シン・ニホン AI×データ時代における日本の再生と人材育成 (NewsPicksパブリッシング) [Kindle]

  • ニューズピックス (2020年2月18日発売)
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本 ・電子書籍 (572ページ)

感想・レビュー・書評

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  • ファクトフルネスで読んでほっとしたが。この本を読んでみるとまさかの逆に悪くなって言ってることがわかりおどろきました!

  • 学ぶことが多すぎた1冊。学生である自分の何段階も上の視座にいるとこれほどまでのスケールで話が出来るのかと恐ろしさを感じるほどであった。
    日本が直面している危機をファクト(データ)ベースで説明してあり、その解決策までも提示してあった。自分の狭い視野と思考力じゃ到底考えつかない様なことばかりだが、どれもファクトを知った上では納得感のあるものだった。
    大きく2つのことを心に刻んだ。
    1つ目は自分自身が異人となり、リーダー層として日本を盛り上げられる様な人材になるということだ。自分の心を開き、正しいと感じたもの、面白いと感じたものに素直になり未来を切り開いていきたいと思う。
    2つ目は、日本のことをもっと知ろうということだ。自分はあまりにも生まれ故郷のことを知らなすぎ、その中の良し悪しに全然気づいていない。この本をきっかけに、歴史や環境、経済など様々な視点から母国について学んでいきたい。
    いづれ自分も安宅さんのような視点で国のような大規模な対象を捉えて課題解決に結びつけることができる人物になりたい。

  • 以前読んだ「イシューから始めよ」の本を通じて私は知的生産の革命に大きな感銘を受けました。その著者の次なる著作が本書「シン・ニホン AI×データ時代における日本の再生と人材育成」です。
    昨今の日本では、「AIに仕事が奪われる」「AIが人間を超える」などの危機感が蔓延していますね。本書はこういった言説に対して、「これからの日本はどうすればいいのか?」「私たちにはどんな教育が必要なのか?」といった提言が書かれています。「作者はきっとこの国のことを本当に良くしていきたいと思って書いたんだなぁ・・・」ということがしみじみ伝わってくる内容でした。

    そんな本書ですが、筆者は最初に「今の日本はまったくもってオワコン」と言います。しかし、このオワコンともいえる状況をもって、ここから勝てる!オワコンだからこそ日本は勝てるのだ!とするのが本書の主張です。確かに、今の日本には未来に希望を持っている18歳が1割以下しかいないといった、悲観的な調査結果もあります。しかし筆者は、これから確実に到来する変化の波を「黒船」にたとえ、かつて黒船襲来によって日本が鎖国から解き放たれたように、変化を日本新生の契機に掲げていました。

    本書は400ページを超える分量で、そのボリューム故に複数の切り口で論じられています。「データ×AI利活用の基本ループ」「国富を生む方程式の変容」、「産業革命の3段階」「価値創出の型と生み出す価値」「現代リベラルアーツ」・・・などなどたくさんあり過ぎて書ききれないので、詳細はぜひ読んで確かめて欲しいです。さて、未来を創るための切り口として、本書は「出口産業」と「妄想力」を掲げています。正直言うと私自身も、本書を読むまではコロナ禍での今後の日本の社会や産業にこの先に打つ手を見いだせずにいました。しかし、読後の今は、飽くなき妄想の力に希望すら思うようになりました。また、出口産業についても、これからの日本は、GAFAのような既に君臨する巨大プラットフォーマーを目指すのではなく、データ×AIを実際の産業、利用分野へ活用する道を模索していくべきだという主張で、ここにも強く頷くことになりました。
    総じていうと、本書は「未来を創る」ための提言集だと言えます。目下、2020卒~2021年卒の就活生はとても苦労していると思いますが、これだけでも希望が持てる内容なので、特に就活・転職をしている人は希望の一冊になると思います。

