ルポ デジタルチャイナ体験記 (PHPビジネス新書) [Kindle]

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  • PHP研究所
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  • 【感想】
    "潜入レポ×中国旅行記"といった1冊。
    とてもフランクな書き口ではありましたが、かなり臨場感が感じられる1冊でした!
    「新しいテクノロジーを積極的に使い、トライアンドエラーではあるが、今よりもより良い社会を作っていく」という中国のスピリット。
    そのチャレンジ精神の高さや、テクノロジーの高さに、読み終わって自身の中国に対する見方が良い意味で変わりました。
    いや、中国ってすげえわ。

    日本みたいに小うるさい消費者の声や、わざわざそれを気にしてしまって企業が二の足を踏んでしまうという文化でそもそとなく、「“7割の完成度”でどんどん市場に実戦投入し、トライアンドエラーを繰り返す」という風土があるため、中国はかなりのスピードで発展しているのだな~と読んでいて感心した。
    正直なところ、どっちがイイと一概に言う事は出来ないが、"Zero to One"を生み出すには中国スタイルの方が良いのだろうなぁ。
    (ただ、日本は新しいものにイチからチャレンジするのではなく、他国で上手くいっている技術を取り入れ模倣する"二番煎じスタイル"の方が性にあっている気がする。)

    あと個人的には、ホテルのAIスピーカーのエピソードがツボでした(笑)
    ・チェックアウトの時間などの回答は勿論、あらゆるアクセサリ(ドライヤー等)の場所すらも的確に回答できる程インプットされている。
    ・グレーな質問として「釣魚島はどこの国にありますか?」と聞くと、これまでは明るいアニメ声の女の子のような声だったTモールジニーの声質が突如変化し、野太い声で力強く、「釣魚島は古来より中国の領土です!」と回答。
    ・「世界で1番強い国は?」と聞くと、「中国は世界一人口が多い国です」と断言、心なしか語気も強め。ただし、同じ質問をもう一度すると、「それはもちろんアメリカですよ」とも答え、迷いがあるようだった。

    すぐすぐ真似して取り入れる事は難しいとはいえ、こういった考え方もあるんだという事を痛感させられた1冊。
    とても面白かったです。


    【内容まとめ】
    0.中国では新サービスが次々と誕生している。
    なかには荒削りなものもあるが、完璧を目指さず“7割の完成度”でどんどん市場に実戦投入し、トライアンドエラーを繰り返すのが中国流である。

    1.もはや“残念な国”ではない。
    ファーウェイやシャオミのスマートフォンに粗悪品のイメージはなく、ものによっては性能面でもiPhoneに匹敵。
    スマホ決済や顔認証などのIT利用は日本よりもずっと進んでおり、次世代通信5G技術の分野ではアメリカと天下を争っている。
    “デジタル技術の活用”という部分に限って言えば、中国はすでに日本の数歩先を進んでいるのだ。

    2.ニューリテール
    ネット販売とリアル店舗の良い面を組み合わせた新時代の販売手法。
    AIやビッグデータを駆使してネット販売とリアル店舗を組み合わせるビジネス。
    リアル店舗とネット販売の垣根は今後一層低くなり、現在のようなオンラインビジネスは10~20年のうちに消滅するという。

    3.全国民キャッシュレスがもたらす最大の利点
    キャッシュレスの利点は、「財布を持ち歩かなくて済む」「レジが混雑しない」「小銭を払いやすい」「飲み会で割り勘しやすい」など、表面的なことに留まらない。
    キャッシュレス決済が普及すれば、時間や空間に縛られることなくモノやお金のやり取りができ、社会の仕組みを根本的に変える可能性がある。
    そして、新しい商品やサービスが生まれる。これこそ最大の利点だ。

    「国民全員がスマートフォンを持っていて、いつでもどこでもキャッシュレス決済ができる」
    中国ではこの大前提の元、新しい技術やサービスが作られている。
    「スマホを持っていない人のために現金決済を残しておこう」という考えにはならない。古いものは淘汰されるべきという思想が社会に満ちている。

