女帝 小池百合子 (文春e-book) [Kindle]

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  • ジャンルとしてはホラー小説に近い。

  • 現都知事・小池百合子の嘘にまみれた成り上がり人生と、冷酷な人間性を暴いたノンフィクション。
    ノンフィクション、なのだけれど、息もつかせぬ怒涛の展開とダークヒロインぶりで、小説のようなエンタメ感すらある。松本清張か、山崎豊子か。

    小説と違うのは、主人公には最後まで天罰がくだることはなく、彼女に虐げられた人々は救われぬまま。スカッとする結末があるわけではないこと。話は現在進行形のコロナに至り、これがフィクションではない現実の話だと突きつけられて終わること。
    そう、彼女は現役の、そして次期も最有力とされる、日本の首都・東京都の知事なのだ。女性初の総理候補とすら言われている。

    超個人的な意見としては、学歴詐称は別にいい(公職選挙法に違反するそうですが)。彼女がアラビア語を話せなくても構わない。
    ただ、人の心の痛みに寄り添わず、志もなく、自分の承認欲求のためだけに上を目指している政治家ならやめてほしい。

    私のような一般人に、こんなふうに思われることは彼女の本望ではないだろうが、彼女が気の毒だ、早く楽になればいいのにとすら感じた。虚栄心の塊の父に利用され、だれも信じることができず、親しい友人も家族もいない。
    孤独にたたかう相手は、幼少期の彼女に劣等感を植え付けた「世間」か。目下の(と彼女が思う)人々に冷徹なのは、二度とそこへは引き摺り下ろされぬという恐怖からか。すべてのたたかいの後、彼女の手に残るものは。

    本書は小池百合子とともに、メディアのあり方も疑問視している。事実を追及せず、ただ刹那的に話題性あるトピックを追いかける姿勢。いたずらに、若い女性VS古いおじさんで政治をショーとして盛り上げ視聴率をかせぐ浅知恵。
    そしてそうとは書かれていなかったけれど、それらのショーを喜んで享受している私たち一般人にも責任はあるのだと思う。

    わかりやすいキャッチコピーや、見た目や、演出に惑わされず、本質を見る目を養いたいと思った(その意味では、本書も数ある情報のひとつとして冷静な目で見るのが本来だろう)。政治に当事者意識を持ち、自分の意見を育てたいと思った。
    まずは都知事選の行方を見守りたい。私が都民でなく、今回の選挙に参加できないのが残念だ。

  • 戦国大名の成り上がり物語みたいで面白かった。ただ物語クライマックスは、ここから21年秋の衆議院選挙にかけてだと思う。どこまで成り上がれるか、すべて終わった後の続編に期待。

  • 胸糞悪くて序盤で断念した。
    最後まで読むと精神が汚染される気がする。


    百合子が心底嫌いな気持ちだけがバッシバシ伝わってくる

    もちろん百合子が事実を誇張しすぎているのが悪なのだけど、
    書き方に悪意を持たせるとこんなにも増悪な文章になるのか。

    人の悪意は作られたホラーよりも怖い

  • 本を読んでこれほどの憤り、怒りを覚えたのはいつ以来だろう。それほど小池百合子という人物は酷い。著者の石井妙子さんの綿密な取材力に裏打ちされた本書は信じるに値すると思いました。

    先ず、カイロ大学を主席で卒業したという経歴詐称。当時、小池と同居していた女性の証言がある。
    そして、芦屋が地元の小池のもとに阪神淡路大震災の被災者が訪ねた時、指にマニキュアを塗りながら対応し「もうマニキュア塗り終わったから帰ってくれます? 私、選挙区変わったし」と言い放つ。
    2002年、北朝鮮拉致被害者家族が「5名生存、八名死亡
    」という情報を耳にし涙の会見を終えたあと、拉致議連副会長の小池は慌ただしく会場を後にしたかと思いきや大声で「私のバッグ。私のバッグがないのよっ」「あったー、私のバッグ。拉致されたかと思った」と横田夫妻もいる部屋で叫ぶ。
    環境大臣時代にアスベスト被害者に不誠実な態度をとり続け、穴だらけの不十分な救済制度をつくっておいて、「小池さん、あなた、崖から飛び降りると言ったでしょ。言ってないなんて・・・。皆、聞いてるんですよ」と言われると、からかうように、関西風のアクセントで「言ってませんよ!」と言い放つ。

    これが今の東京都知事である。人の心の痛みがわからない、嘘で塗り固められたこの人物に日本の首都を任せつづけるのか? 次の都知事選までに都民には本書を読んでもらって、良識ある判断をしてもらいたいものです。

  • 序盤読んで胸糞悪くなってやめました.

    端的に言って嘘つきなのですね。。。

  • すごく悪意を持って本人からの情報なしでまた聞きの情報でストーリーを組み上げるとこうなるのか、という面白い例。そのようなフィルターを持って読めば興味深くさらっと読める。

  • 虚偽と見栄に満ちた人生の暴露。驚きの人物像。生れた時から右頬に赤い痣があり、劣等感にさいなまれた日々。芦屋の令嬢という虚像を演じた日々、そしてエジプト・カイロでの自由奔放な日々。カイロ大学卒業という勲章、そして美貌、権力者(細川・小沢・小泉)の心を掴む術を元に日本での立身出世の日々。マスコミへのアピールにより小池旋風を巻き起こす日々。男女の噂さえも立つような微妙な関係をむしろ利用していた!そして自分より若い安倍晋三との関係では齟齬が。それが都知事選出馬、希望の党の設立に繋がっていく。これが本当の姿だとすれば、小説の世界のよう。こんなことがありうるのかと驚愕である。東野圭吾の「白夜行」そのものの世界が現実にあるのだろうか!女性の地位向上は彼女の中では望んでおらず、自らは名誉男性としての扱いで、他の女性への蔑視の考え方があることは分かるように強く感じた。

  • 政権が変わっても残り続けられるメンタルというかしたたかさ。パフォーマンス重視で中身がないと言われたのには、どのように振る舞って嫌われたか、どんな幼少時代をおくりこのような人格形成になったのかが掴めた。
    薄っぺらくともここまで登っていけるの単純にすごいなと思った。

  • 多分読まないけど

    『女帝 小池百合子』著者に聞く、小池都知事に賛同できない理由 | Close Up | ダイヤモンド・オンライン
    https://diamond.jp/articles/-/240531

    『女帝 小池百合子』石井妙子 | 単行本 - 文藝春秋BOOKS
    https://books.bunshun.jp/ud/book/num/9784163912301

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著者プロフィール

太田・石井法律事務所。昭和61年4月弁護士登録(第一東京弁護士会)。平成30年経営法曹会議事務局長。専門分野は人事・労務管理の法律実務。

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