「自分だけの答え」が見つかる 13歳からのアート思考 [Kindle]

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  • ダイヤモンド社
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感想・レビュー・書評

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  • "アートというものは存在しない、そこにはアーティストがいるだけだ。"

  • 『13歳からのアート思考』オーディオブック化記念 光浦靖子さんを迎え、「アート思考」が身につく体験型イベントを2月21日(日)オンライン開催!:時事ドットコム
    https://www.jiji.com/sp/article?k=000000127.000034798&g=prt

  • 昨夏に新聞の著者インタビューを読んでリクエストした本が、ようやく図書館からやってきた。

    読みながら、小学5年生の頃の美術の先生を思い出した。

    文化祭で飾る木製のラケットに、好きなイラストを描く課題だった。

    「それが君に描きたいことなのかな。本当に書きたいことを描いて良いんだよ」

    考え直したアイディアは、「社長と社員のラケット」

    ラケット部分は太った社長があぐらをかいてえばっている。軸の部分で社員が汗をかきながらそれを支えているのだ。

    先生は大爆笑して大絶賛。
    ほんの少しだけ手直しをしてくれた。

    魔法にかかったように、作品に魂が入ったようになった。

    大評判となり、校内放送で下級生の女の子が「一番印象に残った作品でした」とまで言ってくれた。

    そのタッチは本書に登場する「緑のすじのあるマティス夫人の肖像」に似ていた。

    マティスの絵と、著者の情熱的でありながらわかりやすい記述に、40年前のエピソードが鮮やかに蘇った。


    本書では簡単なワークと、6つの大きなテーマで構成される。

    私もレシートの裏紙などでやってみたが、本当に楽しかった。

    インプットとアウトプットにより、6つのテーマがより親しみやすく感じられた。

    カメラの開発により死にかけたはずのアート。そのアートにしかできないことの答えを探したアンリ・マティス。

    「多視点でとらえたものを再構成する」という「自分なりの答え」にたどり着いたパブロ・ピカソ(アピニヨンの娘たち)。

    「具象物を描かない絵」を生み出したことによって、美術の世界における「作品とのやりとり」への可能性を推し進めたワシリー・カンディンスキー(コンポジションVII)。

    アートを「視覚」の領域から「思考」の領域へと、完全に移行させたマルセル・デュシャン(泉)。

    アートを「なんらかのイメージを映し出すためのもの」という役割から解放したジャクソン・ボロック(ナンバー1A)。

    「『これがアートだ』などといえる『確固たる枠組み』は、じつはどこにも存在しないのではないか?」という問いかけを投げかけたアンディー・ウォーホル(ブリロ・ボックス)。


    「読者のみなさんになにを残したかったのかといえば、それはアート思考の『体験』です」

    「振り返ってみると、これまでやってきたとこ、出会った人は、すべてつながっていることに気がつかされます」(「おわりに」より)

    素晴らしい体験は、先行きの見えない未来を切り開く力になる。

    人生100年の時代。
    お楽しみは、これからだ。

  • 自分はこの「アート思考」をあまり持ち合わせていなかったと思う。アート思考を構成する3要素として「表現の花」、「興味のタネ」、「探求の根」があるとのことだが、自分自身興味の幅は広いと思う。読書や勉強や旅行やアクティビティ体験など様々なことを日々行うが、そのうち何か一つをとことん突き詰め探求というところには関心があまりない。それ自体は悪いことに思っていないが、何か面白いと思うことがあればもう少し踏み込んで探求する時間を取ってみるのも良いかもしれない。 

    アートの鑑賞の時間を取ってみよう。その時は「作品とのやり取り」と「背景とのやり取り」を行う。前者を行う際には ①どこからそう思う?ー主観的に感じた「意見」の根拠となる「事実」を問う②そこからどう思うー作品内の「事実」から主観的に感じた「意見」を問う でアウトプット鑑賞法を行おう。