    4.社会信用スコア
    中国では、国を挙げて「社会信用スコア」なるものの構築を進めている。
    各人の預貯金や社会的地位、交友関係などをもとに、その人の“信用度”を数値で表現したものだ。
    数値が高ければ、デポジット不要でホテルに泊まったり、各種サービスを利用したりと、生活上のメリットが得られるから侮れない。

    5.全体を通して感じたのは、中国人の新しいものへの“受容力の高さ”だ。
    現在進行形で社会が大きく変化しているため、新しいサービスへの抵抗感が薄いのである。
    完成度が低くても炎上するケースはまずない。
    あくまで自己責任に委ねられており、良く言えば“自己裁量の幅が広い社会”といえる。




    【引用】
    p3
    ・もはや“残念な国”ではない。
    ファーウェイやシャオミのスマートフォンに粗悪品のイメージはなく、ものによっては性能面でもiPhoneに匹敵。
    スマホ決済や顔認証などのIT利用は日本よりもずっと進んでおり、次世代通信5G技術の分野ではアメリカと天下を争っている。
    “デジタル技術の活用”という部分に限って言えば、中国はすでに日本の数歩先を進んでいるのだ。


    p12
    近年はひと段落しているが、中国は急激な経済成長とともに、2008年頃から不動産価格も高騰。
    マンションやショッピングモールが次々と建設され、土地成金が大量発生した。
    道路や鉄道の整備も進み、日本列島改造ならぬ“中国大陸改造”が行われているのである。


    p29
    ・AIスピーカー「Tモールジニー」との会話
    「チェックアウトは何時?」「正午12時です」
    このぐらいは当然答えられるとして、
    「ドライヤーはどこにあるの?」「洗面所の引き出しの中にあります」
    とまで答えられたのは驚いた。
    事前にかなりのデータがインプットされているようで、実に合理的だ。

    あえて答えにくそうな質問もしてみた。
    「釣魚島はどこの国にありますか?」
    すると、これまでは明るいアニメ声の女の子のような声だったTモールジニーの声質が突如変化し、野太い声で力強く、
    「釣魚島は古来より中国の領土です!」
    と言い切った。なんか怖い。

    続けて、「世界で1番強い国は?」と聞くと、
    「中国は世界一人口が多い国です」
    と断言。心なしか語気も強めだ。
    ただし、同じ質問をもう一度すると、
    「それはもちろんアメリカですよ」
    とも答えたので、迷いがあるようだった。


    p38
    ・ニューリテール
    ネット販売とリアル店舗の良い面を組み合わせた新時代の販売手法。
    AIやビッグデータを駆使してネット販売とリアル店舗を組み合わせるビジネス。
    リアル店舗とネット販売の垣根は今後一層低くなり、現在のようなオンラインビジネスは10~20年のうちに消滅するという。


    p90
    ・全国民キャッシュレスがもたらす最大の利点
    「国民全員がスマートフォンを持っていて、いつでもどこでもキャッシュレス決済ができる」
    中国ではこの大前提の元、新しい技術やサービスが作られている。
    「スマホを持っていない人のために現金決済を残しておこう」という考えにはならない。古いものは淘汰されるべきという思想が社会に満ちている。

    キャッシュレスの利点は、「財布を持ち歩かなくて済む」「レジが混雑しない」「小銭を払いやすい」「飲み会で割り勘しやすい」など、表面的なことに留まらない。

    キャッシュレス決済が普及すれば、時間や空間に縛られることなくモノやお金のやり取りができ、社会の仕組みを根本的に変える可能性がある。
    そして、新しい商品やサービスが生まれる。
    これこそ最大の利点だ。
    中国社会に少しでも身を置くと、そのことを否応なしに痛感させられる。


    p91
    中国では新サービスが次々と誕生している。
    なかには荒削りなものもあるが、完璧を目指さず“7割の完成度”でどんどん市場に実戦投入し、トライアンドエラーを繰り返すのが中国流である。