  • 先輩研究者のススメで読んだ。
    youtubeとかで要約を聞いて読んだ気になっていた。実際読んでみたら、その情報量と熱量に驚いた。
    やはり原著は良かった!!特に、「若手に投資しよう」という考えに旨を打たれた。
    確かに現在の日本では博士進学が茨の道に空の道になっているのは本当に心からよくわかる。
    しかもそれがリソース配分の問題でどうにかなるかもしれないと言うのも大変興味深かった。それを含めて若者に投資するような日本にもっと変わっていくやっていくべきだと強く感じた。
    また風の谷構想も大変興味深かった。
    確かに今後日本は地方の中で生きていく道を探らなければいけない気がする。都市化の流れから逆行するのは、なかなか大変な気がするが、のびのびと地方で生きるという選択肢もありそうと思う。

    情報量が多かったので、また読んでみたら違った感想が出てきそうな気がする。
    おすすめしたい素敵な本だった。

  • 読書家の知人に紹介されて本屋でそのタイトルとオレンジの色合いを見て購入し、奮闘しながら読了。 430ページ以上という内容以上に重厚だった。 じっくり読んでたらなかなか前に進まなくて途中で挫折してしまったかもしれない。 著者がはじめにで以下の記載があり相当の覚悟をもってでも読んで力になる本だと思う。
    ―――――――
    それなりに広範な領域で生きてきた自分でも、専門とは言い難いことにもかなり首を突っ込んで書いた。これだけの広がりをつなぎ合わせないと見えない大切な話がずいぶんとあるからだ。それを一緒に感じ、考えてもらえるのであれば、と思って自分の限界までストレッチしてこの本を書き下ろした。
    ―――――――

    AI×データ時代、という中、自分もなんとかいろいろと勉強しながら進めているが、日本の立場・日本の未来を見据え、かなりな広範囲な情報とその裏付けとなるデータ、若者への期待を込めての未来への提言、風の谷構想など、実に興味深い内容であった。 10年後に読み返したら、あぁ、なるほどなんとなくこの方向に近づいているのかな、と思う日が来るのかもしれない。
    『シン・ニホン』 謝辞にそのタイトルの由来の記載があるが、日本人として、この本は読んでおいてよかったと思う。(ただしやはり思うが、なまはんかな気持ちでこの本を読もうと思わないほうがいい。圧倒的な熱量に飲み込まれる)

    NewsPicksパブリッシングということもあり、『読み終わってからが、始まり。』というオンライン読書会の案内が挟まれているのもぐっときた。 
    本書とは(直接は)関係ないが最終頁のNewsPicksパブリッシング案内から抜粋しておこう
    ===========
    こんな時代に立ち上がる出版社として、私たちがすべきこと。
    それは「既存のシステムの中で勝ち抜くノウハウ」を発信することではありません。
    錆びついたシステムは手放して、新たなシステムを試行する。
    限られた椅子を奪い合うのではなく、新たな椅子を作り出す。
    そんな姿勢で現実に立ち向かう人たちの言葉を私たちは「希望」と呼び、
    その発信源となることをここに宣言します。

    もっともらしい分析も、他人事のような評論も、もう聞き飽きました。
    この困難な時代に、したたかに希望を実現していくことこそ、最高の娯楽(エンタメ)です。
    私たちはそう考える著者や読者のハブとなり、時代にうねりを生み出していきます。

    希望の灯を掲げましょう。
    一冊の本がその種火となったなら、これほど嬉しいことはありません。
    ===========

  • TEDxTokyoを観たのだが、改めてじっくり考えようと購入う。動画を観ていたので、大体のアウトラインは理解しているため、読むときにもシッカリと頭に入ってきた。これから購入する人も、まずTEDを観てからだとよいのでは。

  • ・今成長している市場とは、データやAI、デザインが有効活用されている市場。こうしたビジネスの中枢に入り込むことが重要である
    ・維新後、日本という国がここまで成功したことの一つの大きな理由は、日本中あらゆるところから才能と情熱を集め、それを解き放ったことにある。

