- Amazon.co.jp ・電子書籍 (118ページ)
感想・レビュー・書評
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お兄様の亡くなった、という心冷える事実の中、
えぇ! こんなことが!? そんなことも!?
と、次々と大変なタスクが目の前に現れて…
自分なら怒りと悲しみと恐怖に
立ち尽くしてしまいそうだけれど
作者は、立ち向かう。
絶妙な文章で、淡々と起こる事実を見せてくれ、
最後には、読み手である自分もひと仕事終えて、
あぁ、一緒に頑張ったね、と思わせられる筆力。
暗い中に、確かで強い光を見つける力が
ある筆者の文章を読みながら、
何か強く、優しく、愛情あふれた力をもらった。
読んでよかった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
実際に、家族を見送った経験があり、また、独り身の兄をもつ身として、痛く共感してしまった。他人事ではない、人間の終いの話。
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面白おかしいんだけど、後半は良一君を思うと、涙なしにはいられない
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村井理子さんの軽快な文で、重くなりそうな題材がスルスルと読めた。
嫌い避けていたお兄さんの死に対する飾りのない思い、言葉、行動。
嗚咽じゃなくて、さらさらと泣いた。
お兄さんも、ほんとうはがんばってた。
残された人、みんな、優しかった。
筆者はこれから何年もいろんな思いが渦巻くのだろう。
死んだ人が、憎んだ人じゃなくも、そうなのだから。 -
家族という存在を思う時に、どうしようもなくまとわりつく重さや煩わしさの正体は何なのだろう。
作者の、兄や母に対する怒りや諦めにはとても身に覚えがあり、なかなか平静に読み進めることができなかった。そして、その中にほんの時々顔を出す擦り切れた愛情もまた、よく知ったものだった。
亡くなった絶縁状態の兄のために必死で奔走する作者や兄の元妻の誠実さに、わたしはいつかこんなふうに家族と向き合うことができるだろうかと読み終えてからずっと考えている。
とてもやるせなくて、それでいて奇妙にまぶしい読後感が印象的だった。 -
こうやって気持ちが整理されていくんだな。それにしても理子さんも加奈子ちゃんも強くたくましい。
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兄の突然死を受け奔走する5日間を描いたエッセイ。
亡くなって初めて知らない一面を知り、押し寄せる後悔。そんな暇もないくらいに体を動かしてする遺品整理。これは大変だ。でも人に起きた大変なことほど面白いのがエッセイ。喜怒哀楽全てが駆け抜ける。秀逸 -
東北に住む兄が突然、病死した。
父も母もいない自分が唯一の肉親で、兄の終いをする必要がある。5日間で兄を終うための実話。
ちょこちょこお名前はお見かけしたいたものの、厚労省官僚の村木厚子さんと間違えており、なぜか手に取らなかった。が、エッセイを読み始めたらなんとまあ面白い。
主に家族との話を書いていらっしゃる。今後の活躍も楽しみだし、翻訳家として訳されたものも読んでみたいと思う。 -
とてもリアルだと思ったらほぼドキュメンタリーなんですね。これも切なすぎる