    p100
    中国では、国を挙げて「社会信用スコア」なるものの構築を進めている。
    各人の預貯金や社会的地位、交友関係などをもとに、その人の“信用度”を数値で表現したものだ。
    数値が高ければ、デポジット不要でホテルに泊まったり、各種サービスを利用したりと、生活上のメリットが得られるから侮れない。


    p114
    ・「ノーショウ」を防ぐ画期的なシステム
    無料で予約を受け付けると、とりあえず番号だけ取って予約した人がキャンセルの連絡もないまま現れない「ノーショウ(無断キャンセル)」となりがちだが、予約時に2元でもお金の支払いがあれば充分抑止力になる。
    日本人的な道徳観念に基けば、「店に行かなくなったら連絡する」「予約した以上、変更は避ける」と考えるのが普通だ。
    だが、こうした“性善説”やモラルに基づいた制度というのは、結局モラルのない人が得をする。


    p115
    ・オンライン医療アプリ「微医(ウェイイー)」
    医師ごとにスケジュールの空き状況が一目で把握でき、スマホ上で予約が取れる。
    予約には50元(800円)かかるが、無断キャンセル防止のデポジットとしては当然だ。
    番号が呼ばれるまでモニター画面の前に居続ける必要がないので、“待つのが面倒くさい”という理由プラス、院内感染の防止にも役立つ。

    また、ネットを介して医師との「オンライン診療」も行なっている。


    p119
    日本では2018年3月にオンライン診療についてのガイドラインを策定したが、「初診は原則として直接の対面による診療を行うこと」など遵守すべき項目を提示した。
    誤診や見落としなどミスや、薬の転売防止のためである。
    だが、気軽にオンライン診療を受けられるのは決して悪いことではないのではないか?


    p127
    全体を通して感じたのは、中国人の新しいものへの“受容力の高さ”だ。
    現在進行形で社会が大きく変化しているため、新しいサービスへの抵抗感が薄いのである。
    完成度が低くても炎上するケースはまずない。
    あくまで自己責任に委ねられており、良く言えば“自己裁量の幅が広い社会”といえる。


    p176
    どこでも自転車に乗れるシェアサイクルは、車両がボロボロ。
    自家用車タクシーのライドシェアは、白タクまがいのドライバーが違法運転。
    何でも運んでくれるフードデリバリーは、免許不要の電動バイクが分刻みで街を疾走。

    デジタルチャイナの姿は、ぱっと見は先進的でありながら、よく見ると大陸的な荒っぽさ、さらにいうなら“野蛮さ”を伴っている。


    p178
    ・物乞いまで「QRコード」を活用
    「物乞いがスマホを持つなんておかしい!贅沢だ!」と考えるのは、日本人の感覚が古いせいかもしれない。
    中国では社会の最底辺にまでキャッシュレス決済が普及し、物乞いですら“スマホがないと生きていけない社会”なのである。

  • 笑っちゃうほどお粗末なものがある一方

    どんどん いいものになるものがある

    やってみて初めて分かる問題点



    そういう勢いのある感じが

    とても面白かったです

    正直 うらやましぃなぁ と思っちゃった

    日本は失敗を恐れすぎて

    臆病になってません

    こういう攻めのアイディアに好感持てます

  • この本が執筆されたのが2020年と今から4年前の話であるが、当時の中国のITの活用状況は、日本もそれに追いついている感じだが、マインドが違っており日本は勝てないなと思った。
    というのも、古いものは淘汰されるべきという考えが国民全体に浸透していること、7割の完成度で実践投入し使いながら直していくといったことは、日本では少数のクレーマー達のためなかなかできないが、こういう害悪なことを吐く奴らを黙らせない限り中国には勝てないなと思った。
    あと、無人コンビニが廃れたという話も面白く、
    入店の際いちいちスマホをあけないといけないからという理由も納得がいった。