  •  日本再生はどうすればいいか?を問う。未来は目指し、つくるものだ。世界がグローバル化やデジタル化が進展する中で、日本がどのように変革を遂げ、持続可能な未来を築くか。AIの進化が急速だ。AIは、計算機xアルゴリズムxデータで構成される。AIは、その仕事の変数があれば、その変数をデータ化して成り立つ。そのため、言語をあつかうAIが急速に発展し、翻訳も可能となった。情報の可視化が起こり、意思決定の質が上がる。実数軸での規模感ではなく、「妄想し、カタチにする」イーロンマスク的虚数軸での強さが大きな価値を生む。描くべき大きな絵の大きさとデザインが決め手だ。そして「目に見えない価値」を想像し生み出す。AIready化社会への構築が求められる。

     日本は少子高齢化や経済停滞といった従来の課題に加え、情報技術の進化に伴う新たな挑戦にも直面している。その中で、安宅和人は「対話」と「共創」の重要性を強調し、多様な視点を取り入れることが地域社会や産業の活性化につながるという。また、データ活用やイノベーションを通じて新しい価値を創造し、国際的な競争力を高めることが日本の未来にとって不可欠であるとする。

     市場でのシェア、独特の位置、既存の枠組みでの規模と効率性の追求、既存のルールでのサバイバルというのが、新しいゲームは、未来への期待感、寄与、ICT、技術革新をテコに世の中をアップデートし、ジャングルを切り開きサバイバルすることだ。
     未来=夢x技術xデザイン。
     こんな世界を生み出したい、こんな課題を解きたいという気持ちなしに、手なり以外の未来が生まれる理由はない。世界の変化は想定以上に早いのだ。

     日本がなぜ失われた30年となったのか?
     人口の減少と経済の停滞があるが、いくつかの問題がある。女性の社会進出が遅れ、大学の女性比率が少ない。理科系学生が少ない。IT関係の学生も少ない。他国と比べ論文が少ない。生産性が低い。その結果として、給与も低い。驚くべき、日本の劣化である。
     日本では、技術革新や産業革新の新しい波は起こらず、企業価値レベルは中国と韓国に負け、日本の大学も負け、人も作れず、AIの三大基本要素が勝負になっていない。あっという間に取り残されている。デジタル技術の普及が進む中で、従来の産業構造が新たな形に適応できていないことが大きな課題となっている。また、人口の減少が進む中で、労働力不足や消費市場の縮小が懸念されている。結局は、日本は負けっぱなしなのだ。世界と勝負になっていない。ちょうど、黒船がやってきた時と同じような状態だと安宅和人はいう。

     若者の価値観の変化やライフスタイルの多様化は、これまでの常識を見直すきっかけとなる。安宅はこのような変化を捉え、日本が持つ独自の文化や技術を生かしつつ、新たな挑戦に対する柔軟な姿勢が重要であるという。

     さてどうするのか?日本は、再生できるのか?
     安宅和人はいう「この国は、もう一度、立ち上がれる」
     まずは教育やスキルの向上が重要視される。新しい技術に適応できる人材を育成し、デジタル社会に対応する力を養うことが不可欠である。また、企業と学術、政府が連携し、イノベーションを支えるエコシステムを構築することも挙げられている。さらに、地域社会の活性化や、国外市場への積極的な進出も、変化に対応するための鍵となる。これにより、内需の低迷を打破し、新たなビジネスチャンスを創出することが求められている。

    人は、「起爆人種」「参画人種」「応援人種」「無関心人種」「批判人種」に分けられる。起爆人種に感動し、インスピレーションを受け、一緒にこの動きに加わる参画人種が動き出す時だ。

     人間社会で成功するかどうかは、面白いことを仕掛けられるかどうかだ。そのかなりの部分は、運、根気、勘、そしてその人の魅力、すなわちチャームだ。言葉や数値になっていない世界が大半だ。
     このおもしろい時代局面で、価値を生み出せる人を生み出す。異人がカギを握る。人が目指さない領域で、夢を描き、複数の領域を繋いで形にし、どんな課題や話題でも理解する人脈を作る。そして、スケールよりも刷新、創造が重要なのだ。

