わる
    ・仕事に情熱を持てるかどうかは、人生で注いだリソースの量に比例する

    NA
    ・休日時間を空けて、本書に書かれてあるジヨブクラフティングを実践してみる。(30分ほど時間取る)

  • 転職だけでなく、今の職場での働き方の改善にもつながる。
    分析方法が具体的に記載されて、頭の整理できてよかった。

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著者プロフィール

新進気鋭のサイエンスライター。1976年生まれ、慶應義塾大学SFC卒業後、出版社勤務を経て独立。10万本の科学論文の読破と600人を超える海外の学者や専門医へのインタビューを重ねながら、現在はヘルスケアや生産性向上をテーマとした書籍や雑誌の執筆を手がける。自身のブログ「パレオな男」で心理、健康、科学に関する最新の知見を紹介し続け、月間250万PVを達成。近年はヘルスケア企業などを中心に、科学的なエビデンスの見分け方などを伝える講演なども行っている。著書に『最高の体調』『科学的な適職』(クロスメディア・パブリッシング)、『ヤバい集中力』(SBクリエイティブ)他多数。

「2020年 『ヤバい集中力ノート』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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