2060 未来創造の白地図 ~人類史上最高にエキサイティングな冒険が始まる [Kindle]
- 技術評論社 (2020年3月5日発売)


- 本 ・電子書籍 (505ページ)
感想・レビュー・書評
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未来像について、一定度の具体性納得度を持って描かれており、非常に参考になる良著。
少し先をみすえた構想を行う際には参考にしたい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
論文数、特許出願数、ベンチャー設立数から未来の進化を大胆に予想した本。「未来の部品」の章で、現段階での技術がどうなっているかが述べられていて、2060年の未来も具体的に想像することができる。
第1章のファッションの未来は短いものの大きな可能性を感じた。様々な素材に“塗って”太陽光発電を行うペロブスカイト太陽発電技術は、衣類にも適応できるという驚き。発光したりセンサーで身体状況を測ってくれる服ももちろんいいが、「空間を知覚する新しい身体器官としての服」はもっとも未来感を感じた。今できる行為(歩く、持つなど)の機能を強化するだけでなく、新しい機能をつけてしまうというなんとも未来的な発想で大好き。コスメも同様に面白い。健康を意識した医療コスメは今でもだんだん出てきているが、人工皮膚を使ったコスメやAR・プロジェクションマッピングコスメなど、自己表現を多様にする新しいコスメの未来があった。もうどんな顔で生まれても関係なさそう。
第3章の移動と都市では、車も家も都市も同じ"空間”になっていきそう、という感想(大小が違うだけ)。自動運転車の時代に、車は“動く空間”として車内で何をするかが重要になってきて、移動とセットで何を提供するかに新しいビジネスの可能性がある(「ピザ窯付き車」という謎のニッチサービスを述べた著者好き)。「海上浮遊型都市」「動く都市」の例のように、家の部屋や都市の施設をモジュール型的に入れ替えられることは未来的。まちづくりシミュレーションゲーム『SimCity』でそんなことができたら大喜びするくらい、実現したら大きなインパクトになりそう。
全体を通して懸念点なのは倫理の問題。遺伝に関する倫理問題はよく言われているが、エンタメ分野で人の感情や、食分野で人の嗜好を勝手に読むことは果たしてどこまで許されるかはまだわからない。著者が終盤で「ヒトは多様性をどこまで受入れられるのか」は、未来では倫理観も多様になり、どこに基準を設けるのかという警鐘も含めている気がする。 -
一読を推奨。2022時点。
広く浅くだけど網羅的に把握可能
実装の有望技術元が、国内・海外で記載
興味ある分野は追究の糸口となる -
正直、内容の深みが無いと言うか全体的に示唆が薄い印象。
SFプロトタイピング手法をもっと深く追求したほうがいいと思う。
各技術の解説も表層ばかりを拾っており、その本質が捉えられていないので、想像の広がりにくい。
2060年という設定に無理があるのか、この程度の深みしか出せないのは仕方が無いかもしれないが、個人的には残念だった -
2060年頃までの、「未来予想図」「未来の部品」の具体例が数多く提示されている。内閣府主導で5年間に1,000億円が投入される計画だそうだが、1兆円でも良いだろう。
「リアルとバーチャル、サイバーとフィジカルは一体化しAIと共に歩んで行く」そのための注目すべき技術が「テレイグジスタンスと量子テレポーテーション」だと語られている。
ワクワク感が半端ない、人類史上最高にエキサイティングな
冒険の旅に出発しない手はないですね。
著者プロフィール
川口伸明の作品





