うたうおばけ [Kindle]

  • 書肆侃侃房
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感想・レビュー・書評

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  • これ随筆なのか…結構前に買ってたんだけど読めてなかったやつ、読み始めたら一息。短編集と思ってたら随筆と書いてある。まあどっちでもいい。
    いやあすごくよいものを読んだなあ、とほくほくした。うたうおばけ、の表紙の雰囲気からなんとなく都会の片隅で夜をすごすセンシティブな女子たちの物語…みたいなのを漠然と想像してたんだけど、いい意味で裏切られた。
    とてもすこやかなのです。突き抜けた岩手の大きな空の下で育ったちょっと風変わりな女の子が、日常のあちこちに散らばってる素敵なもの、いとしいものを大事に拾い集めている感じ。
    そのまなざしがみずみずしいし、たくましい。このふたつ、なかなか両立しにくい気がするんだけど。
    自意識よりもつよい、他者への愛、世界の肯定。随筆なんてのはきらいなものをディスるほうが書きやすいんじゃないかと思うんだけどそういうのはほとんど出てこない。好きなものや、好きな人たちの価値について語られる。発見として。
    家族と素麺食べてる話とか、雪を食べる話とか、からあげボーイズの話とか、短いのに印象的なのがたくさんある。歌人なんですね。
    1994年うまれかあ。もう、なんだか悔しくなるくらいにまぶしい。ずるいわあ。好きだわあ。自然のうつくしさを知ってる人は、世界がうつくしいものだと信じる強さを持ってるんだな、などと思う。

  •  中華料理店で儀式をする話と、雪おにぎりの話、ギャルの話が特に好きだった。
     日常のなかにありふれてしまって、気づかず忘れていってしまいがちな言葉のかけらたちを、拾って、残して、したためることがとても上手だなと思った。
     日常って後から見返すと、どうしてこんなにきらきらして見えるのだろうね。


    p64つらい経験の何もかもが最終的には笑い話になってしまう。

    p124「陸をまっすぐたくさん歩けるって、幸せなことだよ」

    p129「だって夏ですもん。夏って、でっけー目で見たいもの、いっぱいあるじゃないですか」

  • タイトルの通りで、わたしを空腹にしないほうがいいです。おいしいものを食べるのは楽しいし可愛いし美しい。もう食べることで世界は回っているのではないか?と思ってしまうぐらい、食べ物への愛があふれちゃってる本です。かわいいー、私もこんなおいしい料理を食べて、作れるようになりたいなー、

  • くどうさんの現代詩をもっと読んでみたいと思いました。

  • よかった。友だち多いな。

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著者プロフィール

歌人・作家。1994年生まれ。岩手県盛岡市出身・在住。著書に、第165回芥川賞候補作となった小説『氷柱の声』、エッセイ集『わたしを空腹にしないほうがいい』『虎のたましい人魚の涙』『桃を煮るひと』、歌集『水中で口笛』、第72回小学館児童出版文化賞候補作となった絵本『あんまりすてきだったから』などがある。

「2023年 『水歌通信』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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