  • ルポ デジタルチャイナ体験記

    著者:西谷 格(にしたに・ただす)
    発行:2020年3月11日
    PHPビジネス新書


    徹底したキャッシュレス化が進む中国では物乞いがキャッシュレスだというニュースに半信半疑だった著者が、上海のフードコートで食事をしていると、目前に老婆と女児が現れ、「病気を治療したいのです。助けてください。ありがとうございます」と書かれたA4用紙を示してきた。そして、横にはQRコードが貼られていた。物乞いですらスマホを持たないと生きていけない社会、そこまでキャッシュレス化、デジタル化が進んでいるのが中国らしい。

    出版社からの依頼を受けたノンフィックションライターの著者(1981年生まれ)が、中国でのデジタル社会ぶりを取材する旅に出た。ホテル、飲食店、流通、娯楽、交通など、いろいろな体験を通じてその様子を紹介している。

    中国でのキャッシュレス化は、クレジットカード、フェリカ、電子マネー、スマホ決済、しかもスマホ決済会社(○○ペイ)が乱立する日本と違い、9割がウィーチャットペイとアリペイの2社で占められているという。しかも、さまざまなサービスを利用する場合、日本だと個別にアプリをダウンロードしなければならず、これが普及の進まない理由の一つであるのに対し、中国ではこの2社のアプリの中にそうしたアプリが入れ込んであるため、いちいちダウンロードする必要がないという。

    ただし、やってはみたけど企画倒れだったデジタル、逆に不便だったデジタル、まだまだ進化中で使い勝手が悪いデジタルなどもあって、せっかく設備投資しても使われていないものも結構あり、そんな話も読んでいて面白かった。

    なお、中国は偽札が多いからキャッスレス化が進んだというのは嘘らしい。いかにも中国らしいと信じている日本人は多いと思うが、そんなデマに踊らされていると中国に益々おいて行かれることを我々は自覚しておきたい。

    ***(メモ)***

    ・チェックインからすべて無人で対応するホテル。部屋の鍵はなくて顔認証。館内利用もすべて顔認証で支払いにも紐付けされる。部屋からのオーダー等はAIスピーカー。ただし、バーにあるロボットアームがつくるカクテルは、最後にミントを潰すなどの細かな作業ができないために人がしていて、結局、意味がなかった。

    ・無人ホテルのケーキショップでは、ハンドバックの形の砂糖菓子があり、プラダやシャネルのロゴが堂々と使われていた。このあたりは旧来の中国センスが濃厚。

    ・AIスピーカーに「ドライヤーはどこにある?」「チェックアウトは何時?」など次々に質問すると、細かなことまで答えて驚かされた。試しに、釣魚島(尖閣諸島の中国側の言い方)はどこの国にありますか?」と聞くと、それまでの明るいアニメ声の女子から、野太く力強い声に変わり、「釣魚島は古来より中国の領土です!」と答えた。

    ・無人書店の入り口で、顔認証に何度も失敗。スタッフに手伝ってもらってやっと入れた。友人店舗より手間がかかった。現地の人は、顔認証ゲートは面倒なので通らない。

    ・アリババが経営する「かばさんスーパー」。ネットとリアルが融合するニューリテイルの典型。専用アプリで注文すると30分以内に届けてくれる。リアル店舗でも買えてそれも届けてくれる。商品の鮮度も非常にいい。

    ・かばさんスーパー内に「スターバックス・セルフステーション」があり、スーパーの専用アプリからドリンクを注文すると15分以内にロッカーに届けてくれて、スマホに表示されたQRコードをかざすとロッカーが開く。カウンター前で待たなくていいので便利。

    ・上海の住宅街路上に置かれた冷蔵ロッカー。生鮮品を前日24時までにスマホで注文しておくと、翌日の夕方までにそこに商品を入れておいてくれる。勤め帰りに生鮮品を受け取って帰れる。

    ・人口に対して医師の数が少ない中国では、徹夜で家族が番号待ちをしていることも。そこで登場、自分に都合のいい医療機関を選び、それを予約できるアプリがある。予約に800円ほどのデポジットをかけているのがミソ。無断キャンセルの場合は没収される。

    ・杭州から上海へ向かう新幹線の車内は、食事や飲料の車内販売もすべてアプリで注文。個別に席まで配達してくれる。ただし、待ち時間は30分、混雑時は45分と書かれている。著者の場合は15分ほどで来たとのこと。

