裁判官も人である 良心と組織の狭間で [Kindle]

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  • 本書は、現職の裁判官だけでなく、元裁判官や事件関係者などへ約3年にわたり行った取材を元に執筆されたドキュメンタリーです。

    私も若い頃、法曹を志していたこともあり、司法界の闇について聞く機会も多くありましたが、これは本当にヤバイなという危機感を持たずにはいられない内容でした。

    裁判官にとって、最高裁判所を頂点とするヒエラルキーの中で自分の立ち位置をいかに守るかは非常に重要なことで、忖度しない裁判官は人事面で冷遇されたり、最悪、任官拒否されたりする。こうなると裁判官も人間、事なかれ主義となってしまう。

    さらに最高裁判所の人事権と予算は立法府と行政府に握られているため、本来三権分立となるべき司法が、国会と内閣の顔色を伺う動きになってしまう。

    本書では、これまであった冤罪事件、死刑制度や裁判員制度についてもさまざまな事例を交えながら、現在の司法制度の問題点を明確にあぶり出しています。

    憲法で保障されている人権を守るべき裁判所が、権力の側に立った判決を出す傾向があるのも、これらを読むとうなずけます。

    国民が司法人事に直接介入できるのは国政選挙のときの最高裁判所裁判官の国民審査だけで、後は常に裁かれる側。
    司法が本来の意味で独立して機能できるような、構造的な改革がない限り、現状を大きく変えることは難しいのでしょう。

    とても重たい事実を突きつけられた気がします。

  • 週刊現代2020年2月15日号 著者執筆記事

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著者プロフィール

1955年、和歌山県生まれ。ジャーナリスト。2004年、『年金大崩壊』『年金の悲劇』(ともに講談社)により講談社ノンフィクション賞を受賞。また、同年「文藝春秋」に掲載した「伏魔殿社会保険庁を解体せよ」によって文藝春秋読者賞を受賞した。他の著書に、『われ万死に値す ドキュメント竹下登』(新潮文庫)、『血族の王 松下幸之助とナショナルの世紀』(新潮社)、『新聞が面白くない理由』(講談社文庫)、『パナソニック人事抗争史』(講談社プラスアルファ文庫)などがある。

「2020年 『裁判官も人である 良心と組織の狭間で』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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