心を病んだらいけないの?―うつ病社会の処方箋―(新潮選書) [Kindle]

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  • 対話を重視した精神科の治療「オープンダイアローグ」の日本における先駆者の斉藤環氏。

    リワークプログラムに通い心の病と立ち向い、現在の立場で活躍をする與那覇潤氏。

    脳科学者の茂木健一郎氏が自身のYouTubeチャンネルで絶賛していたこと、両氏の著作を読んでいたこともあり、手に取ってみた。

    一人でじっくり考えてみるのも良い。

    だが、その考えをだれかに聞いてもらえたら、なお良い。

    そして、共感をしてくれたのなら、更に嬉しい。

    「死にたい」と悩んでいる人に、同意はできない。
    でも、「死にたい」となるまで悩んでいることに共感することはできる。

    「同意なき共感」--がこの対話のキーワードになっている。

    「自分と相手との『違い』を掘り下げること、異なった意見が対立しあわずに共存している状態を、対話実践では『ポリフォニー』と呼ぶ。個人の統合性を傷つけないポリフォニーの空間において、ほんとうの意味での個人の主体性がもたらされる。これが対話実践の思想となる。そしておおむね、『結論』や『解決』は、主体性の回復のあとに勝手についてくるものなのだ。まるで予想もしなかった形で」(『あとがき』より)

    仏典には、「他人なれども、かたらいぬれば命にも替わるぞかし」と。

    他人であっても心を開いて語り合うのならば、生命に替わりあるような存在になるのだと。

    対話こそ、苦難を乗り越える力だ。

  • テーマは多岐に渡るが、貫いているのは、「つながり」

    自己と他者に明確な境界線はなく、全てはつながっている。複雑なものをあえて簡単にしようとしない、という最近考えてることにジャストフィットだった。

  • 処方箋は対話

  • 「社会的ひきこもり」の斎藤環氏と、
    「知性は死なない」の與那覇潤氏の対談。
    サブカルや、時事ネタ、関連書籍etc
    それらを交えながら、精神疾患への対話の重要性に迫っていく内容で、テンポ良く読めた。

  • 例えば、こんなことが書かれていた。
    平成三十年間をふり返ったとき、皮肉なのは、われわれ資本主義の下で「共産主義の失敗」を繰り返していること。

  • 対談だしさらっと読めるかなと思ったら、話題も論点もあちこちへ広がり、寝る前にキンドルで少しずつ読んでいたこともあって、把握しきれないまま終わった感じ。「おもしろい!」と感じてハイライトをひいた箇所は多々あったんだけど、それが全体のなかでどういう意味を持っていたのか……。うーん、いつか必要に応じて読み直すか。

  • やや難しめ。

  • 表題に反して骨太な内容だった。前半の政治談義には辟易したが、総じて興味深い内容だった。

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著者プロフィール

斎藤環(さいとう・たまき) 精神科医。筑波大学医学医療系社会精神保健学・教授。オープンダイアローグ・ネットワーク・ジャパン(ODNJP)共同代表。著書に『社会的ひきこもり』『生き延びるためのラカン』『まんが やってみたくなるオープンダイアローグ』『コロナ・アンビバレンスの憂鬱』ほか多数。

「2023年 『みんなの宗教2世問題』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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