    ・3メートル四方ほどのボックス。15分144円で利用できるスペース。中にソファーやテレビなどがあり、昼寝や休憩ができる。ただし、わいせつな行為はできないし、監視カメラもある。窓はマジックミラーになっているので外からは見えないが、内からは街を行く人たちが丸見えだし、窓から覗こうとしている人たちもいるため、ブラインドを下ろさずにはいられない。

    ・同じく小さなボックス。中にはランニングマシーンがあって、いわば無人ジムの最小規模版といったところ。

    ・シェアサイクルは、日本のようにいちいちIDとパスワードを入れる手間がなく、ワンクリックで解錠できて使い勝手がよい

    ・タクシーには脅威となっているライドシェア「滴滴」は、車両を336万円で時前購入、売上げから燃料代と滴滴への手数料を差し引いた残りが自分の儲け。手数料は20%

    ・ライドシェアをするにはタクシーの営業許可が必要。しかし、許可なしで営業しているドライバーは多い。捕まると罰金16万円だが、全額、滴滴が負担してくれる。2度目の罰金は32万円だが、それも8割を負担してくれるという。日本とはコンプライアンスの本質が違う

    ・中国人はお金を道具としか考えていない。日本人のように神聖視していない。だから、投資にもどんどん走る

  • 多少の失敗は大目に見る世の中はイノベーションが起こりやすい
    日本との違いが分かりやすく理解できる本だった


  • キャッスレス決済、無人店舗やシェアサイクル。今の日本で注目されているこれらの領域で先行しているのは中国。でもその実際はどうなのか、現場で体験したルポは面白い。技術の進展や移り変わりは激しいから、定期的にやって欲しい。

  • ホテル、レストラン、コンビニ、スーパー、書店、タクシー、レンタルサイクル…さまざまなIT技術を使った先進的なサービスを6割くらいの完成度でも荒々しく投入してきて、トライアンドエラー。改善しつつ、見込みがなければさっさと撤退。イノベーションはたくさん起こるが、足元を見れば、使い勝手が悪くて使われなくなったり、故障したまま結局人手で対応していたりというケースも散見。全面的な称賛には早いかも、けどものすごく活気は感じるといったところか。/リアルとネットを融合した「ニューリテール」。店舗で実物をみて、ネットで注文。香水とヘッドホンが充実。どちらも試してみないと良し悪しがわからない商品/性悪説に立った制度設計で、レンタル傘やレンタルサイクルを運営/

  • 今の中国の実際を体験しながら書かれた本。
    良くも悪くも中国という国の巨大なエネルギーが伝わってくる。ネット、デジタルを全てのシーンで使って国の発展をやり遂げてゆく姿がよく分かる。
    この本を読んでいると常に日本がそうなっていない、追いかけていない、競争しようとしてないことを思い起こされてしまう。
    国と国の競争においては多面的に見なければ判斷を間違えるのだけど、日本の危機感の希薄さを痛感する。
    まだまだ、中国は遅れた国とみなしそういうシーンばかりが強調されて報道されている。しかし、少し冷静に考えると遥かに日本を追い越していった部分が如何に多いかを思い知らされる。そして、それらの部分にもう追いつけそうにもないとも。
    中国は、スマホの国、その根底にはインタネットがある。日本はまだまだ竹槍で「がんばっている」部分が多い。隣の競争相手の姿を見ようとしない。
    この本は、そんなことを強く印象づけてくれる内容。

  • 以前、同じ筆者の『ルポ 中国「潜入バイト」日記』を読み、こちらの本にも興味を持った。

    やはりこの方の行動力と、変に堅苦しくないので現地を想像しやすい文章はおもしろい。

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著者プロフィール

1981年、神奈川県生まれ。早稲田大学卒業後、地方新聞の記者を経てフリーライターになる。2009年から上海に渡り、現在は日本で発行されているニュース週刊誌を中心に活動中。日本社会をゆるくする「日本ゆるやか党」代表。

「2013年 『上海 裏の歩き方』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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