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Amazon.co.jp ・雑誌 / ISBN・EAN: 4910077070508
感想・レビュー・書評
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連載横尾忠則「原郷の森」、文學界新人賞三木三奈「アキちゃん」読了。アキちゃんについて途中でえっ⁈って思う瞬間があって、なんかすごいかもと思った。
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芥川賞ノミネート作品『アキちゃん』掲載ということで読みました。主人公の毒づきで始まる物語。その不穏さにどんどん引っ張られていく。途中、えっ!となる展開に読者は右往左往するが、そんなことはお構いなしに物語は進む。最後はなんとも言えない読後感だけが残る。
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第165回芥川賞候補「アキちゃん」
まあちょっとトリッキーな短編であるが、ジェンダー理解をテーマにした作品……なのかな。なんとも後味が悪い。
「わたしはアキちゃんが大嫌いだった」と小学生のころのアキちゃんへの憎しみを延々と書く。ジェンダー、格差、宗教など世界を子どもの視線で認識するのは面白い。
うーん。「選考会を議論の渦に巻き込んだ”寄り添わない小説”」との表紙のフレーズがねえ。
ジェンダーをテーマにした作品、素直に読むべきか、選者の東浩紀のように読むべきか。
主人公が大学で小学生のころの同級生から、すぐに気づかれる場面、「うしろ姿でわかった。ミッカーって、すごい猫背じゃん。」って、ここで傍観者だった主人公は見られる存在となる。
芥川賞予想▲単穴。 -
アキちゃん 三木三奈
ただただアキちゃんを憎み続け、このリアルな子供らしさ(嫌いなら避ければいいとか全く通用しない、憎しみの中に愛っぽさがある)が評価されたのかと思ったが、選評を読み「アライ批判小説」(どうせマジョ側はマイノを救いようのない)と言われびっくり仰天。(だから主人公はアキの兄が好きっぽいのだ!)東氏のマイノ側を救わないことへの批判も川上氏のそのリアルさへの評価も頷ける。
本筋と関係ないところ
・アキちゃんと中心エリカの家が近い=だから小学校ではアキはいじめられない
・バッチャンの宗教一家=これはいよいよ本筋と関係ないが面白さのためなのだろう
復讐する相手がいない 奥野紗世子
未来の新宿、崩壊都市シナシティでゼゲン(女衒)として女を風俗にスカウトするアリゾナ。街のテロ計画に巻き込まれ、おじさん達ほど昔の街を懐かしんでないし若者みたいにテロに熱心じゃないから復讐する相手がいない。
樒の家 田村広済
熱心な仏教徒の母。汚れた血をきれいにするため経を唱える。弘宣は頭に汚れた血溜まりができる。火事で母が救ったのは弘宣ではなく観音様だった。久しぶりに会い弘宣の汚れた血に母と経を唱える。 -
『げいさい』最終回読了。
甘酸っぱく苦い青春小説の体をとった「日本の芸大的なモノ入門」。
普通に面白かった。 -
『アキちゃん』
面白かった。冒頭の段階では、今村夏子さんや、村田沙耶香さんのような、独特な世界観というか、ある意味極端な思い込みや価値観を持つ人物を描き出す作品なのかと思った。しかし、実際には独特な舞台設定とか人物設定というものは大掛かりな形ではなかったし、今村さんや村田さんがある種過剰なまでにその人物について筆を割くのに対し、本作はむしろ、描かないことにより表現し、それに成功しているように思う。アキちゃんについて、あえて出す情報を制限していて、そのため変に教訓的にもなっていないし、恣意的に何か解釈を提示するということでもなく、小説としてそこがとても上手な表現だと感じた。
今後、今村さんや村田さんのような作品を表現することもできそうな方のような予感がした。つまり、簡単に読者を自分の方へ引き込んでしまうような小説を。
ただ今回、少し残念に思ったのは、作品の短さである。面白いからすぐに読了してしまったように感じたが、それにしてもと思う。たくさん字数を使っているのに、それでも絶妙に「言わない」ことによって上手く表現する作品もあると思う。そのことを考えると、本作は、全体をコンパクトにまとめることが表現の上手さに寄与している面があると思ったので、そこをどう評価するのだろうか。
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