     未来を担う若者への投資、日本の持つ妄想力、アニメで育てられている想像力や感性があることは、飛躍しやすい。攻殻機動隊、鉄腕アトム、ドラえもんなど日本の妄想力は強みである。知性の核心は「知覚」にある。ファーストハンドの経験が近くを鍛える。
    未来には、4つある。確実に見通せる未来。他の可能性もある未来。可能性の範囲が見えている未来。まったく読めない未来。そして、それにとりうるスタンスは、自ら未来をつくる。未来に適応する。プレー権を確保する。完全な予測は不可能という前提の下に、何を仕掛けるかを考える。

     病気を治し健康にするというあるべき姿の課題解決(ギャップフィル型)とあるべき姿から定めるタイプの課題解決(ビジョン設定型)。
     ビジョン設定型として風の谷ナウシカ・プロジェクトを始動させる。水もあり、森もあり、海もある。そんな豊かさを基本にしながら構築する。少なくとも200年以上続く運動論の最初を立ち上げる。
    風の谷とは、よい場所であり、人間が自然と共存する場所である。その土地の素材を生かした美しい場所である。自然が主役である。それを、風の谷が共感する人の力が結集して出来上がる。やりながら作り出していく。自然と共に豊かに人間らしい生活を営む価値観であり、人間らしさは人それぞれである。多様性を尊び、コミュニティに魅力があること。風の谷は、風の流れがあり、匂いや色彩の豊かさを5感で感じられる空間である。

     失われた30年は、失われたのは希望だった。そして、なぜ失われたのか?
     前の時代に生まれたシステムや価値観を、今も捨てられすにしがみついているからだ。
     変化を恐れず、自分の足で、自分の頭を使って、新しいことをするべき時だ。
     希望は、そのような行動において初めて希望となるのだ。
    #安宅和人

  • ・時代の潮流に乗ること
    ・人間社会で成功するかどうかは運、根気、勘、Charmにかかっている
    ・知覚できないものは知識になりえない。知覚を育むことを意識すべき
    ・知覚した内容を自分なりにアウトプットすることが有効かつ重要である=真の理解につながる
    ・人口減少は必ずしも悪ではない。生産性向上ができれば3000万人程度でも経済的に持続可能

  • 僕にはキャパオーバーな本でした(不甲斐ない)
    そんな本だけあって感想もしっかりと書かれているのが多い様な・・・皆さん流石です

    僕も含めて初心者はYouTubeの要約動画を観た方が頭に入るかも汗

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著者プロフィール

慶應義塾大学 環境情報学部教授。ヤフー株式会社 CSO(チーフストラテジーオフィサー)
データサイエンティスト協会理事・スキル定義委員長。東京大学大学院生物化学専攻にて修士課程終了後、マッキンゼー入社。4年半の勤務後、イェール大学脳神経科学プログラムに入学。2001年春、学位取得(Ph.D.)。ポスドクを経て2001年末マッキンゼー復帰に伴い帰国。マーケティング研究グループのアジア太平洋地域中心メンバーの一人として幅広い商品・事業開発、ブランド再生に関わる。2008年よりヤフー。2012年7月よりCSO(現兼務)。全社横断的な戦略課題の解決、事業開発に加え、途中データ及び研究開発部門も統括。2016年春より慶応義塾大学SFCにてデータドリブン時代の基礎教養について教える。2018年9月より現職。内閣府 総合科学技術イノベーション会議(CSTI)基本計画専門調査会 委員、官民研究開発投資拡大プログラム (PRISM) AI技術領域 運営委員、数理・データサイエンス・AI教育プログラム認定制度検討会 副座長なども務める。著書に『イシューからはじめよ』(英治出版、2010)

「2020年 『シン・ニホン』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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