    ちなみに読む中で自分の中で言語化出来てきた自分にとってのアートの定義は「特定の対象への関心を探究し、その過程で心に生まれた何かを、鑑賞者にも追体験させようとするための創作行為」と言えそう。
    #「心に生まれた何か」は大きく「感情」か「問」かに分けられる。問については現代ではもうアートの枠組みが破壊されすぎて、新たな問を生み出すことはほぼ困難であり、感情の部分を追体験させる役割しか困難である。心の動きはプラスでもマイナスの感情でもあり得る。美しさだけはない。

    最後に、以下は読む中で出てきた疑問。幸運にも小学校の同級生に東京芸大の油絵学科卒の子がいるので、卒業式ぶりに声をかけて、話を聞いてみようと思う。
    ・アート作品なんて必要?自分なりのものの見方で対象を観察することがアート思考であるなら、雲をクジラに見立てて妄想するので良くない?
    ・なぜアーティストは作品を創作するの?表現せずにはいられない、好奇心が心臓のマグロなのか。もしそうだとしたら探求をすることと表現をすることは分離できる人もいるのか?その人はアーティストと呼べると思うか?
    ・どこまでがアート?創作物が詩や絵や音楽なら分かりやすいが、例えばアウトプットが国作りだったら?数式だったら?
    ・アートという営みにおいて、最終的に創作物として表現することは必要?どの程度重要?
    ・鑑賞者を意識して描かれたものはアートと呼べる?

  • 時間がなくて飛ばし読み。
    中高の美術って、並べられたり恥ずかしくて、あんまり良いイメージが無かったけど、このアート思考っていうのは、とても興味深い。
    勿体無いので再読予定。2022.1.11

  • 教養として美術の歴史を押さえるのではなく、アートを「見ること」に始まり、「自分だけの答え」を出すための道を示してくれる。
    本の帯にあるとおり、『「考える」のまえに「観る」がある。「観る」がなければ「考える」もない』のである。

  • 私は作品の筆跡を見るのが好きなので、それが肯定されて嬉しかった。

    ①そこからどう思う?どこからそう思う?
    ②主観的な解釈を作る
    ③物質・行動の軌跡として見る
    ④視覚以外でとらえる

    この4つで、アートはもっと楽しめるという話。
    アートを楽しむときはこの4つを思い出しながら自由に楽しみたいと思う。

  • 美術教師である著者が、中高生向けに行った「アート思考」の6回分の講義を書籍にまとめたもの。流行りの「教養」としてアートの知識を講義するのではない。アートについて、もっと本質的な、それでいて目から鱗な感覚を味わうことが出来る。僕は「美術」の成績が悪く、大っ嫌いな人間だけど、これは美術とはかけ離れている。書籍はやや大人向けよりに編集されている感じがするけれど、同じく学校の「アート」には苦手意識のある息子に読ませてみようかな。

  • 「直感と論理を繋ぐ思考法」を読んだことがきっかけで美術館に行きましたが、鑑賞方法を変えたらもっと楽しめるようになるのでは?と思い本書を読み始めました。本にあるワークを実践していく中で、自分の物の捉え方を少し知る事ができたことが、とても心地よい体験でした。普段の生活で、目の前の出来事から自分が何を感じ、どのような意見を持っているかについて、見過ごし続けていているのだと思います。自分の中で行き止まりのようなものを感じているとき、切り抜けるヒントがみつかると思いました。

  • ■ひとことで言うと?
    アート思考=独自視点で新たな問いを生み出す思考

    ■キーワード
    - アート:表現(花)+興味(種)+探究(根)
    - アート思考=自分なりのものの見方で興味(根)・探究(種)を育み、新たな「問い」を生み出す思考
    - アート=新たな価値(問い)を生み出すもの
    - アーティスト=価値(問い)を生み出す人
    - アート思考を育む
    - 自分の 興味=愛するもの を見つけ、探究し続ける
    - アート作品の鑑賞は「自分なりのものの見方」を育むための手段

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