群像 2020年 02 月号 [雑誌]

  • 講談社
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レビュー : 2
  • Amazon.co.jp ・雑誌
  • / ISBN・EAN: 4910032010204

感想・レビュー・書評

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  • 芥川賞候補作、岡本学著「アウア・エイジ(our age)」読了。謎解き要素もある物語。主人公の性格の良さと鍵となる物事の描き方が好き。一気読みした。読後感最高。

  • 岡本学「our age」

    面白い。文句なし。少なくとも、芥川賞候補としてどうかなどというのはこの際置いておけば、単純に、小説の面白さを体現しているのではないか。著者は十二分に「伝達」に成功していると思う。
    テーマは、次の世代に何を伝えるのかや、他者との偶発的な出会いとそれがもたらす意味など。テーマとそれの表現の仕方は、王道的というか、シンプルなだけ力強いと思う。芥川賞では、わりと、こういうダイレクトにテーマを表現する作品は低評価になる可能性がある。しかし、だから何だというのだ。
    主人公は孤独な中年男性で、学生時代、映画館のバイトで知り合った破天荒な女性にまつわる、ある写真に関して、謎解きのような物語が描かれる。このミステリ的要素が個人的にはとても良かった。「最高の任務」みたいである。
    全体的にそれほど明るい物語ではないが、それでも、表に出てこない無名の思い、埋もれた叫びが明らかになる、その過程は清々しくもある。
    難点を言えばやや予定調和的なのだろうか。主人公も孤独ではあるが、少なくとも経済的に困窮してはおらず高等遊民的であるし、全体にやや気取った都会的な舞台設定かもしれないが。ただ、この作品の面白さは否定できない。「雪子さんの足音」や「最高の任務」のように、自分の中で今後も読み返したい名作の1つに入ることは間違いない。

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