格差は心を壊す 比較という呪縛 [Kindle]

  • 東洋経済新報社
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感想・レビュー・書評

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  • 平等って何だろう?って考えさせられる本だった。

    先進国では不平等とうつ病に相関があるらしい。
    不平等は飲食の嗜好の差を産むらしい
    不平等な社会ほど子供のいじめが増えるらしい。

    どうも不平等を否定したい本に思えた。

    ただ、貧困の本質は物質的貧しさではないらしい。
    この辺りは経済政策の限界も感じさせる。
    だからなのか「完全に平等な社会は存在しない」とも書かれている。

    なんか、納得できることは少なくないけれど、もやもや感が結構残る不思議な本だった。

  • “不平等”は貧しい人だけでなく、裕福な人にも影響を及ぼす。格差と健康・社会問題の因果関係を明らかにし、より良い社会を創造するためのビジョンを提示する書籍。

    先進国では、開発途上国よりも心の病の発症率が高い。
    ・研究によれば、富裕層と貧困層の所得格差が大きな社会ほど社会生活が弱体化し、格差が小さな社会ほど連帯が強まる。
    ・不平等な社会では、社会的地位が人間の優劣を示す指標として重視されるため、社会的評価や地位への不安が増大する。

    不平等な社会で、自尊心や社会的地位を維持しようとすればストレスが高まる。他人と自分を比べて挫折を感じる一方、世間に対して成功していると見せかけようとする。自負心の強くない人は、こうしたストレスの高まりから、薬物やアルコール、ギャンブルなどにはまり込み、抜け出せなくなる。

    所得や社会的地位の格差は、次のような弊害をもたらす。
    ①すべての社会階層で、健康や暴力など多くの問題が悪化する
    ②社会的な流動性が低下し、文化的・社会的な分断が広がる
    ③地域社会での絆が弱まり、社会的な団結が損なわれる
    ④地位への不安が高まり、うつ病や不安障害が広がっていく
    ⑤自分の価値をアピールするための自己顕示的な消費が増える

    大多数の国民にとって、生活の質の本当の改善が実感できる未来を築く必要がある。そのためのポイントは、次の4つ。
    ①不平等をなくし、ストレスも分断もなくす
    ②生産性上昇の成果を労働時間の削減に振り向け、もっと多くの時間を家族や友人、地域社会のために割けるようにする
    ③協同組合など民主的な組織を作り、労働生活の質を改善する
    ④無駄な消費をやめ、身体的、精神的な健康を回復させる

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  • ・トップポイントで読む
    ・先進国の方が人は相対的に幸せや成功を測るのでストレスだって話。真新しさはない

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著者プロフィール

リチャード ウィルキンソン
ノッティンガム大学メディカルスクール名誉教授
経済学者、公衆衛生学者。ロンドン・スクール・オブ・エコノミクスで経済史を学び、後に疫学を学ぶ。ノッティンガム大学メディカルスクール名誉教授、ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン名誉教授。著者に『格差社会の衝撃』『寿命を決める社会のオキテ』など。ケイト・ピケットとの共著『平等社会』は『ニュー・ステイツマン』誌の「この10年に読むべき本トップ10」に選出され、20を超える言語に翻訳された。

「2020年 『格差は心を壊す 比較という呪縛』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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