世界哲学史1 ──古代I 知恵から愛知へ (ちくま新書) [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • 古代ギリシアに発祥し、ローマに引き継がれ、あるいはイスラム圏で受容されたアリストテレスの思想がキリスト教と融合し発展してきたのがいわゆる西洋哲学だ。
    かなり乱暴な要約だけれど。

    本書はそんな哲学を西洋だけに限らず、南アジア、西アジア、東アジア、ロシアなどにおいて同時多発的に進行していた知の営みにまで目を向け、西洋哲学を相対化しようとする試み。

    全8巻。読み始めたからには読破しなければ。
    その1冊目にあたる本書は、古代。古代編の監修は納富信留氏が務めている。

    面白い論考もつまらない論考も粛々と読んでいる。面白い論考は自分の比較的よく知っている内容だから、読むのに負荷はかかるがあまり面白くない論考にもいちおう一通り目を通さなければ意味がない。

    本書は一語で要約すれば、「魂論」。古代ギリシア、メソポタミア、エジプト、インド、中国、ユダヤ教における魂について。

    あまりにいろんな地域を飛び回るので、なかなか整理がつかないのだが、面白かった論考は納富氏の「哲学の誕生をめぐって」、赤松明彦「古代インドにおける世界と魂」、栗原裕次「ソクラテスとギリシア文化」、金澤修「ギリシアとインドの出会いと交流」。あと、中島隆博「中国の諸子百家における世界と魂」も良かった。

  • 世界全体で見たときに、哲学もしくはそれと似た試みは、どのように行われてきたのだろうかということを、世界哲学史というキーワードで描き出そうという壮大な試みの第一巻です。全8巻で古代から現代までの、世界各地の哲学的試みを多数の共著者により紹介されることで、人類の営みを知ることができます。本巻では、古代のギリシャの哲学の創始者達、中国の諸子百家、インドのヴェーダ始め詩の世界からの考察と、大きく3か所に分けて紹介されています。そうすることで、哲学は西欧だけのものではなく、他の地域でも行われたことと、その似たところと違うところが分かるようになります。そしてそれらが単独で存在しているわけではなく、互いに影響を与え合っていたことも公然のことであることも含め知ることができます。自身と世界の関係を考えるということが、どのように始まり、それぞれどのように考えたのか、その個性的な違いも楽しみながら読むことができました。

  • まあ、論文集みたいだけど、いいんじゃないかと思う。世界と魂にかんするテーマがあって、それを軸にしているな。流れを重視するなら、もうちょっと簡潔でもいいと思う。ヘレニズム哲学のところがまあわかりやすかった。中国哲学も性論(=魂論)としていて斬新かも。ユダヤやインドの哲学も特徴がしっかり書いてあって面白いと思う。

  • ギリシャ哲学だけでなく、インド哲学とギリシャ哲学の考えの違いなど、歴史に基づいた説明が行われており、それぞれの説明はそれほど詳細ではないが、哲学の流れはわかりやすい。

  • 2020/5/13開始、『哲学と宗教全史』を読み終えて
    このシリーズに挑戦。序章から『どの思想であれ、世界の人々の間で哲学として論じられるには、普遍性と合理性が必要となる。他方で、その「普遍」と「合理」という概念こそ、ギリシャ哲学が生み出した遺産であるとの認識も必要である。世界哲学への挑戦は、私たちを改めて「哲学とは何か」の問に晒すことになる。納得。5月18日読了予定。

  • 西洋哲学に偏らない、全世界哲学をまとめようという意欲作。
    その一冊目だが、まだ"それぞれの哲学の紹介"が為されただけ。続編に期待。

  • 魂についての多様な在り方に興味を覚えた。
    2020.4.16
    東洋と西洋がバランスよく記述されていた。
    2021.1.20

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著者プロフィール

京都大学名誉教授

「2020年 『世界哲学史 全8巻+別巻セット』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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