ヤマケイ文庫 アイヌと神々の物語~炉端で聞いたウウェペケレ~ [Kindle]

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  • 山と溪谷社
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  • 神と人間の物語はだいたい、神に平伏するのは人間の方だが、アイヌの昔話はたとえ神様でも"悪いこと"をしたら容赦はされない。けっこう徹底的に懲らしめられる。そうなってはたまらないので、神様は人間に"助け"を求める。助けてくれればあなたを一生守りましょう、と。そういうお話が多いイメージを持った。神と人は対等だ。
    そこに、アイヌという民族の気概を感じた。言葉的にも、アイヌという言葉は人間を表す。これは最後の方に収録されている国作り(創世記)の言い伝えにも出てくる。

  • アイヌと神々の関係は双務的である。人間が一方的に膝を屈するのではなく、「こちらが神を敬うのだから恩恵を与えて欲しい」というある種の契約関係であり、神のやらかしに対しては人が神を叱ることすらある。この距離感が面白い。

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著者プロフィール

1926─2006年。北海道生まれ。アイヌ文化研究者。学術博士。長年アイヌの民具や伝承を精力的に収集・記録し、1972年には二風谷アイヌ文化資料館を開設、館長を務める。1994年、アイヌ出身者としてはじめて国会議員となり、北海道旧土人保護法撤廃・アイヌ文化振興法制定などに尽力。主な著書に、『ウエペケレ集大成』(アルドオ、菊池寛賞)、『萱野茂のアイヌ神話集成』(ビクターエンタテインメント、毎日出版文化賞)、『萱野茂のアイヌ語辞典』(三省堂)がある。

「2017年 『アイヌ歳時記 二風谷のくらしと心』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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